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わたしたちのRPGに、ラスボスいない絶望

以前、こんなことを書きました。

わたしは、絶望を知っています。2010年の自分と違うのは、その一点に集約されるように思います。わたしの絶望とは、かつて忌み嫌っていた大人村の人たちは悪者ではなく、その人たちも、その立場からの必死があったという事実です。

ラスボス不在という絶望

ロールプレイングゲームは、悪者を倒せば良いのです。ラスボスを倒せば、世界が平和になるのです。しかし、わたしたちの世界には、ラスボスがいませんでした。悪の権化とかは、存在しないんです。ああ、どうすれば、わたしたちは、平和を手に入れることができるのか……?

絶望です。裏を返せば、希望とは、「がんばれば報われる」という経験がもたらす感覚です。しかし、今、目標が消えました。目指す場所を見失い、わたしは、ただ途方に暮れていました。

悪気のないフィールドへ

簡単に、わたしのクエストを振り返っておきます。第1章は、「不条理に苛まれ、打ちひしがれている物語」です。第2章は、「不条理に立ち向かう決意を抱き、戦いに身を投じる物語」です。第3章では、不条理が一個人によって生み出されるわけではない。そこから物語が、コンテニューされました。

もう、フィールドに出ても、敵は出てきません。これがゲームだとしたら、こんなに退屈なRPGはありませんね。ただ、そこに存在するのは、「まごまごしている/さまようたましい」だけです。

いや、これは、第2章の終盤には、もうわかっていました。敵だと思い込まされていたものは、さまようたましいであり、攻撃しているのではなく、まごまごしている(自己保存しようとしている)だけではという仮説を、わたしは持ちました。形式上は敵対しておりますので、こわくないよーと近づいては、まごまごしている理由を、声にならない小さな信号に耳を傾けます。このことを繰り返すほどに、悪者なんていないという絶望が募っていくのです。

でも、なぜ、悪者がいない世界が、平和にならないのでしょうか。

敵も味方も、破壊も創造も、己でした

みんな幸せになりたいのに、なんで世界は、こうなっちゃうんだろう。このことを、ずっと考えてきました。そして、あるとき、気づきました。

ああ、みんな幸せになりたいから、不幸になるんだ。

つまり、本当の敵も、本当の味方も自分であり、人類の破壊も、人類の創造も欲望であるということです。なんということか、わたしたちがクリアしないといけないのは、己の本能だったのか……

このとき、道が2つに分かれました。
A. 修験の道
B. 教育の道

わたしは、欲を抑え込む修験の道ではなく、欲と折り合っていく教育の道を選ぶことにしました。教育といえば、学校教育のイメージが強いですが、わたしが歩きたいのは、こどもからおとなまで、既存の言葉で表すなら、社会教育というけもの道になると思います。

わたしは、たましいがさまよわないように、まごまごしないように、それを望む人たちとお話していきたいと思います。

ところで、冒険の書は消えました

そんな、かすかな希望の火が灯ったところに、コロナ氏の登場です。そのことにより、否が応でもなく、わたしたちは、考えなければならなくなりました。わかっていたけど、止められなかったことに、向き合わなくてはならなくなりました。そして、50年前に考えなければならなかったことを、もう考えなくてもよくなり、だからこそ、50年後のことを考える必要があります。同じ過ちを繰り返さないために。

わたしたちの国やまちは、人口減少しているのにもかかわらず、大量生産に消費が追いつかないと回らない世界の物語にありました。しかし、その冒険の書が消えました。

あたらしい冒険の書を、つくらなければならない。この緊急事態宣言が発せられた世界で。しかし、よく考えてみれば、わたしとわたしの仲間たちが言っていた社会が、近づいてきていました。今までは、なかなか伝わらなかった社会イメージ。持続可能な社会、共助による社会、大切なものを重視する社会。そういったものが、今だったら、もっと伝えられそうです。

ネバーランドをつくる

わたしは、こどもたちにセーブデータを引き継ぐために、未来のこどもたちに続いていく世界を残そうと、か細い声で叫んでいた仲間たちと一緒に、壊れていく世界で、ひとつの会を催すことにしました。

さきほど、教育という言葉を持ち出しましたが、わたしのイメージでは、指導するような一方方向のものではなく、相互に学びがある「やりとり」だと思っています。まず、学びたいと思った人が、自己開示をする。それに呼応した人が、開示をする。そういう行ったり来たりが、互いを触発しあい、まごまごしない/さまよわないたましいを、創発していくのだと信じてます。

そんなわけで、最初に開かれるピータパンは、「マーシー」さんです。オンラインで開催しますので、もしお時間がありましたら、ログインしてみてください。

わたしたちが、何と戦っていたか、その本質に気づいたときに挫折する。それでも、戦いを続けますか?

 はい
 いいえ

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