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涙ってどう出すの

 人の弱い部分を見るのがあまり得意ではない。特に、泣いている人。弱みを打ち明けられる=その人との信頼性の完成なのだろうが、それでも「あなたなら受け入れてくれるよね?」という無言のプレッシャーや相手への配慮含め何となく「私にそこまで求めないで、」と思ってしまうのだ。

 泣いている人を慰めるのは昔から得意ではない。辛いと発言した人に沁み入るアドバイスをして、泣かせるようなこともない。もちろん今もだ。なぜ得意になれないって、そりゃ辛い思いをしている人をその場だけでも笑わせることの方が私は好きだし上手いからだ。

 自分自身も(卒業式とか飲みの場とか大勢の前では泣くくせに)1対1で泣くことは殆どない。変な話だがこの歳になっても未だに、「泣く」という行為がなんとなく恥ずかしいと思っている部分がある気がする。いや、ある。だって泣いてる時の顔って(少なくとも私は)不細工だし、顔が浮腫んだり目が腫れたりするからその表情は次の日まで持ち越されたりするわけで。「泣く」という弱みを相手に握られている感じがして次回から普通の顔で付き合いづらいなあ、とか何となく思ってしまうのだ。何となく。

 結局なぜ人の弱みを見るのが苦手って、何処ぞの芦田先輩の言葉を借りれば、「相手が素を曝け出した状態」が「自分の中での理想像とかけ離れた状態」になったことに耐えられないからなんだろう。だからと言って「じゃあ他人に理想を抱いたり期待するのやめるわ、」という訳にも行かないから、やっぱり私は泣いている人を笑わせるためにも、日頃から面白い動画をブックマークしておくしかないようだ。

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