リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲 Op.34

00:00 I アルボラーダ 【アストゥリアの舞曲 アルボラーダ】
 ビーボ・エ・ストレピーソ(Vivo e strepitoso) イ長調 4分の2拍子

 Vivo e strepitosoは 活発に、やかましく という意味である

 アルボラーダとは、恋人たちの朝の別れの歌であるが、器楽曲にも用いられている。しかしこの場合には、朝の喜びを讃えるスペインの民族舞曲とみられる。激しい踊りを表すメロディが極めて簡単な、その上ほぼ変化のなく繰り返される伴奏を伴ってヴァイオリンで演奏される。ヴァイオリンが主旋律を演奏し終わると、これを受けて静かにクラリネットが、しかし力を込めてソロを歌う。再びヴァイオリンと全楽器演奏で主旋律が演奏されるが、そこではいくらか管弦楽法が変わっており、続いて前と同じようにクラリネットのソロになるが、ここではヴァイオリンのカデンツァがついて、最後にティンパニの微かな響きと弦の和音でこの部分は終わり、IIに移行する

01:20 II 変奏曲 アストゥリア民謡 【夕べの踊り Danza prima】
 アンダンテ・コン・モト(Andante con moto) ヘ長調 8分の3拍子

 Andante con motoは 歩くくらいの速さで、動きをつけてという意味である(参考文献「実用音楽辞典(2008年、ドレミ楽譜出版社)」p.295、「ブリタニカ国際大百科事典」「アンダンテ」の項)。

 ヴィオラ、チェロ、コントラバスの静かな伴奏で4声部のホルンが牧歌的な旋律を演奏する。主題に基づく5つの変奏曲となるが、第1の変奏はヴァイオリンとチェロによってこの主題が歌われ、第2の変奏では管楽器で歌われる。これは少しテンポが遅いPoco meno mossoとなっていて、柔らかな音色で主題が歌われ、イングリッシュホルンとホルンの応答は牧童が吹く2本の芦笛を思わせる。この静かな第2変奏に続いて第3変奏では管弦楽器で力強く(フォルテ)歌われる。テンポプリモ(Tempo I)となって第4変奏に移り、ここではクラリネットとヴァイオリンが16分音符で伴奏する。第5変奏は全楽器演奏で、木管が主題を奏し、最後にフルートのソロが半音階的な結尾を奏して終わり、IIIに移る。

06:08 III アルボラーダ 【アストゥリアの舞曲 アルボラーダ】
 ビーボ・エ・ストレピーソ(Vivo e strepitoso) 変ロ長調 4分の2拍子

 I(Vivo e strepitoso/イ長調)の再現であるが、イ長調が変ロ長調に転調されている。Iのアルボラーダより華麗さを示すが、しかし、全般的性格は保持されている。

 まず、クラリネットが主旋律を奏で、続いてヴァイオリンのソロが訪れる。更にクラリネットによる強奏(フォルティシモ)となり、最後もクラリネットがヴァイオリンのカデンツァに代わって奏されており、曲の終わりもIと異なり強奏(フォルテ)で終わり、IVへ移る。

07:25 IV ジターンの情景と歌 アンダルシア・ジプシーの歌 Canto gitano
 アレグレット(Allegretto) ニ短調 8分の6拍子

 Allegrettoは やや速くという意味の速度用語である。

 ジターンとはスペインのジプシーの女を言い、またその踊り子や歌い手の意味にもなる。ここでは、アンダルシアのジプシー女が、歌い且つ踊る情景を描写したものと解釈できる。IVは小太鼓(楽譜上ではTamburo)の連打に始まり、金管群のカデンツァがフォルテで奏される。小太鼓が消えようとすると、第2のカデンツァがヴァイオリン・ソロで奏でられる。ドラムはa tempoに入るまで続けられる。第2のカデンツァの動機は、フルートとクラリネット・ソロで反復されてから、第3のカデンツァに移行するが、これはティンパニによる連打の中、フルートが担当する。第4のカデンツァの担当はクラリネットであるが、ここではオーボエが牧歌的動機を演奏する。第5のカデンツァは、ハープとトライアングルにより奏される。以上の5カデンツァは次々と登場する踊り子を描き、第5のカデンツァが終わるとジプシー風の第1の踊りの主題に続き、第2の主題、則ちこの曲の主旋律が現れる。主旋律はフルートである。次いで第1の主題に返り、更に主旋律に移るが、今度はピッコロとオーボエ、ヴァイオリンが加わっている。この旋律が終わると、チェロのソロで新しい主題が演奏されるが、これにはクラリネットとオーボエのソロが複旋律的に絡み合い、更にフルートのソロも加わる。チェロによる主題が終わると、フルートとオーボエが弦楽器のピッツィカート伴奏により、小刻み(16分音符)の踊りを展開する。やがて金管楽器とハープもこれに加わり、最高潮に達すると、またしても主旋律が木管楽器によりフォルテ(ピッコロはメゾ・フォルテ)で奏でられてから、更にヴァイオリンのフォルティシモによる演奏へと移る。

11:57 V アストゥリア地方のファンダンゴ 【アストゥリアのファンダンゴ】

スペイン奇想曲
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%B3%E5%A5%87%E6%83%B3%E6%9B%B2

Capriccio Espagnol
https://en.wikipedia.org/wiki/Capriccio_Espagnol


コルサコフ 再生リスト
https://www.youtube.com/playlist?list=PLTtHiFCVwL1z2c3nI93jgtIxFuvrb7cT6

バーンスタイン指揮 ニューヨークフィル 1959年5月2日録音
#スペイン奇想曲 ,#rimsky-korsakov,#capriccio espagnol,#吹奏楽

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