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独断と偏見で書く国産TCG選びのススメ

どうも、初めての方は初めまして、ロクサスと申します。

突然ですが皆さん、今話題のポケモンカードゲームはご存知でしょうか?
先日海外では販売店舗で暴動が起き販売中止、日本でも最新パック発売日の数日前から既に最新パックが高額転売で溢れかえり、複数アカウントによる工作でのネット上買い占めが発生し、洒落にならない問題となっています。良くも悪くも話題になっており、ブランドのおかげもあってここ何年かで始めたという人も多いのではないでしょうか。

ハマった人の中には「ポケカを機に他のカードゲームを初めてみたいがよく知らない」といった人や、逆に「話題のポケカを始めたいが他TCGと比べてバランス、財布事情はどうなの?」といったカードゲームにハマったが昨今のTCG事情がよくわからないといった方もいるかと思います。

そこで、この記事では独断と偏見、浅い知識ではありますが、昨今の人気国産TCGを紹介、始めやすさ等を下記の3点から5段階評価で簡単に評価させていただきたいと思います。


入りやすさ
タイトルの知名度や受け入れやすさ等のハードル。パッと見た時初めて見たいと思えるかどうか。

ゲーム性
ゲームとしての難易度や発展性、いわゆる「運ゲー」や「じゃんけんゲー」等に偏りすぎてバランスが悪くなっていないか。

値段
パックやデッキの値段、及びある程度の強さのデッキを作った際、シングルカードの価格が他TCGに比べどこまで高いか、入手性は悪くないか。



ポケモンカードゲーム

今や言わずと知れた国民的ゲームであるポケットモンスターを題材としたTCG、販売は株式会社ポケモンだが開発はクリーチャーズという会社。
実は国内TCGで最も長い歴史を持つ老舗タイトル(1996年10月発売)

入りやすさ:5
ポケモンというと子供っぽいイメージもあるが、やはり世界中で有名なゲームという前提条件が強く、老若男女問わず知られている点が他TCGと比べて圧倒的に強い。
例の500円デッキやファミリーポケカといった家族向け商品が成立するのはポケカならではの強みと言えるだろう。

ゲーム性:3
ルール上の制約が多い点からジャッジ案件が少なく、最低限度のバランスは保証されている。
しかし昨今の露骨なカードスペック差、構築済みデッキへの露骨な収録枚数渋り、開発スタッフ自ら「あのカードが環境で活躍すると思わなかった」といった発言が発売して間もないレアカードに対して出る等、開発の姿勢に対する指摘は多い。

値段:3
所謂ガチデッキの類は他TCGと比べ、現在は安めのデッキが多いが、汎用・必須カードが多い点や現在ポケカ自体が品薄である点から安さ、集めやすさは他TCGにやや劣る。


遊戯王OCG

週刊少年ジャンプで連載された漫画「遊☆戯☆王」及び、それを原作とした各種アニメ作品における作中ゲームを題材としたKONAMIのカードゲーム。
ギネス記録を持つほどの超人気タイトルだが、公式がラッシュデュエルに遊戯王の看板を譲ろうとしている為先行きが不透明。

入りやすさ:4
漫画やアニメで見知った人が多く、イラスト自体も長い年月をかけて多種多様なカードが生まれている点は文句なし。
しかし新作アニメが無く、もはやかなり古い漫画の類と考えると低年齢層には厳しいため減点。

ゲーム性:1
「公式ですら細かいルールが分からない」と言われるほどルールが複雑だったり、「じゃんけん負けはプレミ」「誘発握ってない奴が悪い」と言われるほど拮抗した勝負が難しく、他人にかなり勧めにくい。
スタン落ちが無い、「青眼の白龍」「E・HERO」のような有名カード、カテゴリは後に強化される、妨害やリソースの読みあいが多い、といった他の主な国産TCGには無い面白さがあるものの、総じて「他人に勧めるのは難しい」といった評価になってしまう。

値段:2
最近は構築済みデッキで一線級の強さを持っていたり、汎用カードよりカテゴリのカードを重視する事もあるが、やはり汎用カードの必要性が高いデッキが多い、エクストラデッキが高い、あるいはなくても組めるが一部のデッキに限る等といった問題点が大きく、決して安いTCGとは言えないだろう。


