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『稲盛和夫一日一言』12/2(金)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 12/2(金)は、「経営12ヵ条 ②」です。

ポイント:「経営12ヵ条」は、人間として何が正しいかという最もベーシックで普遍的な判断基準に基づいている。第4~6条は以下の通り。
 4.誰にも負けない努力をする
 5.売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える
 6.値決めは経営

 昨日に引き続き、2016年発刊の『稲盛和夫経営講演選集 第6巻 企業経営の要諦』(稲盛和夫著 ダイヤモンド社)収録の2012年12月開催の盛和塾西日本忘年塾長例会における経営12ヵ条に関する紐解き講話から第四条を、2013年7月開催の第21回盛和塾世界大会塾長講話から第五、六条の要点を示します。

第四条 誰にも負けない努力をする
    ー 地味な仕事を一歩一歩堅実に、弛まぬ努力を続ける ー

 経営者の皆さんに「努力していますか?」と聞けば、「私なりに努力をしています」と一様におっしゃいます。しかし、企業経営は競争です。競合企業が自分たち以上の努力をすれば、中途半端な努力では功を奏さず、企業は競争に敗れて衰退していかざるを得ません。
 血で血を洗うような熾烈(しれつ)な企業間競争を勝ち抜き、成長発展を遂げていくには、やはり「誰にも負けない努力」でなければならないのです。
 もう一つ大切なことは、それを日々絶え間なく続けていかなければならないということです。言い換えれば、どんな偉大な仕事も、地道な一歩一歩の弛まぬ努力の積み重ねからできているということを決して忘れてはなりません。
(一部要約)


第五条 売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える
    ー 入るを量って、出ずるを制する。
      利益を追うのではない。利益は後からついてくる ー

 京セラを創業したとき、私には経営の経験も知識もありませんでした。企業会計についても、専門用語が多用されていて難しくてよくわかりません。
 たまりかねた私は、「とにかく売上から経費を引いた残りが利益であるならば、売上を最大にして、経費を最小にすればいい」と考え、以来「売上最大、経費最小」という非常にシンプルな原則を経営の大原則としてただひたすらに貫いてきました。
 売上を増やせば経費も増えるという、誤った常識にとらわれることなく、売上を最大限にし、経費を最小限に抑えていくための創意工夫を徹底的に続けていく、その姿勢こそが高収益を生むのです
。(一部要約)


第六条 値決めは経営
    ー 値決めはトップの仕事。
      お客様も喜び、自分ももうかるポイントは一点である ー

 値決めは、製品の価値を正確に判断した上で、製品1個当たりの利幅と販売数量との積が極大値となる、ある一点を求めて決定しなければなりません。私は、その一点とは、お客様が喜んで買ってくださる最高の値段でなければならないと考えています。そして、その一点を見抜くのは、経営トップでなければなりません。
 さらには、決められた価格の中で、最大の利益を生み出すような経営努力が必要となります。そこで大切なのが、値決めと仕入れ、また製造のコストダウンが連動していなければならないということです。決して値決めだけが独立してあるのではなく、値決めをするということは、仕入れと製造のコストダウンにも責任をもつということなのです。これも、値決めはトップが行うべきということの理由の一つなのです。
 値決めは経営であり、それは経営者の仕事であり、さらにはその価格設定は経営者の人格のままに表れるということをよく理解していただきたいと思います。
(一部要約)

 今日の一言の四~六条の内容は、いずれも入社して間もないころから繰り返し叩き込まれてきたフィロソフィです。
「いいものを作れば売れる」というのは一面的な見方に過ぎません。お客様が喜んで買ってくださる価格で、お客様が求めておられるジャストのタイミングで安定した数量、品質の製品を提供でき、かつ作る側の自分たちにも十分な利益が継続的に出せるものに仕上がっている。
 それぞれの担当者が自分の置かれた場所、立場で、常にそうしたことを統合的に意識しながら、誰にも(どこのライバルにも)負けないだけの努力を継続すること。

 今日の3項目についても、興味のある方は、2022年9月発刊の『経営12ヵ条 ー経営者として貫くべきことー 』(稲盛和夫著 日経BP/日本経済新聞出版)を手に取っていただければと思っています。


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