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楽しみながら働ける職場づくりとキャリアパスの構築で、業界で働く人の未来を照らす

新しいキャンプ場の在り方を求めて、会社のスタート地点からともに歩み続けている三枝さん。
キャンプ場の運営スタッフやマネージャーに必要なものは「自己解決力」
エリアマネージャーに必要なものは「優先順位をつける力と自己管理能力」
自分への戒めみたいですけど…と苦笑いしながらも、それぞれが果たすべき役割と求められるスキルを明確にし、安心して働ける環境を作ることに尽力を惜しまない。スタッフのキャリアアップ、会社の成長、さらにはアウトドア業界の未来にも貢献したいと、力強く語る姿がとても印象的。組織を支えるエリアマネージャーのお仕事について教えていただきました。

三枝 信裕(さえぐさ のぶひろ)
株式会社Recamp 運営部 部長
地方地域の魅力を伝える仕事がしたい、とキャンプ場運営の世界へ転身。2019年4月設立のRecamp第一号プロパー社員として同年7月に入社し、キャンプ場運営の豊富な経験と知識を活かして活躍。現在は全国の施設を統括するエリアマネージャーを経て幅広い役割を担う。


<R.projectグループのキャンプ事業を担うRecamp>

四季折々の自然・体験・味覚、人々の慣習、歴史など、日本にはまだ発見されていない魅力がたくさんあり、キャンプには、それを実感させる力がある。キャンプのあり方を、「再発見」「再定義」「再価値化」によって「新しく=RE」し、日本の遊休資産を活用、地域活性に貢献するキャンプ場の企画・運営を行っています。「キャンプ場運営の達人」を目指して、北海道から九州まで9道府県・20拠点で展開しています。


━━入社のきっかけは?

三枝:以前一緒に働いていた同僚がRecampの設立に携わっていて、その縁で紹介していただきました。「キャンプ場内にお客さまをとどめるのではなく、その地域を楽しめる“ベースキャンプ”になりたい」という構想、今までとは違うキャンプ場の在り方を作っていく、というところに魅力を感じて入社しました。

━━会社の環境や雰囲気は?

三枝:コロナ禍以降は本社へ出勤することは少なく、在宅もしくは各施設へ出向くことがほとんどです。
雰囲気的には、今は会社の組織改編もあって、少し戸惑いがあるように思っています。ただ、地域を楽しむベースキャンプとなるために、来場されるキャンパーさんにキャンプ場内でいかに満足していただけるか?という点に注力して、スタッフみんなで取り組んでいます。みんなで知恵を出し合って進めているので、大変さのなかにもやりがいを持ってくれていると感じています。

━━入社前と入社後に感じたギャップはありますか?

三枝:キャンプ場の運営には想定外のことが起こるという覚悟をしていたので、だいたいのことは想定内です。自分自身も想定外の出来事には対処できると思っていました。
ただ、ちょっと処理が追い付かなくなってきたな…というところで、自分の思いと現実にギャップを感じています(笑)。

━━運営部の仕事、エリアマネージャーの仕事について教えてください

三枝:運営部は、キャンプ場を安心して、安全で快適に、楽しく過ごしていただけるように準備から接客対応まで、文字通り施設の運営全般を担っています。エリアマネージャーは、そこで働くスタッフが接客に注力できるようにすることが仕事です。
具体的な業務は、各施設マネージャーとのミーティング、スタッフとの面談、各施設の売上と支出、勤怠の管理等です。会社の動向を施設へ共有してスタッフの目線を合わせるのも大切な仕事です。
そのため、エリアマネージャーには、ものごとを面で捉え、会社の全体的な流れを把握したうえで的確な判断・指示ができること、そういう能力が求められていると思って務めています。

━━チームや社内のコミュニケーションはどのように行っていますか?

三枝:マネージャーとのオンラインミーティングは定期的に行っていますが、日々のコミュニケーションは、メールやチャットが主です。ただ、特にテキストベースでのやりとりは、伝わりづらい部分もあるので、直接会って話す機会は設けたいです。
複数施設を運営している組織の場合、本部と現場の乖離はどうしても生まれてしまいます。そこを埋めるためには、現場に行ってスタッフとしっかりコミュニケーションを取る、現場の温度感を肌で感じることが大切だと思っています。
現状は不定期になっている施設訪問も、定期的にスケジュールが組めれば、現地スタッフも共有事項や相談内容の準備、スケジュール管理もできるようになるので、そんなふうにしていきたいですね。
何かあればスタッフも直接連絡をくれるので、私自身は連絡の取りづらい相手ではないと思ってるんですけど(笑)

━━社内、部署間のコミュニケーションは?

三枝:気兼ねなく相談できる組織です。例えば、新しいサービスなどを担当する運営企画とは常に一緒に取り組んでいます。施設修繕チームもそうですし、「なっぷ」やUZDの担当者、BBQ事業とも連携しています。事業部間のマネージャーや責任者とはリアルな交流もあって、お互いの顔もわかっているので、リモートであってもコミュニケーションは取りやすいです。


━━仕事の面白さややりがいはどんな時に感じますか?

三枝:スタッフがキャンプ場運営に注力できて、お客さまに満足してもらえるサービスを提供できる職場を作ることがエリアマネージャーの仕事だと思っています。私自身、完璧なサポートができているとは言い難いところもありますが、そんななかでも、スタッフがお客様目線でサービスを考えて行動しているところや、お客さまの声としてスタッフへの好評価を見聞きすると、「あ~、この仕事をやっていて良かったな」と思います。それが面白さであり、やりがいにもなっています。

━━これまでの仕事で印象に残っている成果・成功のエピソードは?

