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『稲盛和夫一日一言』9/14(水)

こんにちは!
『稲盛和夫一日一言』 9/14(水)は、「理念の力」です。

ポイント:組織としての力を発揮するには、経営理念や経営哲学といった目に見えないものが欠かせない。

理念の大切さについて、2012年発刊の『京セラものづくりの心得を語る』(伊藤謙介著 京セラ経営研究部編集 非売品)の中で、伊藤京セラ元会長は次のように述べられています。

会社を海面に浮かぶ氷山に例えると、海面上に出ている部分が業績です。株価や会社の業績、また新製品、新技術や研究開発、特許など、情報として公開されているものが海面上に見えている部分に相当します。ところが、海面下には、実はまだ膨大な氷の塊があるのです。私はそれがその会社の理念、フィロソフィの部分ではないかと思っています。

氷の密度は920 kg/m3、海水の密度は1,025 kg/m3。氷のほうがわずかに軽いだけなので、氷山の90%は水面下にあり、海面上に出ている部分から海面下の形状を推測するのは困難だと言われています。氷山との衝突で最も知られている海難事故といえば、1912年4月14日に起きたタイタニック号の沈没でしょう。

伊藤元会長は、企業経営には理念、哲学、フィロソフィの存在が欠かせないとして、「ノンタイタニック経営」という言葉を提唱されています。

社員があふれるような熱意や情熱を持っているか、規律や礼儀を大切にしているか、また社員のベクトルは合っているか、人の話を謙虚に聞くことはできているか、必死に何かを吸収しようとするアグレッシブさ、貪欲さを持っているかなど、海面下にその集団が持っている、理念、哲学、フィロソフィがあるからこそ、海面上に突起が出てくる。海面上の突起(=会社の業績)がよいのは社員が一生懸命頑張っているからで、業績を大きく伸ばしていこうとすれば、やはり海面下の見えない部分を大きくしていかなければならないのではないかと思うのです。

企業寿命は30年というのが通説です。 10年後まで残る企業はわずか6%、30年以上続く確率は実に0.0021%です。また「理念の有無と企業の業績は連動する」という調査結果もあります。どのような企業であれ、何らかの理念を持って創業されているはずですから、戦略、戦術以上に、自社の理念、哲学、フィロソフィを大切にし、それを基盤とした企業経営を行うことで繁栄を続け、従業員のみならず社会に貢献し続ける。経営者にとって最も根本とすべき考え方ではないでしょうか。


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