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『稲盛和夫一日一言』8/3(水)

こんにちは!
『稲盛和夫一日一言』8/3(水)は、「有意注意 ①」です。

ポイント:些細と思われることでも、意識を集中して真剣に考え実行することを習慣化させる。

京セラフィロソフィでは、「正しい判断をする」という区分で、「有意注意で判断力を磨く」という項にまとめられています。

ただ漫然と行うのではなく、しっかりとした目的を持ち意識を集中させて物事に真剣に取り組むことを習慣化する。そうすれば、何か問題が起きたとしても、すぐにその核心をつかみ、解決へと導くことができるようになる。日頃から、意識的に有意注意を続けることが大事。

京セラは創業以来、セラミックス精密部品の製造販売を続けています。私は1981年定期入社で研究所に配属され、新規セラミック材料の研究開発を担当しました。セラミックの原料粉末を微粉砕するには、粉砕メディアとして、比較的安価で密度が高く粉砕効率も良いアルミナ製のボールを実験ごとに洗浄して繰り返し利用するのですが、どうしてもその表面に欠けやくぼみができて、前に調合した原料の一部が詰まって残ってしまいます。この残留物がなかなかの曲者で、それ以降の実験結果に微妙に影響を与えます。

上司からは、「(セラミックは)誰がやっても同じ結果が出るということはない。極端に言えば、おまえの人間性がそのまま実験結果になって出てくるはずだ。だから、念には念を入れて、ボールを洗うんだぞ!」と指導されました。

いいかげんなところがあったら、同じ調合仕様(=レシピ)で作ったつもりでも、決して同じ特性を持つセラミックス(=料理)はできないんだ、と頭では理解したものの、実際の勘所がなかなかつかめません。

洗浄する手を止めてボール1個1個をじーっと見る。本来真っ白なアルミナ質のボールのあちこちに、微妙に色や光沢の異なる部分がある。それをつまようじやピンセットを使って丁寧にほじくり返して取り除く。

そんな作業を続けた入社4年目。先の上司から、「おまえに、今年の新入社員の実習を担当してもらうから、ちゃんとした実験結果がでるよう、しっかり指導してくれ。任せたよ!」と言われました。

どんくさいながらも、丁寧な実験を繰り返そうとしてきた自分を見てくれていたのかな……後輩をしっかり指導しなければという緊張感と、少し誇らしいような気分になったことを今でも思い出します。

人間、漫然と歳を重ねるだけでは、決して人間性を高めることはできないと思っています。目の前の物事に有意注意で取り組み、いろいろな気付きのある、後悔の少ない人生を歩んでいけたらいいですね!

R&P企画 江村  URL : https://rpkikaku.web.fc2.com



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