見出し画像

『稲盛和夫一日一言』12/29(木)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 12/29(木)は、「苦しみの先にある喜び」です。

ポイント:「労働は苦い根と甘い果実を持っている」という格言のとおり、仕事における喜びというのは、苦しさやつらさの中からにじみ出てくるもの。仕事の楽しさは苦しさを超えたところに潜んでいる。

 2009年発刊の『働き方』(稲盛和夫著 三笠書房)4章「今日一日を一生懸命に働く ー継続は力なりー 」の項で、仕事において苦しいときの考え方について、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 つらく苦しいときこそ、チャンスだと考えるべきです。なぜなら、苦難こそが人を育ててくれるからです。また一方、順風満帆(じゅんぷうまんぱん)のときにこそ、かえって過ちを犯しやすいものです。

 失敗や苦難に遭遇したとき、不平不満を並べ、世をすね人を妬むことなく、その試練に耐えてさらに努力を重ね、小さいながらも確かな成功を一つずつ引き寄せて、やがて逆境を順境に変えることができるのか。
 また、成功や幸運に遭遇したときにも、おごることなく、素直に感謝してさらに努力を重ね、その成功を長く持続させることができるのか。

 しかし、苦難、成功いずれの状況にあっても、私たちは試されているのです。
 私は、毎日毎日たった一人手探りで研究を続けていたころ、寂しさ、つらさ、孤独感のようなものに襲われると、夜、寮の裏の小川の土手にただ一人腰を降ろし、空を見上げて故郷や両親、兄弟に思いを馳せながら、唱歌や童謡を歌っていました。そこで私は、つらく苦しい自分の心を癒し、鼓舞するために自分なりの方法で懸命に努めていたのです。

 苦難がずっと続くことはありません。もちろん、幸運のままであることもないでしょう。得意のときにはおごらず、失意のときにもくじけず、日々継続して懸命に働き続けること、それが何より大切です。
 試練の中でも懸命に努力を続ける日々、それは成功の種を大事に育てているときなのです。
(要約)

 研究開発に従事する期間が長かった私も、京セラ入社以来、長くしんどい試行錯誤の末に、ようやく一瞬の達成感、喜びを味わう、という経験を重ねてきました。それはまさに「成功するまで諦めない」という京セラフィロソフィの実践でもありました。その内容を以下に紹介します。

 成功するかしないかは、その人の持っている熱意と執念に強く関わっています。
 何かを成し遂げたいときには、狩猟民族が獲物を捕らえるときのような手法を取ることです。つまり、獲物の足跡を見つけると、槍一本を持って何日も何日も追い続け、どんなに雨風が吹こうと、強敵が現れようと、その住処を見つけ、つかまえるまで決して諦めないというようないき方です。
 成功するには、目標達成に向かって粘って粘って最後まで諦めずにやり抜くということが必要です。
(一部要約)

 今日の一言には、「仕事の楽しさとは苦しみを超えたところに潜んでいる」とあります。もがき苦しみ抜いた先の達成感、満足感には、(言葉の使い方が適切かどうかはわかりませんが…)自身をやみつきにさせるだけの、心の奥底から湧き上がってくるような不思議な魔力があると思います。仕事を通じて一度その感覚を覚えてしまうと、次のターゲットに向かったとき、心の中に自然と闘志が燃え上げってくるようになります。

 頑張り過ぎて燃え尽き症候群になってしまう人も中にはいるかもしれませんが、「苦しみの先にはかならず喜びがある」と信じて、目の前の課題に真正面から立ち向かっていきましょう!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?