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【超要約・1分で説明する】新疆ウイグルと中国の関係

新疆ウイグルについて皆さんはどの程度知っているでしょうか?

「なんか少し前にユニクロ(ファーストリテイリング)が新疆の事で叩かれていたな。」

とかニュースなどでふわっと見聞きした程度でそこまで詳しい人はいないのではないかと思います。


では、そもそも新疆とは?

中国北西部に位置し、総人口は約2585万人(日本のディズニーパークを利用する人が年間2600万人)です。
58%は漢族以外の少数民族であり、イスラム教徒のウイグル族が多く暮らしている地域です。

ウイグル族は中国で圧倒的多数を占める漢族とは見た目も言葉も文化も宗教も違うが、現在の新疆は独立国ではなくあくまでも中国の一部(自治区)でしかありません。他には内モンゴル自治区やチベット自治区など中国には5つの自治区があります。
混同されそうですが香港やマカオは特別行政区であり、それぞれに行政機関が設置され独自の法律が適用されるなど、大幅な自治権を持つ地域の事です。

新疆は自治区の中では最大で、世界で8番目に大きな国家行政区画(日本でいう地方公共団体)である。上記、地図でもわかるように中国から見ると新疆は国土の6分の1(日本の約4.5倍)を占めており、中国全体の石炭埋蔵量の約4割を有する非常に重要な地域でもあります。
そもそもウイグル族は9世紀中頃(日本でいう平安時代)から新疆で定住生活を始め、20世紀前半に”東トルキスタン”という国を2度樹立したがいずれも短期間で崩壊。現在の中国の支配下に組み込まれ、1955年に自治区となりました。


ではなぜここまで中国政府に弾圧されているのか
その理由は、1990年代初頭ソ連崩壊にともない、ウイグル族と関係の深いカザフスタン・ウズベキスタンなどの中央アジアの国々が独立を果たすとウイグル族も刺激されて独立運動を活発化。
しかし中国政府はこれを激しく弾圧し、1997年でのデモでは200人が死亡し2009年には2000人近い死傷者が出ている。

2014年4月30日には新疆ウイグル自治区で「爆破テロ事件」が起き、それがきっかけで弾圧はさらに強化されたと言われています。習近平が国家主席となり、初めて新疆ウイグル自治区を視察した際に、ウルムチ南駅が爆破されたのです。
同年7月、武装した容疑者グループが政府庁舎や警察署を襲い、100人近い死者がでる事件も起きました。


さらに中国政府は、長年にわたり新疆の漢化政策を進めている。他の地域から漢族を移住させて新疆の人口比を変えようとしているのだ。

1955年には約6%しかいなかった漢族が現在は42%ほどにまで増えている。

さらに西日本新聞の記事によると2014年から2018年の5年間で約10万人の新疆住民が不妊手術を受けさせられたとのことである。現代における民族浄化が平然と行われているのです。


アメリカは、新疆で100万人以上のウイグル族が拘束され強制労働や性的暴行、拷問などが行われているとし、この弾圧を「ジェノサイド(民族大量虐殺)」だと厳しく批判している。
ウイグル族自身も国内外で声を上げているがその声はなかなか聞き入られていない状況だ。

ただしこうした人権侵害行為を中国政府は否定しており欧米諸国によるジェノサイド批判には”今世紀最大の嘘”だと猛反発している。


10月31日のロイター通信の記事によると”中国政府は31日、欧米から人権侵害が批判されている新疆ウイグル自治区で、実験的な自由貿易試験区を開発する計画を示した。巨大経済圏構想「一帯一路」に組み込む狙いがある。”とのことである


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