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『稲盛和夫一日一言』12/6(火)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 12/6(火)は、「正しい道義」です。

ポイント:大きな志を実現していくためには、多くの人々の力を結集していかなければならない。そのときに大切になるのが「正しい道義」。

 2016年発刊の『稲盛和夫経営講演選集 第5巻 リーダーのあるべき姿』(稲盛和夫著 京セラ株式会社編 ダイヤモンド社)収録の「西郷南洲に学ぶリーダーのあるべき姿」(2007年盛和塾クリチーバ塾長例会講話)において、稲盛塾長は正道を踏むことの大切さについて次のように述べられています。

 西郷南洲は、『南洲翁遺訓』の七番目で次のようなことを述べています。
 「事大小となく、正道を踏み至誠を推し、一時の詐謀を用ふ可からず。人多くは事の指支(さしつか)ふる時に臨み、作略を用ひて一旦其の指支(さしつかえ)を通せば、跡は時宜次第工夫の出来る様に思へ共、作略の煩ひ屹度(きっと)生じ、事必ず敗るるものぞ。正道を以て之を行へば、目前には迂遠なる様なれ共、先きに行けば成功は早きもの也。」

(訳)
 「どんな大きなことでも、また小さなことでも、いつも正道を踏んで誠を尽くし、決して偽りの謀略や策謀を用いてはならない。人は多くの場合、ある事柄に問題が起きたときに策略を用いる。そして、その策略をいったん通しておけば、あとはなんとかなるだろう、なんとか工夫ができるだろうと、つい思いがちになる。しかし、策略というものは、必ずそのツケが生じて失敗をするものである。一方、正道を踏んでいけば、一見、まわり道をしているような感じがするけれども、かえって成功は早くなるものだ。」
(抜粋)

 その後、第二電電をつくられたときのことを思い返して次のように続けられています。
 「動機善なりや、私心なかりしか」 六か月間の自問自答の末、「一切の私心はない。動機も不純なものではない」ことを確認して、ようやく第二電電の名乗りをあげたわけです。
 「世のため人のために」というピュアな思いを信念にまで高め、ただ懸命に努力を続けた企業だけがせいこうした。そこには、純粋で気高い思いには、すばらしいパワーが秘められているということです。
(一部要約)

 「道義」には、「人の踏み行うべき正しい道、道理」といった意味があります。使う機会はそう多くないと思いますが、「道義にもとる行為」「道義的責任」といった慣用句的な使われ方があります。ちなみに、私の住む鹿児島県霧島市は「道義高揚宣言都市」のひとつです。

 今日の一言では、道義の大切さについて次のように述べられています。
 高邁な志を持って、ひたむきに努力を続ける人の周りには、自然と志を同じくする人が集まってくる。そのようにして末広がりに仲間が増えていくことで、やがて当初想像もできなかった偉大な成功を実現することができる。

 しかしながら、こうした先人の教えをただ理屈、知識として知っているだけでは、その哲学、思想は使えません。
 自分の志を固く揺るぎないものにしていくためには、自分自身の魂に繰り返し繰り返し訴えて、自らの思いを魂に染み込ませていくことが必要です。
幾たびか辛酸を歴(へ)て志始めて堅し

 そして、うまくいかないのは、自分の誠意が足らないからだと信じ、ただひたすら、誠を尽くして一生懸命に努力を続けていけば、天地も助けてくれます。「至誠の感じるところ、天地もこれが為に動く


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