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#117 大手紙商社はコロナ&原材料高騰を乗り切ったのか?!

『紙について楽しく学ぶラジオ/Rethink Paper Project』
このラジオは、「紙の歴史やニュースなどを楽しく学んで、これからの紙の価値を考えていこう」という番組です。
この番組は、清水紙工(株)の清水聡がお送りします。
よろしくお願いします。

お知らせ

本題に入る前にお知らせをさせてください。
ソーシャルグッドな紙の作り方や使い方を提案するプロジェクト「Paper for good」第1弾の商品がリリースとなりました!
紙からできた、地球にやさしいピクニックシート「CITON(しとん)」です。
職人が一枚一枚手で揉んでシワを付けた和紙が4枚重なった贅沢なシートで、まるで綿が入っているかのような座り心地です。
色は、自然をイメージさせる淡いブルー、ピンク、グリーンの3色展開です。
シートを入れるオリジナルのバッグも付いており、ギフトにもピッタリです。
この「CITON」をもってピクニック行く場合と持って行かない場合で、満足度に5~10倍の差が出るとも言われています。
1月30日から予約開始となっており、ご予約いただいた商品は、5月から順次発送予定です。
番組の概要欄に、オンラインショップのURLを貼っておきますので、ぜひチェックしてみてください。

それでは、本題に入っていきたいと思います。

気になる!紙商社の業績

さて、前回の放送で、紙の流通のお話をさせていただきました。
紙は、紙を抄くメーカー、抄いた紙を市場に流通させる商社、紙を使って加工するメーカー、加工された紙を販売する店舗、簡単に言うと以上のようなプレイヤーの存在によって、私たちの手元に届いています。
そんな、ギュッとすれば10秒で終わる話を、前回は約8分かけてお届けさせていただきました。
10秒で終わるけど、10秒だと短すぎるなぁ、と思い8分で放送させていただきました。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、以前の放送で、大手製紙メーカーの決算短信を見ていきましたけれども、紙業界のキープレイヤー「商社」の業績も気になりますよね。
そんな皆さんのご希望にお応えして、今回は、そんな商社の現在の業況を見ていきたいと思います。

製紙メーカーの業績のおさらい

その前に、簡単に、大手製紙メーカーの業況をおさらいしておきたいと思います。
板紙事業(段ボールなど)がメイン王子ホールディングスレンゴーは、前期比マイナスではありますが「黒字」、一方で、紙事業(新聞用紙、印刷・情報用紙など)がメイン日本製紙ホールディングス大王製紙「赤字」となっていました。

原燃料の高騰が続いた今年は、製造に多くのエネルギーを必要とする(エネルギー集約型紙業界に大きなダメージを与えました。
エネルギーコストの圧迫を改善するために、各社、値上げなどによる改善を図りましたが、それ以上に、コスト上昇の影響が大きい状況となっています。

特に、需要の衰退が著しい「紙事業(新聞用紙、印刷・情報用紙など)」をメインとする日本製紙ホールディングスと大王製紙の2社は、コスト上昇と需要減のダブルパンチで、非常に厳しい状況となっています。

はい、ここまでが、おさらいです。

大手紙商社の決算短信

それでは、紙の商社の業況がどんな感じか、見ていきたいと思います。
今回は、第3四半期の決算短信が出ていた、大手2社を取り上げたいと思います。
日本紙パルプ商事、国際紙パルプ商事の2社です。
それでは順にみていきましょう。

最初に、日本紙パルプ商事の決算短信(2022年4月1日~12月31日)は、
売上高:4,218億5,400万円(前年比+31.0%)
営業利益:163億3,800万円(前年比+57.7%)
経常利益:171億8,600万円(前年比+57.4%)

続いて、国際紙パルプ商事の決算短信(2022年4月1日~12月31日)は、
売上高:4,930億6,800万円(前年比+20.2%)
営業利益:173億9,400万円(前年比+190.1%)
経常利益:162億4,800万円(前年比+143.7%)
です。

いいですね~。両社とも、全ての項目で前年比プラスとなっております。

なぜ、製紙メーカーは不調で、商社は好調なのか

さて、不思議ですよね。
製紙メーカーは、業況がよろしくないのに、商社は好調。
実はその答え、すごくイージーです。

商社は、エネルギーコストの割合が低いから(以上)」です。

一応、その他にもポイントがあるのでまとめます。
①コロナが落ち着いて紙の需要が微増した。
②値上げの影響で売上高が増えている
③輸出事業に関しては、円安による為替差益が生じた
④製紙メーカーに比べて、原燃料価格の高騰の影響を受けにくい

①コロナが落ち着いて紙の需要が微増した。
②値上げの影響で売上高が増えている
に関しては、製紙メーカーも同様ですが、
④の原燃料価格の高騰の影響
に関しては、製紙メーカーが圧倒的に大きいので、
同じ紙業界と言えども、業況に差が出ているという訳です。

という訳で、今回は以上となります。
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それでは、本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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