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貯信時代 学級通信『Sagittarius』vol.55 2021.9.8発行

 昨日は新しい時代の「お金」の話と,ホームレス小谷さんのお話をしましたね。今日のキーワードは『貯信時代』です。
 ホームレス小谷さんは私が知る限り,数十回のクラウドファンディングをすべて成功させています。小谷さんがお金がなくても困らない理由は,自分のタイミングでお金を生むことができるからです。ここで押さえておきたいのがクラウドファンディングは「お金を集める装置」ではなく,「個人の信用をお金に変換する装置」だということです。換金する元となる「個人の信用」がなければ,クラウドファンディングでお金を作ることはできません。
 今の時代は,クラウドファンディングやオンラインサロンといった「個人の信用を換金する装置」が次から次へと登場し,定着してきました。信用さえあれば,お金が作れるようになってきました。『信用持ち』は現代の錬金術師とも言えます。
 お金を貯めた人間ではなく,信用を貯めた人間がありとあらゆるメリットを受けれる時代が幕を明けました。これが,『貯信時代』です。
 「信用」の価値を象徴するお話をもう1つ。2016年,年末。SMAPのファンが,クラウドファンディングで資金を募り,新聞の一面を買い取り,「私たちはこれからも応援し続けます」というメッセージを届けました。
 この時,集まった金額は3992万5936円。発起人はジャニーズ事務所でも何でもありませんでした。知名度も何もない2人の会社員と1人の主婦です。
 SMAPがこれまで積み上げた信用と「あなたのことは知らないけど,SMAPのファンなら,あなたに託したお金は絶対に素敵な形で還元してくれる」というSMAPファン同士の「信用」が4000万円近いお金を作ったのです。
人」がいるのでしょうか。キーワードは「信用」です。
・焼肉おごって?
 ここまでクラウドファンディングの大きなスケールのお話をしてきましたが,一気に話を身近にしてみましょう。「焼肉,おごって」という企画をクラウドファンディングで立ちあげたとしましょう。
  でもクラウドファンディングは公開範囲がフルオープンなので,「自分で働いたお金で買え!」という輩が絡んでくるリスクは高いですよね。キミたちもそう思うんじゃないですか?でも,大丈夫。今は世の中の99%がそっち側です。
 でも,少し考えましょう。例えばキミたちの恋人や仲のいい友達が「今,お金がないから,今夜は焼肉おごって」ってキミに言った時に,キミは,「何を楽しようとしているんだ!オレがストレスの対価として,ようやくお金を手にしているのに,お前ときたら!」と説教を始めますか?
 いいや。きっとキミたちは,「もう,しょうがねぇなぁ。この借りは,いつか返せよ」そう言って,焼肉をごちそうすると思います。
 それはキミたちが友達を「信用」しているからです。もう少し細かく言うと,キミたちの友達が“焼肉をごちそうしてもらうに値する信用”を貯めていたからです。
・「信用を換金する」流れは止められない
 『貯信時代』では,例えニートであろうと,Twitterでイケてる投稿を繰り返して,フォロワーの信用さえ稼いでおけば,お金を作ることができます。キミたちの親世代は「働け」というかもしれませんが,『貯信時代』の「働く」の定義が,「お金を稼ぐ」から「信用を稼ぐ」に変わってきます。
 正社員より収入の多いニートが出てくる。社長よりも豊かなホームレスが出てくる。もう意味不明ですよね。時代の変わり目だから,働き方や道徳観の違いがあって当たり前です。ほとんどの人が,「お金は汗水たらして,その対価としてようやくもらえるもの」と信じています。もちろん,そうやって生まれる「お金」もあるし,別の形で生まれる「お金」もあります。
 そして,ほとんどの人がお金の生み出し方に別の選択肢が追加されたことに気が付いていません。だけどこのことは踏まえた方がいい。いろんなルールが変化するこの時代に,確かなことは1つだけです。
 「この流れは止められない」ということです。流れにあらがわず,しなやかに対応しよう。


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