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運命の輪part.2 学級通信『Sagittarius』vol.34 2021.6.9発行

 前回は私が初担任をした1-7のお話でしたね。あのクラスは本当にクセの塊でした。でも,本当に印象に残るクラスで,若狭の宿泊研修で,2人の男子生徒と一緒にお風呂に入ったことを今でも思い出します。さて,今日はその続き,教員2年目の若手tada先生が,ソフト部についていくってお話です。
 当時から私は男子バスケ部の顧問でした。男バス創部2年目で,クラブ指導なんて右も左もわかない状態でした。さらに,私はバスケット経験者ではなかったので,バスケットの事も右も左も状態でした。
 そんな中,K先生から謎のお願いが舞い込みます。「tadaくん,ゴールデンウィークに愛知県に行ってくれへんか?ソフト部の遠征ついていって!
 この謎のお願いに私は即答します,「行きまーす!」と。というのも,これには理由があったんです。当時,K先生の奥様は妊娠してらして,出産予定日と遠征の日程が重なっていたんです。だからK先生は毎日日帰りで遠征に参加されていました。
 そんな理由もあって私はソフト部の遠征についていきます。ちなみに,どんな服で行ったらいいかわからなかったので一応スーツで行きましたが,参加校の先生方の中でスーツを着ていたのは私だけでしたwww
 さて,そんな遠征ですが,そこで私はとても面白い経験をします。その遠征は全国のソフト部が10チームほど集まって試合をしていたので,顧問の先生も20名近く来られていました。
 そこでお会いする他校の全ての先生が,K先生に会うたびに,「もう産まれた?」「男の子?女の子?」「名前は決めた?」って聞かれていました。そして,その先生方はみんな素敵な笑顔で産まれてくる赤ちゃんのお話をしていました。つまり,みんなが神原先生の赤ちゃんが産まれてくることを望んでいたんですよね。
  これってよく考えたらすごい話ですよね。だってね,産まれてくる赤ちゃんは,多分この他校の先生に会うことはないんですよ?だってね,赤ちゃんからすると,会ったこともない人が,自分が産まれてくることを望んでくれているんですよ?
 これは,K先生の赤ちゃんに限ったことではないんだと思います。たぶん,私が産まれた時も,たくさんの人が私の両親と産まれてくる私の話をしていたはずなんです。
 キミたちだってそうなんです。顔も知らない誰かさんが,キミたちが産まれてくることを望んでくれていたんだと思います。
 そんな,遠征中に産まれたケータくんも今はもう小学校4年生になったそうです。恐ろしいことに,時が経つのはあっという間ですね。
 この遠征で学んだ,“すべての命は望まれて産まれてくる”ってことは,今でも私の心の深くに残っています。ちなみにこの遠征で,クラブの指導方法をたくさん学びました。今,私が顧問をできているのは,この時の経験のおかげです。
 そして,このK先生ですが,なぜかしら私の教員人生のいろんな分かれ道で関わることになるんです。次回は私に赤ちゃんが産まれるってお話です。
 次回もK先生は登場します。ちなみに私もK先生もネズミ年です。

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