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『稲盛和夫一日一言』11/1(火)

こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 11/1(火)は、「事業の大義名分」です。

ポイント:集団が心を一つにして事業に邁進するためには、世の中に対してどのように貢献するのかといった次元の高い目的、「事業の大義名分」が必要となる。

 稲盛経営十二ヵ条の第一条が「事業の目的、意義を明確にする ー公明正大で大義名分のある高い目的を立てるー」 です。

 2106年発刊の『稲盛和夫経営講演選集 第6巻 企業経営の要諦』で、稲盛名誉会長はこの第一条について次のように述べられています。

 「なぜこの事業を行うのか」「なぜこの会社が存在するのか」、まずは事業の目的、または意義を明確にすることが必要です。中には「金儲けをしたいから」とか「家族を養わなければならないから」という方もいらっしゃるでしょう。それでも結構ですが、それだけでは多くの従業員を糾合することは難しいはずです。やはり、そこには事業の目的、意義として、なるべく次元の高い公明正大な目的を掲げなければなりません。「自分はこの崇高な目的のために働くのだ」という大義名分がなければ、人間というものは心から一生懸命にはなれないからです。

 公明正大な事業の目的や意義があってこそ、従業員の心からの共感を勝ち取ることができ、全面的な協力を得ることができるのです。また、経営者自身も堂々と胸を張って、経営に全力投球できるようになるのです。

 京セラの経営理念は、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」です。従業員が幸せであればよいのだという一点に絞ってしまっては大義名分のある理念とは言えないのではないかと思われる方もいるかもしれませんが、みんなが幸せになってほしいと願うことは、どんな大義名分よりも立派なものではなかろうかと私は思っています。(要約)

 京セラ入社以来、この経営理念については社員研修などを通して繰り返し学んできました。大きくは社内にあるそれぞれの事業の存在意義といったところから研究開発部門における研究テーマの選択といった細かいところまで、社員一人一人の心の中の判断基準として広く浸透しています。

 大義名分のある素晴らしい目的を実現するために、全員でモチベーションを高くして一生懸命取り組む。上司が「自分は生涯をかけてこの意義ある事業を成功させるつもりだ」と宣言し、その大義名分に部下が心の底から共感して、「ぜひ私にもその意義ある事業の一端を担がせてください」と進んで申し出てくれる、そうした雰囲気が盛り上がれば、最強のチーム、組織をつくることができます。

 個人で何かを始めようとする場合でも、周囲の誰もが共鳴してくれるような目的、意義を明確に掲げることができれば、きっと実現に向けて良いスタートを切ることができるはずです。それには、私的なものではなく、できるだけ次元の高い目的、大義名分を掲げること、つまり志のようなものが必要だということではないでしょうか。


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