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『稲盛和夫一日一言』1/16(月)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 1/16(月)は、「自燃性の人」です。

ポイント:物事を成そうとするには、自分自身で燃え上がることのできる「自燃性」の人でなければならない。

 2001年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編/非売品)の中で、自ら燃えることの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 経営者、トップであれば、自分の事業をこうしようああしようと常に考えています。そして、その実現に向けて部下を叱咤激励するはずです。
 そうしたとき、全くニヒルと言おうか、醒めきった顔をして全然燃え上がってくれない者がいます。こちらはカッカと熱くなっているのに、こちらの熱まで冷めてしまいそうな氷のような人間が何人かは必ずいるでしょう。実際そういう人間が一人でもいると、職場全体が沈滞した雰囲気になります。

 私は「そういう者は会社にいてもらわなくて結構だ。会社を立派にしようと思えば、私が近づかなくても勝手に燃えてくれる『自燃性』であってほしい。少なくとも燃えている私が近づけば一緒になって燃えてくれる『可燃性』でなくてはならない」と言ってきました。

 会社の中で、あっちでも燃えている、こっちでも燃えているというように、自分から燃えてくれる人間が何人いるかで、その会社の良し悪しは決まってきます。ですから、いかに多くの「燃える人」を作れるかということが、経営を左右する鍵となってくるのです。(要約)

 では、どうしたら「燃える人」になれるのでしょうか。
 物質は「自燃性」「可燃性」「不燃性」の三つに分類することができますが、人間の場合、それは何も固定されたものではありません。本人の性格による部分はありますが、置かれた環境や周囲との人間関係によって、その分類はいくらでも変化していくものだと思います。

 自分から燃える人は、人に言われたから仕事をする、命令されたから仕事をするというような人ではありません。
 言われる前に自分からやるような人が燃えるタイプだとすれば、性格的には「勝ち気な人」「何事にも積極的な人」ということになります。そういう性格の持ち主が自分に与えられた仕事を好きになると、きっと自ら燃え上がるはずです。

 さらに名誉会長は、「自燃性」を身につける方法として、次のように言われています。それは、責任感と使命感を持つことです。
 さほど勝ち気でもない積極的でもない、一見真面目でおとなしそうな人であっても、責任ある立場に就けば、仕事を任された責任感から「やろう」と自分から燃え上がることができるようになります。

 私も多くの職場で仕事をしてきましたが、引っ込み思案でいつも誰かの後ろに隠れているような人が、自分に任された仕事をやり切ったことで自信をつけ、その後次々と新しい課題にチャレンジして実績を上げ、誰もが想像もしなかった立派なリーダーに成長する、身近なところでそうした事例を数多く見てきました。

 自分がどのタイプの人間なのか、決めつける必要はありません。
 まずは「何かに燃えてみたい」という思いを持っているかどうか。そして、自分のしたいことがまだ見つかっていなければ、今自分がやっていることを好きになれそうかどうか考えてみる。さらに、そのことに対して今後どうしていきたいのかという明確な目標を持つことができるのかどうか考えてみる。
 何かに燃えたいと思っていて、今自分がやっていることが嫌いじゃなくて、今後どうやっていきたいのか目標を持っているということが自覚できれば、すでにあなたは立派な「自燃性の人」です!

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