デュエル・マスターズ

元祖TCGであるマジック:ザ・ギャザリングからの派生商品であり、子供用玩具で有名なタカラトミー産TCG。
月刊コロコロコミックを中心に漫画、アニメ、アプリ、Youtube活動といった「日本の子供」を意識したメディア展開が大きな特徴。

入りやすさ:4
上記の多岐にわたるメディア展開を中心に、子供が手に取りやすい設計を重視している為、とにかく入り口が圧倒的に多い。
しかし筆者の周りでは子供っぽさが目立つ、惹かれるものが無いと敬遠されている為、子供向けではあっても万人向けとは言い難いのだろう。

ゲーム性:4
大会が活発に行われている点や公式が1年ごとに新ギミックを出している点は評価出来る。
ルール自体も大半はカードに記載されており、子供でも分かりやすく作られている。
しかしぶっ壊れカードの一強環境になる事も少なくなく、早いゲームテンポもやや好みが分かれる所。

値段:4
構築済みデッキの完成度が高いと言われてたり、安めのカードばかりでも「そこそこ戦えるデッキ」を追求するだけなら上記2つより安く組める事が多い。
しかし環境上位デッキとなると高いデッキも多く、一部のカードについては公式サイドに近い有名プレイヤーすら苦言を呈すほど。
とはいえ上記2つに比べると遊べるレベルでの快適さに影響は少ない為評価は高め。


バトルスピリッツ

実体カウンターの「コア」をルール上用いる、カードダス20周年記念作品という事もありカードダスでの販売が未だ活発である、柄付きスリーブ使用を前提とした両面カードの存在といった目立つ特徴を持ったバンダイ産TCG。
未だに根強いファンも多く、覇権とまでは行かずとも純粋な人気で長続きしているタイトル。
「ライフで受ける!」という単語を一時期TCG界隈に浸透させた原因。

入りやすさ:4
絵柄の幅広さ、コラボタイトルに対しての慎重な扱いといった評価はかなり高いものの、やはりここ暫くアニメ等での宣伝が控えめだった事も相まってマイナーっぽさが抜けないのが厳しいか。

ゲーム性:4
フラッシュタイミングがやや複雑であったり、覚える用語やルールがやや多いものの、公式で30分の対戦動画を出している程度には力が入っている。
色々問題はあるものの、新ギミックの追加等も渋っておらず好印象。
ただゲームバランスについては押し付け合い、ぶっ飛んだバランスな側面も強い為、手放しには褒められないが好印象。

値段:4
構築済みデッキの完成度が非常に高く、1箱でも最低限以上にデッキとしての動きは可能、2箱買えばかなり戦えるデッキになる点は高評価。
安めのデッキの幅も広く、それなりに戦えるレベルであれば安い。
ただし封入率が絞られている高額カードも多くあるため自由とはいかない。


ヴァイスシュヴァルツ

所謂「サブカル系」や「オタク作品」と呼ばれるような深夜アニメ、一部ゲームを原作としたブシロード産TCG。
他TCGに比べると世界観の構築や直接的なメディアミックスが殆ど無く、「あの作品がTCGに!」といった間接的な売り方が中心。

入りやすさ:2
前述の通り作品の偏りは激しく、大衆的な目線で見た場合の入りやすさはかなり厳しい。
さらにカードのイラストもアニメやゲーム作中のイラスト、及び広報用のイラストから流用されたものが大半を占めているため、そこでも好みが分かれる。
とはいえその手の文化を嗜んでいる人からしたら引っかかるタイトルも多い為、一般向けでないだけで言うほど悪印象とも限らないだろう。

