「サムは、やっとの思いで地面から体を起こしました。」
「鷲たちが来るぞう!」
という希望の声で終わった『王の帰還(上)』から一転、下巻はまだ危険の最中にあるフロドとサムからはじまります。
『二つの塔』のラストでシェロブに刺され、オークに連れ去られてしまったフロドと、フロドから一時的に指輪とガラドリエルの玻璃瓶を預かったサムの、モルドールへの潜入からです。
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J.R.R.トールキン著、瀬田貞二・田中明子訳『指輪物語 王の帰還(下)』(評論社、1996)
役割物語の人物には、それぞれ役割があります。
フロドの役割は、指輪を