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『稲盛和夫一日一言』5/24(水)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 5/24(水)は、「解決の糸口」です。

ポイント:どんなことがあっても成功を勝ち取るのだ、という切迫した気持ちと、物事を素直に見ることのできる謙虚な姿勢を忘れなければ、ふだんは見逃してしまうような、ごく小さな解決の糸口を見つけることができる。

 2012年発刊の『京セラものづくりの心得を語る』(伊藤謙介著 京セラ経営研究部編/非売品)の中で、意識を一点に集中させることの大切さについて、伊藤謙介京セラ元会長が次のように述べられています。

 集中力を持って仕事をするということについて、稲盛名誉会長はフィロソフィのひもとき講話の中で、次のようなお話をされています。

 「仕事をするときには、次から次へといろいろな問題を短い時間に判断し、解決していかなければなりません。例えば問題に遭遇したとき、一瞬で問題の核心をとらえ、判断することができなければ、問題は常に先送りされ、仕事が進まなくなってしまいます。
 
 問題に対しては、意識を研ぎ澄ませ、すさまじい集中力で、あたかも太陽の光をレンズに集めるように、全神経を集中させる必要があります。
 しかし、それは日常、集中して考えることが習慣化されていなければできることではありません。日ごろから、どんなささいなことに対しても有意注意を心がけ、すさまじい集中力を注いで、真剣にものを考える習慣をつけることが大切です。」

 私も名誉会長に報告書を確認していただく際に、「この部分はおかしいのではないか」と、非常に核心をついたご指導を受けたことがあります。「しまった。あの部分についてはもう一歩踏み込んだ検討をしておけばよかった」と思うようなところを鋭く指摘されるわけです。

 何に対しても、中途半端にやってしまってはいけません。徹底して集中してやることが大事です。それには心に雑念を持たず、目の前のことに集中することが必要です。そうなっているときは、目つきも違っているはずです。
 ですから、集中力を持って仕事ができているかどうかということは、まさにその人の持つ人間力にかかわってくるものなのです。

 例えば、ある大きな問題が持ち上がったときには、まずは「この問題は絶対に解決しなければならない」と必死に思うことです。そしてそう思い続けることです。そうすれば、本来のあるべき姿が見えてきて、それにつれていろいろな対策案も出てくるようになっていきます。

 問題から決して逃げることなく、これは何としても解決していくしかないと心に決めて、意識を一点に集中させることが大事なのです。(要約)

 今日の一言には、「何としても、という切迫した気持ちと、物事を素直に見ることのできる謙虚な姿勢が解決への糸口を見つけるためのきっかけとなる」とあります。

 私も、京セラ在籍40年の間、課題に対して「ぎゅーっとフォーカスを絞って、一点に意識を集中させる」ことを習慣化するよう叩き込まれました。

 起こっている事象に対して、あるがままの心で向き合うこと。そこには、妙な心の作用があっては、単純な問題も複雑にしか見えてこない、ということが背景になっています。

 複雑に見えてどこから手をつければいいのか皆目わからない、といった事態に陥って迷路に入り込んでしまう前に、美しく澄んだ心でもって、目の前の現象に対峙してみてはいかがでしょうか!


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