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『稲盛和夫一日一言』 12月4日

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 12月4日(月)は、「経営12ヵ条 ④」です。

ポイント:「経営12カ条」は、人間として何が正しいかという最もベーシックで普遍的な判断基準に基づいたもの。

 引き続き、2022年発刊の『経営12カ条 経営者として貫くべきこと』(稲盛和夫著 日経BP/日本経済新聞出版)の第10~12条について、その要点を示します。

第10条 常に創造的な仕事をする
     今日よりは明日、明日よりは明後日と、
     常に改良改善を絶え間なく続ける。創意工夫を重ねる

 最初から傑出した技術力を持っている中小企業などないはずです。常に創造的な仕事を心がけ、今日よりは明日、明日よりは明後日と改良改善をしているかどうかで、独創的な経営ができるかどうかが決まってくるのです。

 1日の工夫はわずかなものですが、改良改善が1年も積み重なれば、大きな変化を遂げているはずです。これはすべての分野について言えることです。また、大発明や大発見といわれるものも、そのような地味な努力の積み重ねからできたものなのです。
 どのような産業分野であれ、「同じことを同じように毎日繰り返してはならない。常に創造的な仕事をしていこう」という方針を掲げ、経営者が率先してその範を示していくならば、数年先には必ず素晴らしい技術を開発することのできる創造的企業へと生まれ変わっているはずです。
(要約)

第11条 思いやりの心で誠実に
     商いには相手がある。相手を含めて、ハッピーであること。
     皆が喜ぶこと

 思いやりは、「利他の心」と言い換えることもできます。つまり、自分の利益だけを考えるのではなく、「自己犠牲を払ってでも相手に尽くそう」という美しい心のことです。私は、ビジネスの世界においても、この心が一番大切であると考えています。
 「弱肉強食のビジネス社会では、思いやりや利他などの実現は難しい」と考える方も多くいらっしゃるでしょう。しかし、経営の世界でも思いやりの心は大切なものであって、「情けは人のためならず」というように、その恩恵はめぐりめぐって必ず自分にも返ってくるのです。

 利害損得だけを考えるのか、それとも本当に相手のことを思いやるのか、その心の差異は必ず結果として表れてきます。相手を大切にし、思いやるという「利他」の行為は、一見すると自分たちが損をするようでも、長いスパンで見れば必ず、素晴らしい結果をもたらしてくれるものなのです。(要約)

第12条 常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で

 経営に携わっていると、次から次へとさまざまな課題が現れてきます。しかし、そのような苦しい局面ほど、夢と希望を失ってはならないのです。
 ともすれば、降りかかる経営の諸問題に押しつぶされそうになり、そのような状態にじっと耐えている経営者の姿は悲壮感さえ漂うものかもしれません。あるいは、「強い意志」や「燃える闘魂」によって悲壮なまでに思い詰め、悩み抜いて経営しなければならないと思われているかもしれません。


 しかし、そうではありません。正念場で、凄まじいばかりの闘魂や、どんなことがあっても挫けない強い意志が要るからこそ、日常は明るく振る舞う心がけが大事になってくるのです。そうでなければ、長く経営を続けることなどできないはずです。
 「何としてもやらなければならない」という強い思いの一方で、「何があっても自分には必ず、素晴らしい未来が開けているのだ」という確信を抱いて、明るくポジティブに生きてほしいと思います。いまはどんな逆境にあろうとも、自分の人生をポジティブに見ること。これが人生の鉄則であり、経営者として生きる要諦なのです。
(要約)

 京セラフィロソフィにも、「常に創造的な仕事をする」「自利と利他」「常に明るく」という項目があります。それぞれ、「経営12カ条」の第10~12条に相当する内容かと思います。

 以前にも紹介したことがありますが、特に「常に明るく」は、「救われた!」と感じたことのある京セラ社員が多く存在する項目のひとつです。

 長く生きていれば、「自分はいったいどうしたらいいんだろう」と頭を搔きむしりたくなるほどの難局に追い込まれたという経験をお持ちの方も少なくないでしょう。
 周囲が異変に気づいて「大丈夫?」と声を掛けてくれても、本人はそれどころではありませんからすべて上の空。そんなときにこそ、この「常に明るく」という言葉が心に沁みこんできます。

 京セラフィロソフィ手帳「常に明るく」の項の一部を紹介します。

 決して不平不満を言ったり、暗くうっとうしい気持ちを持ったり、ましてや人を恨んだり、憎んだり、妬んだりしてはいけません。そういう思いを持つこと自体が人生を暗くするからです。
 非常に単純なことですが、自分の未来に希望を抱いて明るく積極的に行動していくことが、仕事や人生をより良くするための第一条件なのです。
(要約)

 常に「私には素晴らしい人生が開かれている」と思い続けることが大切です。日々心がけを新たに、前を向いて生きていきたいものです。


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