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#82 段ボールの強さの秘密!「トラス構造」とは?!

この番組では、様々な切り口から、これからの紙の価値を考えたり、紙にまつわる情報、たまに紙に全く関係ない情報を発信しています。
この番組は、清水紙工(株)の清水聡がお送りします。

本日は、久しぶりに「段ボール」について話していきたいと思います。
段ボールは、皆さんも良く目にしたり、触ったりしていることと思います。
輸送に欠かせない素材ですよね。

さて、輸送でバンバン使われている段ボール。
あれって、今更ですが、「紙」で出来ていますよね。
不思議に思いませんか?
紙なのに、やたらと強いと思いませんか?
軽いものだったらいいですよ。
ポテトチップスとか、紙おむつとか。
たまに、ネットショップで電池を頼んで、20倍くらいの大きさの段ボールに入ってくることとかもありますよね。(笑)
そんな軽いものだったら絶えれそうですけど、結構重いものも入れてますよね?彼ら。
飲料とか、家電とか。
でも、彼らは耐えてるんです。
飲料の箱は缶の跡がついたりしてますが、基本、破れてたりはしてないですよね。
そう、彼ら、地味にすごいんです。
なぜか?

色々な理由によってそうなってます。
例えば、紙質とか、紙の厚さとか、段ボールの波の高さとか、あるいは箱型とか
でも、本質的に何がすごいって、実は「構造」なんです。
段ボールは、基本的に3枚の紙を張り合わせて出来ています。
たまに5枚を張り合わせていたり(W段)、2枚だけのものだったり(片段)もしますが、基本は3枚で出来ています。
表と裏はシート状ですが、真ん中紙は波の形をしていますよね。
表と裏の紙を「ライナ」、中の紙を「中芯」と呼びます。
実は、この中に隠れた彼「中芯」が、段ボールの強さの秘訣なんです。

段ボールの断面図を見ると、三角形と逆三角形が連続で繋がっていますよね。
この構造のことを、「トラス構造」と言います。

この「トラス構造」は、主に建築物に用いられる構造です。
例えば、スカイツリーや東京タワーといった超巨大な建築物にも、この「トラス構造」が使われています。
また、橋にも使われています。ご飯をつかむ「箸」ではありませんよ。川岸と川岸をつなぐ、あの「橋」のことです。このトラス構造で造られた橋のことを「トラス橋」と言います。

四角形と三角形を想像してください。
上から荷重がかかったときに、四角形は凹んでM字になりますが、三角形は曲がることなく、「縮む」または「のびる」といった変形をします。
ここがポイントです。
つまり、荷重がかかる段ボールには、「トラス構造」がもってこいなんです。
ちなみに、四角形の構造を「ラーメン構造」と言います。※「ラーメン小僧」ではありませんよ。

はい、という訳で、段ボールが強い秘訣は「トラス構造」ということが分かりました。
これから、段ボールがなぜ強いかを聞かれたときは、「それは、トラス構造がポイントで、強度が求められる建築物の構造と同じなんだ。三角形が連なることによって、荷重がかかっても、潰れにくくなっている。ちなみに四角形の構造のことは、ラーメン構造と言うよ。」と教えてあげてください。
きっと、嫌われると思います!(笑)
はい、それでは、今回はこの辺で失礼いたします。
最後までご視聴いただきありがとうございました。

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「紙の価値を再定義する」をミッションに、現代の紙の価値を問い直す、RETHINK PAPER PROJECT!
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