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『稲盛和夫一日一言』11/26(土)

こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 11/26(土)は、「心を高める、経営を伸ばす」です。

ポイント:企業の業績をさらに立派なものにしていこうとするならば、経営者自身がその人間性を高め、人格を磨いていく以外に方法はない。

 1989年5月6日発刊の『心を高める、経営を伸ばす ー素晴らしい人生をおくるためにー 』(稲盛和夫著 PHP研究所)は、稲盛名誉会長の最初の著書となります。全107項目にわたるその内容は京セラ創業30周年記念事業の一環として社内で編纂されたもので、社員には創業記念日にあたる同年4月1日に合わせて、下のような特別カバー版にて配本されました。

心を高める、経営を伸ばす 社員向けカバー(非売品)

 
 前書きにある稲盛名誉会長のメッセージの一部を以下に紹介します。

 自分で人生を歩み始めるということは、道標もない大海に漕ぎ出していくようなものです。そのとき、人生の先輩から教わったことを羅針盤(コンパス)として思い出されるような準備だけはしておくべきです。
 私がここで書いていることも同じことです。若い皆さんの中には、反発を覚えたり、興味を持てないという方もあるかもしれません。しかし、皆さんが仕事や人生の途上で障害に行き当たったときに、ぜひ私の話を思い起こしていただきたいのです。
 なぜなら、これらは私が仕事で苦しみ、人生で悩み、真剣に考える中で学び取ったものだからです。皆さんにとって決して無縁なものではないはずです。
(抜粋)

 また、2011年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅡ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究部編/非売品)では、「心を高める、経営を伸ばす」という項として次のようにまとめられています。

 経営とは経営者の判断の累積した結果であり、どのような基準のもとに判断を行うかが大切です。一般には、「損得」を基準に判断をすることが多いのですが、私たちは「人間として何が正しいのか」という「善悪」に照らして判断をしていかなければなりません。
 もし、心を高めることを怠るなら、判断基準は次元の低いものとなり、判断を誤ってしまうでしょう。
 「心を高める」、つまり心を磨き、立派な人格をつくるよう努め続けることで、常に正しい判断を行い、経営を伸ばしていくことができるのです。
(一部要約)

 京セラでは、心の中に判断基準となるしっかりした座標軸を持っているかどうかが問われます。フィロソフィの根幹となる「人間として正しいことを正しいままに貫く」ということを実践するには、常に心を高め続けるしかない、という自覚を持って、懸命な努力を積み重ねることが求められますが、それこそが、稲盛名誉会長ご自身が生涯続けてこられたことそのものなのではないでしょうか。


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