映画評|『バーニング 劇場版』 村上春樹の原作を”二度読み”したくなる
この韓国の映画は、村上春樹の短編「納屋を焼く」が原作である。映画を見たあと、久しぶりに「納屋を焼く」を読み返してみた。村上春樹の短編では個人的にベスト3に入るほど好きな作品なのだが、「あれ、こんな作品だったっけ?」と思った。それは不思議な感覚だった。映画を見た後に読んだら、まったく印象の違う作品になっていた。
「納屋を焼く」には一人の若い女性と二人の男性が登場する。主人公である小説家らしい「僕」と、若くエキセントリックな彼女、そしてルックスの良い謎めいた金持ちの青年。二人