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ロシアのイラストレーターのアンドレイ・ポクロブスキイさん

アンドレイ・ポクロブスキイさん(Andrei Pokrovskii)はモスクワ出身のイラストレーター、アーティストです。 イヴァン・フョードロフ記念モスクワ国立印刷芸術大学卒業後、British Higher School of Art and Designを卒業しました。誌面イラスト、本のイラストなどをやっています。
アンドレイ・ポクロブスキイさんの作品は従来の絵の具の新鮮な使い方の良い見本です。例えば、油絵を考えると、まず欧米の伝統的で分厚い大作を想像しますが、このアーティストは自作の炭酸紙を作るために油を使います。油で紙面を覆って、下にも一枚の用紙を当てて、自作の炭酸紙の裏側で描きます。圧を受けて、油が紙に印刷されます。その結果、普通の油絵には全然みえなくて、新鮮さが感じられる絵が生まれてきます:

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テンペラとパステルを混ぜたり、ステンシルでインクを使ったりと、表現の選び方がとても柔軟です。

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それに、絵の特別な「意味」の大切さを重視する私には アンドレイ・ポクロブスキイさんの作品は「形が自立できる」、「意味なしでいい」という考え方も大切だということが心に残っています。例えば、「レストラン」とか、「犬」とか、「鰐」とか、何気なく選んだ言葉をもとにした絵のシリーズがあります。その絵は文学的な意味はなくても、迫力のある形だけで説得力があります。

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アンドレイ・ ポクロブスキイさんの作品にはいろいろのアーティストの影響が感じられます。直接な影響というと、ポクロブスキイさん自身は同じく油絵を使っているショーン・マイクル・サリワン(Sean Michael Sullivan)を挙げています。日本のアーティストのなかでは、 波田佳子さん、矢部裕輔 さんの作品が特に好きだと述べています。

それから、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの「魔法使いハウルと火の悪魔」をもとにしたシリーズを紹介したいと思います。

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ロシアでは主にスタジオジブリのアニメで知られている作品ですから、私はポクロブスキイさんが映画化された有名な本をどうやって扱ったのだろうかということに関心がありました。だから、アニメを観たことはないという答えを聞いて驚きました。ただテキストを読んで、本の世界のディテール、個人的な感覚、想像をもとにして絵を描いたという返事でした。「本の雰囲気を言葉で伝えるのは難しいですが、『魔法使いハウルと火の悪魔』のことを考えて連想する言葉というと:沼の蒸気、古びた木材、そしてちょっとした暴力と危険の味だと思います」。

アーティストのホームページとインスタ:

https://andreipokrovskii.com/  
https://www.instagram.com/dronopofos/



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