君達はどうマジックをみせるか?

あなたがマジックを見せる目的はなんですか?

『マジックを見た人に感動と夢を与えたい!』
『お金を稼ぎたい!』
『圧倒的情報アドバンテージを使ってマウントを取りたい!』
『モテたい』
『チヤホヤされたい!』

(※上から3番目はマジック初めて2年目くらいまでのぼくです)

各々にいろんな理由があると思います。
「感動と夢を与えたい」系のことを言ってる人は7年前くらいはちらほらいましたが、最近では「何言ってんだお前?」と、叩かれるからか少なくなりましたね。

さて今回の『マジックを見せる目的』とは上記の様な各々がマジックを演じる動機の事ではありません。

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『そのマジックにおいてあなたが客に見せたいものはなんなのか?』

という事です。

これを考えている人といない人では、同じマジックを演じても『ノイズ』や『観客の受け取り方』に大きな差が出来てきます。

もしあなたがこれを考えたことが無いのであれば、この機会にもう一度自分のマジックを見つめ直してみましょう。

そういったものを知った上で、他のマジシャンのマジックを見ればその人が大切にしている事、それを活かすために何を切り捨てたのか、など色々と見えてくるかもしれません。

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『マジックを見せる目的』は大きく3つに分類できます。

①現象

最もポピュラーな目的で、現象そのものをマジックのゴールに置きます。
当然現象がゴールなわけですから、その現象が最も「不思議」にみえる「インパクトが強くなる」などの工夫を凝らすべきです。

②スキル

こちらは現象が起こせる理由を演者のスキルとして、現象はあくまでその証明のために使い、そのスキルを持ったすごい自分!を魅せる事を目的とします。
メンタリズムやポーカーデモンストレーションなどが代表となるスキルデモンストレーションと呼ばれる部類のパフォーマンスです。
ただしマジックですから、演者がそのスキルを有しておらず実際には実現不可能な領域の現象まで起こることです。

③世界観

何か表現したいものがあってそのための手法としてマジックを使う
といったものです。
わかりやすい列で言ってしまえばミッ○ーの魔法ショーなんかがそれです。
見せたいものは○ッキーの魔法という世界観であって現象はその為の要素でしかないという事。
これに関してはマジックは主役ではなく手法なので、その表現の手法としてマジック以上のものがあればそちらを選択する事もあります。
(それはパントマイムのような人の技術によるものもあれば、音響や照明なども含まれます。)

これらは勝手にぼくが定義した3つですが、自分の演技がどれなのかによってそれぞれで守らなければならないルールや優先すべきものが見えて来ます。

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それぞれで重視すべき事

①現象

このタイプは前述した通り現象が目的なので、あまりに逸脱しなければ多少はルーティンの中で食い合ってしまうような現象を盛り込んでも良いわけです。
よくある例としては、アンビシャスカードの後にトライアンフをする、現象が起こる理由や背景に整合性がなくとも個々の現象をきっちりと魅せれば良いわけですから。
大事なことはそれぞれのマジックでその現象を最大化する為に必要不必要になるものはなにか?ということです。
それは例えばマジシャンが道具に触れていないだとか、観客の手の中で現象が起こるだとか、シンプルにスライト力だったり、そういった要素の積み重ねになります。

最もメジャーな見せ方であり、ある程度の事は「まぁまぁ、マジックですから」という保険や言い訳の効く選択にはなります。

その分現象が主役なので同じことができる自分以上の誰か、と並んだ時にその価値は激減します。

自分が魅せたいと思ったその現象を最もステキに魅せれる良いマジシャンになりましょう。

②スキル

読め!↓

https://note.com/roy4800/n/nb0238c5f883b

以前書いた記事ですが、メンタリズムを代表にスキルデモンストレーションにおけるルールやタブーが書いてあります。

スキルデモンストレーションはある意味諸刃の剣です、絶大な効果の裏に潜むリスクやその理由を理解して使いこなせるマジシャンになりましょう。

③世界観

コンテストや被害者アクトなどでよく目にする、このタイプで重要なことは、表現したい、伝えたいものが伝わるか、です。

ただしここに注意点が一つ、必ずしも万人に伝える必要はない、という事です。

あなたが伝えたい人に、正しく伝わればそれはもう成功なのだとぼくは考えています。

わかりやすく極端な例を挙げるなら、あなたが季節の移り変わりを表現したいと考え、ヴィヴァルディの「四季」の曲に合わせてカードをカラーチェンジしていく、という演技をしたとしましょう。

有名な曲ではありますが、この曲が「四季」というタイトルであると知らなければ、見た人はコレが季節の移り変わりを表現している!とはなかなか気づかないでしょう。

これを万人に伝えたければ、はじめる前に「今から季節の移り変わりをカードを使って表現します」、と言ってしまえばカラーチェンジの色がそれぞれの季節に対応しているとわかってもらえるかもしれません。

しかし直接的すぎる表現に魅力があるのでしょうか?
わかる人にだけわかるあなたと私の秘密の世界の共有、そんな物にこそ人は惹かれるんじゃ無いかと思うんです。

あとはその間口をどこまで広げたいのか?わかる人が見た時にそのクオリティは充分なのか?という事です。

子供に魔法の世界を見せたい!と思うのであれば最悪大人の身長からは種が全見えだったとしても問題はないわけです。

取捨選択をし、世界観に反する事をしていなければ創りたいものが創れるでしょう。

極端な例を書きましたが、その世界観を構成するそれぞれのパーツのクオリティを上げれば、伝わらない人でも「なんかすごくいいものを見た」くらいの評価はもらえます。

先の例で言えば、いい曲を使って上手なカラチェンやってれば、そこそこな評価は貰えます。

カラチェンが下手なら知らん、練習しろ。

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とまぁ、ざっくりと書きましたが、これら以外にも『マジックを見せる目的』というのはありますし、複数の目的が入ったマジックも割と存在します。

こんな分類があるよ〜くらいの話ですが、それぞれにおけるルールや特徴をちゃんと書けば[くたばれエセメンタリスト]、の記事のように①も③も書けるテーマなので気が向いたらいつか記事にします。(これ言っててちゃんと記事書いた事ないけど。)

そもそも今回のこれは『マジックを見せる目的』というワードは適切な表現では無いのですが、残念ながら物書きでも無いぼくの文章力ではこれ以上のワードを見つけることができませんでした。(他にいい表現があれば教えてください。)

また、あくまで今回はマジック単体における目的ですが、パフォーマンス全体を通しての目的や、細部の細かいセリフひとつで狙う目的、なんてマクロやミクロな視点での目的も沢山あるので、とにかく考え実践し続けてください。

一つ一つの小さな差が、いつか誰とも違うオリジナリティの確立へと繋がるでしょう。

誰かと同じなんてつまらないでしょう?


PS.最初に描こうと思ってたことと全然違う内容になっちゃった⭐︎


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