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かつて、インターネットやスマホが「無用の長物」だった頃(の再来)

たぶん、現在、50代以降で、学生の頃から新しいものや流行にいわゆるアンテナ張ってた人、(今で言う)マーケター的な感覚を持って「これはなんで流行ってるんだろう?」と疑問を持って自分なりの答えを出すってことを行なっていた人にはスッと理解できるかもしれない。15年ぐらい前まではインターネット(パソコン)やその5~6年後のスマホは『無用の長物』扱いだった。今のように全国民のほとんどが当たり前のように日常使いしているなんて想像できないぐらいに特殊な扱いだった時代がついこの前。

https://mainichi.jp/articles/20230708/k00/00m/020/126000c

当時、私自身はPCの検索エンジンを開発するスタートアップを経て、モバイル検索エンジンを売っていた。「時代はモバイルだ!」と火が付いたばかりで、誰も彼もが理由もわからず「モバイルサイト」を作って、アクセスを集めることに必死だった時代。Excite、Nifty、Livedoor、BIGLOBE、Yahooなどなど多数のポータルサイトが存在し、とにかく無料のコンテンツを並べて、PVやアクセスを集めまくっていた。非常に活気に溢れていたのだけれど、実は、マネタイズはさて置きだった。そして、一定のPVが集まるようになって初めて、マネタイズをどうしたらいいんだろうと思い始めて、私はメディアコンサルを事業として始めたんだが、今、VR界隈で起ころうとしている状況とあまりに似ている。裏側の技術の進化(検索技術やデータ圧縮の技術など)は今と比べるとチープだが、当時からドンドン進化を続けて止まらない状況は変わっていない。それとは全く別の次元で、ユーザーのアクションをお金に変える作業(マネタイズ)は後から付いてきていた。とりあえず流れに乗って「やってみて」、後からお金を稼ぐという「やんちゃ」なスタイルは市場ができるタイミングでは不可欠だと今でも思ってる。市場ができるかどうか、やってみないと分からないのだから、とりあえず「やってみる」が先行するのはスゴくいい。まずは市場が成り立つかどうかを(結果的に)各社が並行して走っている状況。裏側での技術的なアドバンテージをお金に変えるために、先行優位を取ることの重要性が生きていた時代。各ポータルサイトと携帯キャリアと端末メーカーが一気に先行投資に走り、走って走って走りまくった結果、「当たり前」になった。

で、2024年。数年前から「メタバース」「VR」という言葉は聞かれるようになった。上記の「先行投資に走り」はどうだったかと言うと、かつてと比較すると、より確実に、より効率的に、投資を回収する前提で物事が動き始めた結果、一部の限定的な機能(ゲーム)においての集中投資と回収が行われて、その他の機能(非ゲーム)で追随する間もなく、情報流通だけは以前とは桁違いで早いので、まるで終了したかのような状況になった。

各ポータルサイトと携帯キャリアと端末メーカーが一気に先行投資に走り、走って走って走りまくった

こんな事態が起こっていない。こういう側面にも「経済の低迷」を感じたりするけれど、とにかく、メタバースもVRも、まだ走ってない=始まってないのが現状。数億円規模のプロモーションなど、かつてと比べて情報洪水な今は全く影響力を持たない。そこで踏みとどまって様子見して、裏側の技術の進化だけを続けているのが各プレイヤー。
情報洪水の激しさ・経済状態など、違いは当然あるけれど、比較すると何が足りないのか、何をすべきなのかヒントが見つかる。20年前は、流行は意図して、仕掛けて、作っていた。それで国民は満足し、楽しみ、盛り上がっていた。仕掛ける側も賢く、上手だった。

今の時代は、心理的にも充足感・満足感のピークを超えてしまって、新しいところへ行こう感は非常に弱まっているのを感じている。それが、インターネットの登場時とVR・メタバースの環境的な違いかもしれない。だが、基本構造は変わらない。先行して走って走って、結果としての先行優位を得る会社が出て、それをいち早く察知して追随する会社が続出する。そして一大市場ができあがる。当社(前身のTravelDX)は「先行して走って走って」をやったのだけれど、①時期が少し早すぎ、②体力的に厳しく、という2つの点で瞬間花火も上がることなく様子見に入った。これは経営的には正解でしか無く、いずれ来る波に一番最初に乗るための待機中だ。一度、乗りかけた(並を起こそうと思った)ので、波が来るのを察知するのはたぶんどこよりも早いはずだ。

本題に戻ると、かつての「携帯サイト全盛期」を思い出すと、マネタイズは誰にでも稼げるプラットフォームを提供してあげるのが王道。その使い方をコンサルする会社が最初は出てきて、そのうち、コンサル無しで誰もがプラットフォームを利用してマネタイズできて、という流れ。この考えにおいては、プラットフォーム【どこでもドア】は準備できているし、マネタイズのコンサルもちょろちょろやっている。たかが20年だけれど、この間にいろんなことが様変わりしているので、VR・メタバースの世界観が日常使いになるまでにどんなステップを踏むのかは神のみぞ知る(ネガティブな意見は何の価値もない)。少し姿を変えて現れるかもしれない。その姿がボンヤリとでも見えてくるのはもう少し先かもしれないし、明日かもしれない。ただ、膨大な過去の経験を活かして、常にアップデートを続けてきて、誰よりも早く見つけるのは結構自信がある。
気がする。
かもしれない。
なんてね。
って夢を見ました。

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