ホロスコープの先行日蝕・月蝕と東洋系占いの結果の矛盾について(6月24日加筆)

 サンプル女性を見て思ったことです。人は何と複雑なものでしょうか。色々とご意見はあるでしょうが、私は1人の人を見るときは、複数の占術で多角的にみることにしています。その方がその人の本質というものに近づけると思ったからです。

 (サンプル女性)

☆ドラゴンヘッド=10ハウス双子座、テイル=4ハウス射手座
 ここまでならヘッドとテイルの関係で、前世では家庭を重視した生き方をしたので、今世では仕事をやっていきたいというのが教科書的な解釈です。
しかし、この女性は10ハウスの生き方を目指そうとしても、災いに見舞われ、結局、4ハウスを重視する生き方をせざるをえないという状況です。
10ハウスを目指した方がよいと言われるのに?ですよね。

 しかし、先行日蝕という生まれる前に決めてきたテーマ、先行月蝕というそれを達成するためにやることを見ると、大変悲しい事ですが納得がいく結果となります。彼女の先行日蝕は4ハウス射手座、先行月蝕は10ハウス双子座なのです。

☆先行日蝕(人生のテーマ)→ドラゴンテイル(前世でやり尽くしたこと)
★先行月蝕(人生のテーマをするためにすること)→ドラゴンヘッド(今世でやること)

 まずこの段階で疑問に思いましたが、彼女の場合は本来やり尽くしたはずのことをもう一度今世でやらなくてはいけないという事になるという事です。ならば、ドラゴンヘッドはどこへ行くのか?となりますが、彼女の場合は逆で、家庭を重視した生き方をするために仕事をするということになります。上記のように、普通に考えると矛盾が生じますが、彼女のICが蠍座であることまで考えると、家などに重点を置いて生きざるをえないのはなぜか分かる気がします。IC蠍座は実家にしばられると解釈する方もおります。実家のものを受け継ぐという解釈の方が建設的ですが。

 私は4ハウスとは必ずしも家庭だけでなく、どちらかというと、その人のルーツ(家系)や縁がある土地とも捉えています。そして父方と母方まで区分けすれば、4ハウスは母方の方でしょう。これを彼女にあてはめると、彼女の苗字は母方の苗字であり、母方の親族を主に生きています。ちなみに父方をさすとされる10ハウスには星がありません。
 さらに、東洋系の占いでこういうことを言っている先生がいたので、参考にすると、

☆女性 奇数の続柄(長女・三女・五女・・・)=母方が強い
★男性 奇数の続柄(長男・三男・五男・・・)=父方が強い
という法則があるようで、彼女は長女なので母方が強いというのは、この面からも分かります。

 しかし、東洋系の占いで彼女を見た場合に矛盾だと思うのが、生日中殺といって「生まれた故郷を離れて生きる」ものを持ち、母親の天中子(母親が天中殺の時に誕生、しかも影響が出る同性の子)になるので、本来は家系の恩恵を受けにくいのが通常となることです。紫微斗数でも来因宮である父母宮が破格となるので、その象意をもつものから離れた方が開運すると言われているのです。彼女の場合、算命学にある三業干支(先祖の贈り物、場合によってはお荷物)も多く、そのうちの1つは参籠という行動に制限がかかるものでしたし。

 まとめると、彼女の本質は、故郷を離れて家族と距離をおいて生きるのが幸福への近道にもかかわらず、人生のテーマに家庭や家系を重視した生き方(本質と逆になること)を設定したので、そのために社会に出るということになるのでしょう。
 はっきり言って本質から外れずに生きることができる、近くで生きられる人は無理がないので、あらゆることがスムーズに進みやすいです。まあ、突発的なことには弱いかも知れませんが。彼女は、本質とテーマに誤差の大きい、何という負荷の大きい人生なのでしょうか。何をするにも馬力が人一倍いる人生です。

 ホロスコープの視点に戻れば、逆行天体が6個もあり、太陽や月などのライツがハードアスペクト(太陽は冥王星オポジションなので、天に見張られる人生とも言われます)で、しかも人間が手出しできない冥王星がからんでいます・・・。

 基本は天体とアスペクトですが、バーテックスとアンチバーテックスも見てみました。

☆バーテックス=人生の願望である。彼女は山羊座。山羊座はプロ意識のかたまりで伝統を守る。

☆アンチバーテックス=社会に求められる宿命や使命。彼女は蟹座。身内に目を向けて人の面倒をみることを求められる。

 アンチバーテックスが蟹座なので身内(家族や広くいうと家系など)に意識が向く事を求められます。ある意味、納得の結果なのでしょうね。そう考えると、ますます東洋系の占いとの矛盾が気になりますね。占術方法が異なるので当たり前と言えば当たり前ですが、今まで縦横無尽的な視点で1人の人間を多角的に見てきたことからすると、整合性がとれる結果が多かったので、今回はすっきりしませんでした。

 ここから加筆箇所です。

 上記のテーマがあまり気になったので、お世話になっている西洋占星術の先生におうかがいしました。それによれば、彼女は☆ドラゴンヘッド=10ハウス双子座、テイル=4ハウス射手座なので、今世ではドラゴンヘッドを目指し、仕事を中心的に行っていくという生き方がよいのではないかというご意見でした。

 結局、本来は、今世ではドラゴンヘッド10ハウスを目指すところが、人生の目的とされる先行日蝕がドラゴンテイル4ハウスであるという矛盾した結果となるので、彼女が星を生かして生きるのが困難な状況になっていると解釈できます。これらのことを総合的に考えると、あくまで目指すのは、仕事を中心に考えて、生まれ故郷を離れて成功できるようにする→故郷に錦を飾るというわけではないが、仕事で得た有形無形の利益を家族や家系(一族)に還元するという生き方が落としどころではないかと思います。

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