ゲーム性:2
ゲームの性質が運に偏っている点は好みが分かれるところだろう。
勿論プレイやカードを詰めればある程度変動させられるのだが、それでも最終的な勝敗が運に委ねられがちな点は嫌われる事も多い。
そしてゲームとしての発展性が良くも悪くもほぼ望めない点も見逃せない。
一般的なTCGは新しい能力、新しいカードの種類、新しいルール等を増やし、盛り上げるのが一般的だが、このゲームの場合「Aの能力に特化したタイトルA」「Bの能力に特化したタイトルB」「AとBの能力を半々に取れるタイトルC」のようなカードのマイナーチェンジが非常に多い。
インフレが緩やかという点で肯定的に捉える事も出来るのだが、基本的に1度出たタイトルの強化はアニメ2期、ゲーム続編が出ない限りほぼありえない為、タイトルの強さが頭打ちになりやすい点も発展性の面から見てマイナスだろう。

値段:4
実は値段だけ見た場合安いタイトルも多く、上記の通り1回限りのタイトルが多い点や露骨な封入操作が行われていない為、気に入ったタイトルでデッキを組む程度なら他TCGのガチデッキに比べ以外と安い。
とはいえ原作が超人気タイトルなら値段は上がりやすいし2期や続編で強化が入ると昔のカードが入手困難になったりすることもあるのだが・・・


カードファイト!! ヴァンガード

「ブシロード史上最大の作戦」と銘打って開発されたオリジナル中心TCG。
10年以上続いているものの、過去2度の事実上リセットを行っており、現在は実質新規TCGのような状態。

入りやすさ:3
前述のリセットと絵柄自体の幅広さ、Youtuberを通しての宣伝活動、構築済みデッキを333円で発売といった、新規プレイヤーを獲得したいという意思を感じる。
しかし土曜朝放送のアニメ新作1話、2話でルールの説明をまともに行わない、2弾発売前にコラボ商品発売、その他大量コラボ予定等、本当に持ち直してくれるのか不安の目立つところ。

ゲーム性:1
紹介するTCGの中でも恐らく圧倒的に運ゲーの要素が強い作品。
そういった手軽さ、派手さを売りにしている側面も強いものの、このゲームの場合回避する手段が基本的に無く、雑に運だけで勝敗が決してしまう事も少なくないのが問題。
現状は1弾と構築済みデッキのカードがある程度バランス良く纏まっているものの、これまでの事を振り返るとかなり不安が残る為1とした。

値段:5
恐らくブッチギリで安い。
ヴァンガードへの期待値もあるが、やはり333円のデッキがそこそこまともで、それに継ぎ足したら現環境デッキになるというお手軽さは頭一つ抜けている。
願わくばペルソナライドが封入率渋りの玩具にならない事を祈る。


WIXOSS -ウィクロス-

良くも悪くも露骨なまでの美少女特化TCG、とてもデュエマと同じタカラトミー産とは思えないほど各方面美少女カードの山。
旧アニメはTCG部分を公式サイトに全編説明放棄、美少女同士のドロドロバトルロワイアル特化というあまりに割り切った構成で人気が爆発。
現在はディーヴァコレクションという新スタンで再始動。

入りやすさ:3
前述の通り良くも悪くも割り切っており、受け入れられるか否かだろう。
またVtuberとコラボしている為、ファンには人気なのかもしれない。

ゲーム性:4
本当に少し齧っただけなので間違ってたら申し訳ないのですが、「由緒正しきクソゲーの押し付け合い」という印象が強い。
クソ攻めクソ除去クソ打点を押し付け合い、引きとプレイで上手く押し付けたもん勝ちとそれはそれでバランスが取れている印象。
しかしゲームの性質とスタン落ちの相性が腑に落ちない為、いまいち評価しきれない。

値段:3
ポケカを真似した555円デッキシリーズは好評で、その他にも構築済みデッキを定期的に出している為、きっかけ部分は良好。
新スタンでは現状ルリグデッキの値段も控えめ。
しかし前述の強カードの押し付けという性質上レアカードを強いられ易く、構築済み以外を使おうとすると値段が高くなりがち。