三枝:ひとつに限らないんですけど、やはりキャンプ場の新規オープンですね。
Recamp自体が新しく設立された運営会社なので、新しいスタッフでオープンをすることがほとんどなんです。慣れないスタッフが、初めての場所で、初めての運営をしていくというのはかなり大変な業務です。私たちももちろんサポートはしますが、大きな事故やトラブルなく開業できるのは、オープニングスタッフが頑張って対応してくれるからこそです。
最初のころは、エリアマネージャーがその場で判断できるものから、会社で新たに方針を固める必要があるものまで、いろんなことが発生していました。その都度、マネージャーや会社と一緒に試行錯誤しながら乗り越えてきて今があります。

━━反対に苦労した、大変だったエピソードはありますか?

三枝:とにかくコロナです。答えがわからないなかで対応をしなければならないという状況が大変でした。
スタッフの感染リスクもですが、県外からの人の流入を避けたいという風潮もありました。そのなかで、営業をするべきかしないべきか…営業をするのであれば、お客さまやスタッフの安全をどう確保するのか?みんなで色々と調べたり、知恵を出し合ったりしながら、営業方針を決めていきました。
コロナ禍でアウトドアやキャンプは注目をされる流れにはなりましたが、「ベースキャンプ」という考え方からも、地域への配慮は怠ることなく、施設ごとに対応を判断していました。

━━コロナ禍を経て生まれたサービスはありますか?

三枝:チェックイン業務のスマート化はまさにコロナによって生まれたものです。非接触型が必要だということで、WEBを使ったチェックインでキャンプ場内のルール説明や案内ができるようになりました。今もチェックインが簡素化されたことによって、お客様にとってもスタッフにとっても良い結果になっています。
しかも、会社からの指示ではなく、スタッフからの声で生まれたシステムだったので、そこにも大きな価値があると思っています。

━━スタッフのキャリアアップに対して取り組まれていることは?

三枝:キャンプ場のOJTで学ぶというよりは、基本的な部分を学ぶための研修期間を設ける流れを進めています。キャリアに応じた研修プログラムを設定していくことで、キャリアプランの可視化もしたいと考えています。そうすることによって、スタッフもマネージャーも次のステップに進むうえで、何をやる必要があるのか、どこを磨けば良いのか、が明確になるので目標設定がしやすくなりますから。

━━ご自身が今後チャレンジしたいことは?

三枝:各施設のスタッフが施設をより良くするために、主体的に動けるような職場環境づくりをして、そこで楽しく働いてスキルアップ、ステップアップしていき、全国にベースキャンプを広げていく、という流れを作ることにチャレンジしたいです。
もうひとつは大きな話になるんですけど、以前ほどではないものの、キャンプ場の運営は季節限定の仕事と捉えている方も多いと思うんです。Recampだけが成長するのではなくて、キャンプ業界がひとつの産業として成り立っていくことで、働く人が安心して、自信をもって働ける、そういう業界にしていくことに貢献したいと考えています。

━━趣味や夢中になっているものは?

三枝:2014年の初回からOMM(1泊2日の山岳レース)に毎年参加しています。1年に一度の開催に向けて日々トレーニングもしていて、とにかく楽しみにしてます。
天候のコンディションも考慮して、動きや体力に影響が出ないように荷物はミニマムに絞って、制限時間内に自分たちの体力でどこまで回れるのか?を考えてギリギリのところを攻めていくんです。読図でも、どのコースがベストなのかを考えて、最短でポイントが取れたりするとテンションがあがります。過酷な状況なので、かなり山岳スキルが上がるんですよね…。そういうところに魅力を感じています。

━━休日・プライベートの楽しみ方は?

三枝:家族とキャンプ…と言いたいところですけど(笑)、なかなか時間が取れないので、こども達と庭でデイキャンプのようなことはやっています。焚火や薪の扱いなんかも体験させるようにしてるんですけど、マッチで火がつけられないこどもが多いなかで、防災の観点からも災害時に今あるもので対応していくことを自然に学んでほしいし、なるべく楽しみながらいろんなことを経験してほしいので。そんなふうにこども達と一緒に遊んでいます。

━━仕事とプライベートを両立させるコツは?

三枝:エリアマネージャーという仕事は、スケジュール管理が重要になってきます。ひとつひとつの仕事の効率化、時短できる方法も考えて、“1日8時間で仕事を終える”セルフマネジメントをしっかり行うことです。

━━ご自身の体験や私生活が仕事に活かされていることは?

三枝:田舎育ちなんですけど、ものが限られているなかで、あるもので対処しなければならないことが普通だったので、それが今のキャンプ場運営に活きていると思っています。

━━最後にご自身の生き方、働き方をひとことで表すとすれば?

三枝:ジェラール・シャンドリの「一生を終えて後に残るものは、 我々が集めたものではなく、我々が与えたものである。」という言葉なんですけど、自分が得た知識を人に与えていきたいな…と常々思っているはずなんですけど、そういえば最近できてないなと今言ってて恥ずかしくなりました(笑)


【編集後記】

現在、エリアマネージャーの役割を担うのは社内でおひとりだけと聞き、とてつもなく忙しいんだろうな…と思いながらのインタビューでした。インタビュー中、自分に厳しい三枝さんらしく「なかなかできてなくて…」とはおっしゃるものの、「時間がなくて…」や「忙しくて…」という言い訳じみたセリフは一度も聞くことはありませんでした。

俯瞰してものごとを見る・考えることのできる視野の広さを持ち、エリアマネージャーとして、またアウトドア業界で働くひとりとして、常に自らに課題を課しながら仕事に向き合う姿勢に、背筋が伸びる思いがしました。

取材・文:j.funakoshi
取材日 :Jun.2023


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