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#170 東武鉄道「紙の切符」を全廃?!

『紙について楽しく学ぶラジオ/Rethink Paper Project』
このラジオは、「紙の歴史やニュースなどを楽しく学んで、これからの紙の価値を考えていこう」という番組です。
この番組は、清水紙工(株)の清水聡がお送りします。
よろしくお願いします。

乗りものニュース 2024年5月7日の記事

はい、という訳で、本題に入っていきたいと思います。
今回は気になったニュースをご紹介していきたいと思います。

「乗りものニュース」という、その名の通り「乗りもの」に特化したニュースサイトから、2024年5月7日に気になる記事を発見しましたので、先ずはそちらをご紹介させていただきます。

自動改札機に通す「紙のきっぷ」が消える?東武鉄道が驚きの方針 「磁気乗車券の全廃」打ち出す
東武鉄道は2024年4月30日、グループ中期経営計画2024~2027を策定。その中に「QR乗車券の導入による磁気乗車券の全廃」を推進する方針を盛り込みました。
「磁気乗車券」とは、磁気を使って有効区間や有効日などの情報を書き込めるよう、裏面に「磁性体」が塗られたきっぷのことです。自動改札機に通して使うことでお馴染みのきっぷです。
東武鉄道は2023年10~12月に、QRコードを利用したデジタル乗車サービスの実証実験を行っています。この実験では、スマートフォン上に表示された日光エリアのフリーパスのQRコードを、自動改札機や係員窓口のタブレット端末にかざすことで、ICカードと同等の入出場が可能になるというものでした。
今後、QR乗車券が本格的に導入されるとみられ、東武線で自動改札機に通す紙のきっぷ(磁気乗車券)は見納めになるかもしれません。東武鉄道によると、「現時点で紙のきっぷを全廃する予定はありません」(広報部)とのこと。QR乗車券にも紙のタイプがあり、紙のきっぷ自体はそうした形で残っていくとみられます。

出典|乗りものニュース(2024/5/7)

はい、「私鉄大手の東武鉄道が、2027年までに、QR乗車券を導入することによって磁気乗車券の全廃を目指す」という内容のニュースでした。

「紙のデジタル化」の類のニュースですね。

切符のデジタル化は今に始まった話じゃなくて、既にICカードやスマホで電車を利用している人が殆どじゃないでしょうか。
僕も、電車に乗るときは、スマホに入れたsuicaのアプリで乗車しています。

特殊な素材の紙の切符

さてさて、今回テーマになっている紙の切符、実は、結構特殊な紙でして、表が紙、裏は磁気がコーティングしてあります。
しかも表の紙の部分は、ただの紙ではなくて、レシートとかと同じ感熱塗料がコーティングしてあります。「感熱紙」という種類の紙です。

更に、偽造防止もされています。
一応、金券ですからね。

そう、結構技術力が結集された紙なんです。

なぜ、こんなに特殊な紙になっているのか。

それは、「データの記録」と「偽造防止」の為です。
「データの記録」と「偽造防止」。
そう、デジタルのハイパー得意分野です。

そう、紙の切符のデジタル化は必然だった、という訳です。

まとめ

必然とは言え、「3年間で全廃を目指す」はすごく思い切りのある決断ですよね。

東武グループは、経営計画書の中で

東武グループにおける中長期的な経営の方向性は、事業環境やニーズの変化を進取する『挑戦』と、グループ内外を問わず関係者との協力や連携により価値を創出する『協創』により、基盤である沿線の持続的な発展と、非鉄道部門における成長事業の拡大により、グループ全体の利益を維持・拡大させること

と述べています。

今回の「QR乗車券の導入による磁気乗車券の全廃」は、まさに、事業環境やニーズの変化を進取する『挑戦』ですね。
素晴らしい決断だと思います。

僕は、紙業界の人間でありながら、必要な紙は残って、必要じゃない紙は淘汰されて当然だと思っています。
客観的に見て、紙の切符がなくなるのは遅いか早いかの問題で、いずれ迎える未来だと思っています。

昨年(2023年度)は、紙の国内出荷量は1000万トンを下回り、2007年度のピークからおよそ半分にまで落ち込みました。
この落ち込みの大きな要因が「デジタル化」です。

今回は東武鉄道でしたが、他の鉄道各社の動きも注目ですね。

はい、という訳で今回は、「東武鉄道が紙の切符を全廃」というニュースについて解説させていただきました。いかがだったでしょうか。
それでは、本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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