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『稲盛和夫一日一言』1/6(金)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 1/6(金)は、「心の手入れ」です。

ポイント:立派な経営をしていく上で大切なのは、経営者自身が心の手入れを怠らないこと。常に悪しき思いを打ち払い心を高め続けていれば、因果応報の法則に従って、物事は必ずやよい方向へと運び、大輪の花を咲かせることができる。

 2011年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅡ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究部編/非売品)の中で、心の手入れの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 人生においても、経営においても、善き思いはよき結果をもたらします。そうした善き思いの大切さについて、ジェームズ・アレンは次のように言っています。

 人間の心は庭のようなものです。それは知的に耕されることもあれば、野放しにされることもありますが、そこからは、どちらの場合にも必ず何かが生えてきます。
 もしあなたが自分の庭に美しい草花の種を蒔かなかったら、そこにはやがて雑草の種が無数に舞い落ち、雑草のみが生い茂ることになります。
 すぐれた園芸家は、庭を耕し、雑草を取り除き、美しい草花の種を蒔き、それを育みつづけます。

 同様に、私たちも、もしすばらしい人生を生きたいのなら、自分の心の庭を掘り起こし、そこから不純な誤った思いを一掃し、そのあとに清らかな正しい思いを植えつけ、それを育みつづけなければなりません。(『「原因」と「結果」の法則』サンマーク出版より引用)

 もし、自分の心の庭の手入れをしなければ、生まれながらに持っている本能、煩悩で我々の心の中は全部占められてしまい、欲望と怒りや愚痴・不平不満で反応するようになってしまいます。

 心の雑草が生えないように、心の庭を耕して手入れをし、そこに自分が植えたい美しい草花を咲かせるために、我々はフィロソフィを、つまり人間として正しい考え方を勉強しているわけです。
 フィロソフィを勉強することを通じて、善き思いを身につけていくことが大切なのです。(要約)

 かつて、昭和天皇が植物学者の牧野富太郎氏の言葉を引用されて、「雑草という草はない。どんな植物でもみな名前があって、それぞれ自分の好きな場所で生を営んでいる。人間の一方的な考え方で、これを雑草として決めつけてしまうのはいけない。注意するように!」と侍従におっしゃったという話が伝わっています。

 ここで紹介した言葉の中の雑草は、生まれながらに持っている本能や煩悩といったもので、それらが心の中の全部を占めてしまえば、「善き心」が発現する余地は無くなり、人の心は三毒(貪瞋痴)に支配されてしまう、といった意味で使われています。

 自分の心の庭をたえず掘り起こすことで不純な誤った思いを一掃し、その後に清らかな正しい思いを植えつけ、それを育み続けていく。

 今日の一言では、心の手入れは立派な経営をするうえで大切なこととして書かれてありますが、これは単に経営者に限らず、私たちが人生を生きていくうえで非常に大事な視点であるように思えてなりません。


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