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自殺未遂をした20代の女性。 別世界になってしまった日常!  『無料公開 投げ銭方式』

●ようこそ身体障害の世界観へ●


※作品はすべてフィクションです。
しかし、自殺防止の観点から事実に基づいた内容でお伝えしていきたいと思います。ご自身を大切にしましょう。


自殺を図ったけれども、早く発見されて一命を取りとめた。
って話を聞くと思いますが、

その後の生活がどうなるか知っていますか?

よくドラマだと

自殺シーンで主人公が気を失い、
その後、誰かしらが発見し、慌てて「病院!」とか「救急車!早く!
などと叫びます。

そして病院のベッドで横になり、点滴とか酸素吸入とかされている
シーンから再度始まり、

明け方あたりに意識が戻り、主人公が目を覚まします。

両親役または恋人役が「よかった。助かったのね!」とか言われ、
その次にほっぺたを叩かれて「馬鹿なことをするんじゃない!」
とか本人に言って、本人泣きだし、同じ病室にいる人も泣きだし、
みんなで泣いて・・・。

 次のシーンは「数日後」って表記されて

にこやかに笑いながら元気な姿で退院していく・・・。

 さらに「その後」と表記されて

再起した姿でいきいきと暮らしている。

なんてことがありますが、

 実際は違いますよ! 大違いですよ!! 

ドラマだから美しく・綺麗な話に仕上げているのですよ!

現実は・・・。
そんなに甘くありません。

【どうなる?その後の人生?】

彼女は自殺を図りました。

苦しい現実から逃れるために・・・。


しかし、彼女を待ち受けていた未来は・・・。

身体障害者として生きることでした。


脳への損傷
が激しく、元には戻らなくなってしまいました。

失ったモノは大きい。 でも前に進まなければならない。

身体障害者として新しい人生を歩む。

彼女はどのような生活を送るのでしょうか?


続きをご覧ください

身体障害者になった彼女は いつもニコニコしていました。
声をかけると より笑顔になります。
とても楽しそうな笑顔です。

ゆっくり手を引いてあげ、散歩をすることが彼女の日課です。

天気のいい日には外を歩きます。
四季折々の空気が彼女の頬をかすめます。
外は気持ちがいいのでしょう。笑顔が増します。

眠っている姿は 
まさに普通の20代の女性です。

だだ、

ここがどこなのか、

今日が何月何日なのか、

目の前の人が誰なのか、

そもそも人なのか物なのかの認識があるのかさえ分からない状態です。

常によだれを垂らし、
アー・アーなどの奇声を叫び続けています。
言葉がしゃべれなくなりました。
おしっこ・うんちも漏らしてしまいます。
食事・水分を飲み込むという動作ができなくなりました。
食べ物をただ口の中に入れているという状態です。
だから胃に直接 栄養剤を入れる経管栄養を行っています。

歩けるけれど方向感覚がわかりません。
行き止まりというのがわからず、そのまま壁にぶつかり続けています。
倒れたら、倒れたままで、アー・アー叫んで 
そのままの状態でいます。

脳神経影響からでしょうか、
手のひらで額をたたく動作をやめません。
ずっとやっています。

爪が目の中に入り、瞳を傷つける可能性がるということで、
花粉ゴーグルみたいのをつけました。

手でパシパシ叩くため、ゴーグルが落ちます。

誤って踏みつけてしまいます。
ゴーグルは破損します。
本人も滑って転倒します。

でも本人は何が起こっているのかわかりません。
なんで転んだのかも、今、転んでいるのかさえもわからないのです。

ただ・ただ笑顔で、アー・アー叫んでいます。
毎日・毎日叫びます。
寝ている時以外は叫ぶのです。

こんな状態で今後も生きていくのです。

本人はどのように感じているのでしょうか?

わかりません・・・。
ただ・ただ笑顔です。

自殺を図り、一命を取りとめました。
その結果・・・。
このような人生になってしまいました。

今後の目標:体調に気を付けて生活する。
ここは身体障害者施設ですから・・・。

これが現実なんです。

通常の社会生活を営むことができなくなりました。

普段できていたこと、当たり前だった日常が遠ざかります。

では、彼女の両親はどのような気持ちで【娘】に接しているのでしょうか?

【母親の気持ち】

お母さんが施設に面会に来られてました。
毎週来ることを目標にしていたようですが、
仕事が忙しく、2週間に1回になることもありました。

お母さんが来ると決まって散歩をしていました。

親子2人だけの時間を大切にしていました。

仕事の関係で、本人の面倒をずっと見ることはできないし、
親達も高齢になってくるから介護が大変になるということで入所しました。

お父さん一度も来ませんでした。
本人には会いたくない。会うと泣いてしまうということです。

お母さんがボソッとつぶやきました。

「母親は強いのよ・・・。」


そうだなぁ~。って改めて思いました。

でも、そんなお母さんの顔が一瞬曇る瞬間がありました。

担当していた女性職員が結婚のため退職することになりました。

たまたまお母さんが来ていたので、新しい担当者へが挨拶をする
ことになりました。

引継ぎの話が一通り終わったところで、最後にその職員が「今までありがとうございました」と挨拶しました。

やり取りをどうぞご覧ください。

担当「今月末で退職します。いろいろありがとうございました」
母親「あらー。残念ね。せっかく慣れてきたところなのにねぇ~」
担当「偶然〇〇さんと同い年だったんです。でも一身上の都合で・・・。」母親「え~。そうなの。だったら、なお寂しくなるわね~」
次期担当「先輩!結婚するんですよね~。いいなぁ~。」
担当「まあ・・・。結婚するんです。旦那の関係で引っ越すんです。」

その言葉を聞いたとき、母親の顔が曇りました。

私は見逃しませんでした。

母親「そう!おめでとう~。」

すぐ笑顔に戻りましたが、一瞬曇ったのを見逃しませんでした。

次期担当は悪気がなく、自然な流れで話をしたため、まずいことを言ったという感覚はありませんでした。

周囲にいた別の職員たちは雰囲気が変わったのを察知したようです。

確実にお母さんはショックを受けたでしょう。

自分の娘はこうなっている。結婚なんて絶対に望めない・・・。

って・・・。

結婚・・・。可能性がある未来が奪われてしましました。

結婚できなくなりました。
本人の気持ちがわからないからです。
誰の事が好きで、将来どうしたいということもわからなくなりました。

できないことが増えました。
でも、本人は笑顔です。笑顔で生きています。

別世界にいるようです。

本人は何を思って暮らしているのでしょうか?
ここは楽しいのでしょうか?
居心地がいいのでしょうか?

何もわかりません。

こんな未来・・・。望んだのでしょうか?

心のどこかで、
生きたい。生きるべきなんだ。
彼女の中でそう思ったのであれば、

施設暮らしも悪くありません。

だって 生きているのですから。

今日のまとめ

自殺を図り、一命を取りとめた。未来に待っていたのは身体障害者として生きること。できる可能性を排除してしまった。それが残念である。

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