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『稲盛和夫一日一言』 6月9日

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 6月9日(日)は、「好きこそものの上手なれ」です。

ポイント:「好き」こそが最大のモチベーションであり、成功への道筋となる。

 2004年発刊の『生き方』(稲盛和夫著 サンマーク出版)の中で、人生を豊かなものにしていく唯一の方法として、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 「好き」こそが最大のモチベーションであり、意欲も努力も、ひいては成功への道筋さえも、みんな「好き」であることが母体となっています。

 「惚れて通えば千里も一里」「好きこそものの上手なれ」と言いならわされてきたとおり、好きであれば自然に意欲も湧いてくるし努力もするので、最短距離で上達していきます。人から見ればたいへんな苦労も、本人には苦どころか、かえって楽しみになるのです。

 自分がやっていることを「好き」になるには、その中にささやかな喜びを感じ、感動する心を持って素直に生きていくことが大切です。そこから湧き上がってくるエネルギーを糧に、さらに一生懸命打ち込んでいく。
 それこそが、長丁場の人生を力強く生きていくための最良の方法だと、私は確信しています。
(要約)

 2001年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編/非売品)「誰も通ったことのない道を歩み続ける」の項で、名誉会長は次のように説かれています。

 大事なことは、「一生このままでは終わりたくない」と思うかどうかです。あなたがもしそう思うなら、自分の仕事を好きになり、今日よりは明日、明日よりは明後日と創意工夫を重ねていく、それも長年続けていくことが不可欠です。

 ある取材のインタビューを受けたとき、私は次のような話をしました。

 「私は学校を卒業してから今日まで、同じところを歩いたことがないような気がしています。つまり、毎日新しい道を歩いてるような感じです」

 「通い慣れた道」という言葉がありますが、私は自分の人生を振り返ってみて、一度通った道は二度と通らなかったような気がしています。

 いい大学を出ていい会社に就職した人は、舗装道路を車に乗って通っていく人に例えられるでしょう。ところが私は、そうした舗装された道路を歩かせてもらえず、田んぼのあぜ道を歩かざるを得なかった。そこはぬかるんでいて、少し歩けばズルッと滑るし、ヘビやカエルが飛び出してくるような道でした。そこには、小川があったり林があったりで、常に障害が立ちふさがっていました。

 そのため、障害を越えたり撤去しながら自分で道を切り開いて歩いてきたのです。私は、そういう誰も歩いたことがないような常に新しい道を、その間一度も戻ったり立ち止まったりせず、長年歩き続けてきたと思っています。(要約)

 前にも紹介したことがありますが、私は『生き方』の中にある、名誉会長の次のような言葉が強く心に残っています。

 地道な「精進」なくして、名人の域に達した人はいません。私たちが自分の仕事を心から好きになり、誰にも負けない努力を払い、精魂込めて自分の仕事に取り組む。
 ただそのことだけを通じて、私たちは生きることの意味や価値を学び、心を磨き、人格を練り上げて、人生の真理を体得することができるのです。(要約)

 京セラを退職して3年、毎日通勤を繰り返す生活には終止符を打ちましたが、自分が生きている意味や人生の目的はどこにあるのか、そうしたより根源的ともいえる問いかけに対して、解が出るどころか、戸惑いは増すばかりです。

 名誉会長が常々説かれてきたように、「この世へ何をしにきたのか」と問われたら、迷いもてらいもなく、「生まれたときよりも少しでもましな人間になって死んでいくこと」と答えられるようになるには、まだまだ修行が足らないと反省するばかりです。

 それでも、自分が正しいと信じ、心から楽しめるよう、今後とも自らの心の基軸をぶらすことなく生きていければと願っています。


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