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京博「茶の湯」展行ってきました

京都国立博物館で行われている「特別展 京に生きる文化 茶の湯」展に行ってきました。

出がけに涼しかったのでチェスターコートを羽織っていったものの、京都駅とバスの人混みで暑くなって脱いでしまい、道中単なるお荷物と化していたのは切ない思い出です。

大看板

土曜日だったからか、ロビーではトラりんのミーティングイベントが! このキメ顔をご覧ください。かっこいいぞ!

トラりん

 事前にある程度情報は入れていたものの、国宝重文重美オンパレードで、かなりお腹いっぱいの展示でした。初見の方はぜひある程度、これを見るぞ~と絞っておいでになることをお勧めします。テンションの維持が大変でした。
 あと、見所は来場者の方の和装! キュートな小紋から艶のある紬の無地、ブーツ合わせに大島で作った作務衣、更にお茶席から抜けてきたとおぼしき薄色のお召に羽織の男子、目の保養しかなかった……。

 今回の自分テーマは青磁だったので、メインは平重盛が所蔵していたという「青磁茶碗 馬蝗絆」……と思ってたら、なんと推し青磁(そんな概念があるかは知らないんですが)の「万聲」と「千聲」が並べて展示してあって釘付けでした。青磁、つまりブルー系の透明釉薬を掛けて焼成した陶磁器、国宝級の子達は貴石にも喩えられる色味ですばらしい。単眼鏡で舐めるように見てきました。国宝の「青磁下蕪花瓶」が牧谿の「遠浦帰帆」図と一緒に展示してあったのも流石によく似合ってた……(それにしてもみんな瀟湘八景好きですね)。
 茶碗は各種あった中、目を惹いたのは「灰被天目 銘 夕陽」と「玳披天目」。定番の優品「耀変天目」も前田家所蔵の素敵なものが出てたのですが、同じ天目茶碗でも、灰釉でラスター彩みたいにギラギラだったり玳瑁(べっ甲)風に斑入りだったりで趣が違っていてとにかく存在感が凄かったです。「夕陽」、ほんとに落日のあのぎらりとした輝きが見て取れました。700年も前の人も同じ太陽を眺めていたんだなと思えて身が震えます。
 天目茶碗、見るには良いですが使うにはややテカリすぎてるので(でも洗うのは楽かもしれない)、くれるというなら「伊羅保茶碗 銘 あらし山」あたりの穏やかな風合いのが良いかなと(誰もくれませんが)。古三島とか粉引、朝鮮王朝時代の焼物も柔らかくて好きでした。
 邢州窯(けいしゅうよう)系の白磁碗が抜群に好みで、9世紀のお品だそう。なるほど時代がついてるはずだわ~(千年以上ね)と思い返しています。羊羹乗せると映えそう。掛け軸は南宋画の伝趙昌「茉莉花図」がかわいくて良かったなと思ったら、羊羹セットの絵柄に採用されていました。
 全七章に別れた展示のうち、なんと第6章が「煎茶と製茶」と題されて、黄檗山萬福寺所蔵の宜興窯紫泥茶罐が2口も出品されてました。煎茶道の教科書的な本に載ってる図版で見た事ある! あと小さい茶壺に染付で童子に茶を沸かさせている人の図があって、おお~涼炉も水注も書き込んであるとこれも単眼鏡で舐めるように見ました。
 木工品でうわ~と思ったのは「朱漆塗輪花天目盆」(文化庁所蔵)、仏像が乗っかってそうな花弁飾りのある盆……というより台。現代でも類品が作られている定番の形なだけに、良し悪しの判断基準になっちゃうってアレです。お菓子屋さんにおけるクロワッサンやアップルパイ的な。こちら、大きいのに全体が引き締まっていてとても良いお品でした。ご馳走様です。

 先日読んだ『黒牢城』(米澤穂信)でも、戦国大名の生き様に茶の湯や茶道具が切実に関わっている姿が描かれてました。古い時代を生きた人たちが選び抜いて手に取り時には命を賭けてやりとりした名物を、ごくごく平凡な市井の民である自分が直接見られるのは、有り難いことだなと改めて思います。


抹茶ドリンクの粉

 
 展示が本編だとすれば、グッズコーナーは気楽で楽しい後書きみたいなもの。オリジナルグッズを狙って嬉しく買い込みました(一緒に行った友達に沢山買うねと言われましたわ)。いつもお菓子をくれる田舎の親戚や近所の人にたまには御礼の気持ちを伝えたいし、デザインの良いものは子どものお土産にしたい。
 自分用の定番は絵葉書ですが、これも展覧会オリジナルのものを選びたい。展示品を借りてきている他館のオリジナル葉書は、滅多に行けないこともあって要チェックです。
 今回は
・かぎや秋政 羊羹セット(ミニ羊羹4本)オリジナルパッケージ 500円ちょっと お土産用
・絵葉書 展覧会オリジナル 
・B6サイズ 展覧会オリジナルクリアファイル お薬手帳カバーになる仕様なのが、来館者の年齢層を良く掴んでる 自分用
・抹茶ミルクの粉 展覧会オリジナルデザイン 子どもにお土産(味見させて貰ったらすごく美味しかったので普通にお勧め。写真のコラーゲンの方は味はまだ不明)

 日程的に再訪は無理ですが、展示リストを見ると前期にも行きたかったなと今さらに思います。

https://note.com/gakugeiin/n/nac06cb406007
忘れられない展覧会2022参加中です。

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