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『稲盛和夫一日一言』 12月5日

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 12月5日(火)は、「経営12ヵ条 ⑤」です。

ポイント:「経営12ヵ条」は、「思いというものが、自分自身の人生を決める。真我や理性・良心から出てくる強い思いであれば、それは必ず結果として表れる」ということを前提としてつくられている。

 2019年発刊の『機関誌 [盛和塾] 特別版 「体系的に学ぶ稲盛哲学」』(盛和塾事務局編/非売品)2010年講話の冒頭で、「経営12ヵ条」について稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 先般、「なぜ経営に哲学が必要か」と題して、「経営には哲学、フィロソフィが不可欠であり、そのためにも経営者自身が心を高め続けなければならない」というお話をしました。

 一般には、哲学や人生観というものは、あまり重要なことだとはとらえられていません。しかし、「哲学こそが経営や事業の成否を決するのであり、自分の会社を立派にし、従業員も幸福にしていきたいと思うならば、トップである経営者自身が、自分の考え方を高めていく必要がある」というのが、その講演の趣旨でした。

 経営というと、複雑な要素が絡み合い、とかく難しく考えがちですが、その本質に目を向けるならば、むしろシンプルなものではないかと、私は思っています。
 例えば、世の中のさまざまな現象も、複雑な現象を動かしている原理を抽出することができれば、実際には単純明快なものです。複雑な現象を複雑なままとらえようとするから、かえって難しくなってしまうのです。
 そのため、研究開発などでは、複雑な現象を単純化する能力が不可欠となります。経営も同様に、その要諦、つまり原理原則さえ会得すれば、決して、難しいものではないのです。

 私が考える経営の要諦、それは、私自身が京セラとKDDIの経営において実践し、その有効性を証明してきたものです。さらには、現在、日本航空の再建にあたり、経営幹部たちに、その理解と実践を日々説いているものでもあります。

 また、その経営の要諦、原理原則というものは、国や地域によって変わるものではないとも考えています。なぜなら、「経営12ヵ条」は、「人間として何が正しいのか」という、最もベーシックな判断基準に基づいているからです。そのような普遍的な哲学、フィロソフィは、必ずや国境や民族、文化、言語の違いを超えることができると考えています。

 「経営12ヵ条」のそれぞれの項目は、決して難しいことを説いているわけではありませんが、それはすでに有効性と普遍性が実証された、まさに経営の要諦といえるものです。その力を信じ、よく理解し、実践していただきたいと思っています。(要約)

 今日の一言には、「経営12ヵ条のすべての条文には、『思いは必ず実現する』という思想が流れている」とあります。以下、「稲盛和夫オフィシャルサイト」の「思いは必ず実現する」の項の一部を紹介します。

 「思い」は必ず実現します。物事を成功に導こうとするなら、強い「思い」を持たなければなりません。
 ただ思うだけでも、「思い」は私たちの人生を作っていきますが、それが潜在意識にまで入っていくような思い方をすれば、その「思い」はもっと実現に近づいていきます。さらにその「思い」をより美しく、純粋なものにしていけば、最も大きなパワーをもって実現していくのです。

 一般には、「思い」がそれほど強い力を持っているとは考えられていません。しかし、「思い」は、私たちの想像を超えた、強大な力を持っているのです。
 ただし、その「思い」とは、美しく、素直で、明るく、邪心がない、つまり一言で言えば、純粋な「思い」でなければなりません。私たちはときに、そのような純粋な「思い」を持った人が、難しい仕事を簡単に成し遂げてしまう様を見聞します。

 例えば、優れた能力を持った人たちをしても逡巡してしまうような困難なプロジェクトを、純粋な「思い」を持ち、強く実現を願い続けている人がためらいもなく進める。周囲はいかに難しいかを知っているので、「いまに失敗するだろう」と見ていると、意外なことに難なく成功させてしまう。そんなことに遭遇して不思議に思うのです。

 それは、純粋な「思い」がどんなに優れた知性にもまさる、強大なパワーを持っているからだと私は考えています。「他に善かれかし」と願う、美しい「思い」には、周囲はもちろん天も味方し、成功へと導かれる。一方、いくら知性を駆使し、策を弄しても、自分だけよければいいという低次元の「思い」がベースにあるなら、周囲の協力や天の助けも得られず、様々な障害に遭遇し、挫折してしまうのです。(要約)

 私事ですが、先月、鹿児島盛経塾への入塾を承認いただきました。シニア起業2年目の個人事業主ではありますが、今まで以上に、真摯に「経営12ヵ条」を学び、理解し、実践すべき立場に身を置くこととなりました。
 果たして、どこまで純粋な「思い」で臨めるかは分かりませんが、まずは具体的な目標を立て、事業を活性化するところから始めていければと思っています。


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