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人種差別の原理と批判への違和感(私見)

今週の水曜日(2020年6月3日)の朝、Instagramを開くとフィードには真っ黒な画像にハッシュタグ「#blacktuesday」がついた投稿に覆いつくされていました。

スクロールしても終わることがない黒いスクリーンは、アメリカの友人やアメリカに所縁ある友人たちの「黒人差別」への強い反発の意思であることを、普段はSNSを見もしない友人の投稿を通して知りました。

黒人差別について、いろいろと見聞きしたりこれまでの経験で学び体験してきたけれども、なんだか僕にはどうしても腑に落ちない点がありました。その点とは、「批判の対象が同じようで違う」、「言動の目的が同じようで違う」、そんな違う質の声が、同じ問題の渦中に入り混じっていたからです。この記事は、その「違う質の声」の正体を、現在進行形で起きている黒人差別問題の批判の声2つを例にとり、個人的に考えてみた内容です。現段階の自分なりの見解と人種差別への付き合い方を記した備忘録ともいえるかな。

始めます。

黒人差別だけではなく、人種差別ってなくならないなと、短い人生ながらも人並みに歴史を学んでいて思います。

ただ、みんなの声を聴いたり見たりしていて、すごく違和感があった所がありました。それは、
「人種差別はよくないね、無くそう」と言う人と
「人種差別なんてことをするのはひどい、そんなことをする人は最低だよ」と言う人、この2種類が同じ方向を向いていてるようでどこか違う方向を向いていないかと感じたことでした。

これまで「人種差別」という問題を考えてきた際、この2つの主張は似て非なるものだと直感的に感じていたのですが、よく区別できずにいました。しかし最近ちゃんと自分の中で区別して整理できたような気がします。

そしてその整理の中で、一方は「人種差別をなくす」という目標に対して、反対方向に走っているかのような原理からできている声だと気づき、びっくりしました。

結論から言うと
正反対に走っていると思ったのは
「人種差別なんてことをするのはひどい、そんなことをする人は最低だよ」
という声です。

読み解くキーワードは「セグメンテーション」と「貶め」でした。

「人種差別なんてことをするのはひどい、そんなことをする人は最低だよ」

以上の文章には
「人種差別をするひと」と言うセグメンテーションと
「最低」という貶めが入っています。

一方、
「人種差別はよくないね、無くそう」
と言う声には
「セグメンテーション」も「貶め」も入っていません。

この「セグメンテーション」と「貶め」こそが、人種差別の原理そのものだと思う。これが現段階の僕の視点です。

黒人差別でよく言われているのが
「黒人は頭が悪い傾向にある」とか
「黒人は育ちが悪いから悪い人が多い」とか
そういうなんの根拠もないようなことです。

ここでも「黒人」というセグメンテーションに、「頭が悪い」「育ちが悪い」といった貶めが入っています。この差別が周りまわって収入や教育に影響を及ぼし、統計的にアメリカの黒人人口は白人人口より学歴や収入が低いのはまた別の話ですが、収入がなきゃ教育が受けられずに世代をまたいで格差が広がっていくのは想像できると思います。

しかしながら、もちろん「純日本人」というセグメンテーションの中に頭の良い人悪い人、育ちの良い人悪い人がいるように、「黒人」というセグメンテーションの中にも良い人も悪い人もいると思います。それなのに、黒人差別では「黒人」というセグメンテーションを一概に「貶め」ています。

つまり、ある「セグメンテーション」をいっしょくたに「貶める」ことこそが差別ではないのかと思うのです。

これは「黒人差別」だけでなく、日本人における「中国人差別」「在日差別」などいろんな差別も同じ原理ではないのかなと。
また、これは人種差別や民族差別問題に限られない考え方の気がします。

例えば、先日テラスハウスの出演者から自殺者が出たことで、SNS上での「誹謗中傷」を批判する声が高まっていますが、これも同じ。

「SNSで誹謗中傷はやめよう。ひどいことだよ。」
「SNSで誹謗中傷するとかバカじゃない?そんなことやってるやつまじで意味わからん」

これまで読んでいただいたなら、この2つの声の違いは明白だと思います。
「人種差別」も「誹謗中傷」も、批判は大切だと思います。批判をし、現状を変えることで、人種差別も誹謗中傷もない社会ができたらいいと思っています。ですが、批判のしかたに、少しでも「セグメンテーション」と「貶め」が入っているならば、それの本質は、原理は、人種差別をしている当事者のものと違いないのではないのじゃないかなと、私は思います。

以上でだいたい頭の中で思ったことを書き出せた気がするので、終わります。
言葉ったらずかもしれませんが、そんな時は直接聞いてください。
というか、上記は私見なので、違う考え方があるのは当たり前かな。
僕もいろんな意見を聞きたいし、聞いたうえで新しい視点と意見ができたらいいなと思っています。

読んでいただいてありがとうございました~

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