遊戯王ラッシュデュエル

遊戯王の名を冠した新作TCG。
ルールやカードの複雑化とアニメ人気の低迷下を機に、低年齢層への売り込みを行うため作られた新商品。

入りやすさ:3
遊戯王の名前の有名さや、アニメによる低年齢層への売り込みは完璧。
しかし中途半端に遊戯王OCGを続けている為、ユーザーにもやや伝わりにくく、遊戯王と言う名前で新しい商品を売りたいだけに見えてしまう。
対象年齢も低年齢層の為、現在遊戯王をプレイしているような層が食いつくかと言われるとそこも怪しい。
構築済みデッキが最初の2種類しか無いのもゼロから集めるのを強いられやすい点が厳しいか。

ゲーム性:5
遊戯王とは似ても似つかないが「派手な大型モンスターのぶつけ合い」「魔法罠による奇襲、サポート」という遥か昔の遊戯王へのイメージという意味であれば回帰しているといった感想。
バランスに関しても未だ最初期のカードが十分に幅を利かせており、現段階では将来性にも期待出来る。

値段:4
そこまで高いカードは多くないものの、手札の回転が重視されるゲームの特性上レアカードであっても3枚投入がほぼ必須である点、構築済みデッキ収録の主力が相変わらず1枚しか入ってなかったり、必須枠ではないが青眼の値段がとんでもなかったりといった点がいまいち安いと言い切れない。


デジモンカードゲーム

かつてポケモンと人気を二分するレベルで大人気だったデジモンのTCG。
アニメ「デジモンアドベンチャー」のリメイクに伴いこちらもかつてのカードではなく現代のTCGとしてリメイクされた。
ポケカと違いこちらはカード、アニメ、ゲーム全てバンダイ産。

入りやすさ:4
原作のアニメ放送、ティーチングアプリ、コンビニでの500円デッキ販売といったマーケティング面は良好。
しかしポケモンやポケカの二番煎じ感が強すぎるのをどう受け止めるか。

ゲーム性:3
互いのコストを共有するというシステムは面白くも感じるのだが、個人的には少しテンポが悪いようにも感じる。
開始1年程度で既に制限カードが存在している点も、先行きの不安さやゲームの窮屈さを少し感じさせる。

値段:4
500円デッキや格安デッキの類もそこそこ充実、最近発売した構築済みデッキは2つで環境レベルともそこそこ渡り合えるほど強い。
ただどうしてもトップレアのカードがデッキの主力になりやすい性質上完全に安いとも言い切れないか。


Z/X -Zillions of enemy X-

ブロッコリー開発のオリジナルTCG。
発売初期は「無料で始められる」を謳い文句にフリーカード冊子、及び公式サイトでのカードPDF配布をおそらく最初に始めた意欲作。
公認イベントでも使用可としているあたりかなり珍しく、フリーカードの配布自体は公式サイトを見る限り、未だに行われている。
他にもカードの領域が相手と共用、独自の世界観だけでなく現実の地方を世界観に当てはめているといった独特さも魅力。

入りやすさ:1
知名度自体もだが、構築済みデッキの類が1年通して発売されないのもザラ、発売されても値段が2000~3000円以上と、低価格や手軽さが望まれる現代のTCG市場では気軽に出しにくい金額。
フリーカードに関しても現在は先行配布といった意味合いが強く、気軽に入るには厳しいと言わざるを得ない。

ゲーム性:3
個人的な感覚もあるが1試合が長くなりがち、ルールも複雑といった部分が難しい。
しかし長引きやすいという事は勝負が拮抗しやすいという良さもあるのでそこに関しては評価したいところ。

値段:2
構築済みデッキが1箱でも新規が4枚入ったある程度実用的なデッキである点や、未だにフリーカード配布が行われている点は好印象。
しかし前述の通り構築済みデッキ自体の発売頻度が低い、当然一からある程度しっかりしたデッキを組む場合、調べた限りでは通販価格でも1万前後は必須である点が足を引っ張ってしまっている。



最後に

いかがでしたでしょうか。
浅い経験による批評の為、現役プレイヤーからすると評価かおかしいと思われるかもしれませんが、もし他TCGを知る・触れるきっかけになれたのなら幸いです。
記事に対する感想や指摘、また「このTCGが挙げられてない!」といった部分等ありましたら、Twitter(@358roxas)までよろしくお願い致します。

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