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『稲盛和夫一日一言』11/23(水)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 11/23(水)は、「最高の行為」です。

ポイント:「世のため人のために尽くす」行為こそが、人間としての最高の行為ではないか。

 2022年発刊の『経営のこころ 会社を伸ばすリーダーシップ』(稲盛和夫著 稲盛ライブラリー編 PHP研究所)の中で、利他の実践について稲盛塾長は次のように述べられています。

 「利他」とは、「他によかれかし」と願う仏教でいう慈悲の心のことであり、キリスト教でいう愛の心のことです。言い換えれば、「世のため人のために尽くす」ことなのですが、私はそのような行為こそが、人間として最高の行為であると考えるようになったのです。
 また、そうした教えを得たころから、「利を求むるに道あり」とともに、「財を散ずるに道あり」、つまり財産を使うにも正しい考え方と正しい方法があると考えるようになりました。
 資産とは、自分自身の欲望や快楽のために使うものではなく、「世のため人のため」に使うべきだと考えるようになったのです。
(中略)

 盛和塾、KDDI、そして京都賞は、すべて「世のため人のため」ということが動機であり、私にとってはまさに社会貢献であると考えています。また、そのいずれもが、設立からおよそ二十年を経過した今、大きく花開いていることに、私は深い感慨を覚えています。(2005年講演録より一部要約)

 また京セラフィロソフィでは、「世のため人のために尽くす」という項で、次のように述べられています。

 「世のため人のために尽くす」ことが人間として最高の行為です。人間は「自分だけよければいい」と利己的に考えがちです。しかし本来、人間は人を助け、他の人のために尽くすことに喜びを覚える、美しい心を誰もが持っています。
 利己的な思いが強過ぎると、美しい心は表に出てこないのです。利己的な思いを抑え、「利他」の心を持って世のため人のために尽くさなければなりません。
 このようなことは、美しい心が行うものであり、それを行うことで、私たちの心はさらに美しく、純粋なものになっていきます。
 また、情けは人のためならずと言われるように、世のため人のために尽くすことで回り回って自らも助けられ、幸福になれるのです。

 英語のLoveには、Giveと同じように「与える」という意味もあるそうです。またLove=「愛」に基づいた、何の代償も求めないで「与える」という行為には大きなパワーがあるとも言われています。そうしたことは、もっと分かりやすく「いい人にはいいことが起こる」という言葉で表わされています。

 稲盛名誉会長は、いいことが起こるためには、「世のため人のために尽くす」という利他の心というものが習い性となるように、自分をつくりあげていかなければならないとも言われています。

 生きている限り、「自分さえ良ければ・・・」という自己防衛本能が発現するのは仕方のないことです。どうしても出てきてしまう自我、我欲をタイムリーに抑制するには、理性や良心といったものがいち早く前面に出てくるよう、日ごろからトレーニングしておくしかありません。

 六つの精進ー3は、「反省のある毎日を送る」です。反省は利己的な心を抑え、利他的な心を伸ばしてくれます。反省することを習い性にし、善きことを思い、善きことを実行することで、自らの運命をよい方向へと導いていきましょう!


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