建築工程で見るローバル塗装のポイント
強力なさび止め効果を持つローバルですが、塗装時のポイントは?
工場の建築過程を通して、施工の手順を追ってみましょう!
今回ご紹介するのは、ローバル(株)交野工場(2006年3月竣工)です。写真は建築当時の2005年から2006年にかけてのものになります。
ローバル塗装には以下の3つのポイントがあります。
それでは、ローバル塗装のポイントをご紹介していきます。
1.素地の調整
通常、鉄骨にはさび止め塗装がされています。ローバルの犠牲防食作用を働かせるには、ローバルを鉄材に直接塗装する必要があり、さび止め塗膜を除去する必要があります。
鋼材上の塗膜、さび、油などを落とすために、今回はブラスト処理を行います。ブラスト処理とは、砂のような研削材を鉄材に高圧で噴きつける処理のことです。
研削材を噴きつける作業はこんな感じです。
ブラスト処理が終わった鋼材はきれいな鉄面が出ています。
小さな部材にもブラスト処理をしていきます。油にまみれて、黒さびに覆われたボルトナットもブラスト処理できれいな鉄面が出てきます。
ブラスト処理した鋼材は新しく出た鋼材面は活性なため、非常にさびやすいです。すぐにローバル塗装工程に入ってください。
2.十分な撹拌
清浄な鉄面が出た鋼材にローバルを塗ります。
ローバルに含まれる亜鉛は、密度が7.1g/cm3もあり、沈殿しやすいので、よく撹拌してから使ってください。
撹拌が十分されていないと、塗膜成分割合が変わってしまい、十分な性能が出ないことが起こます。必ず動力撹拌を行ってください。
ローバルは希釈済みのため、希釈は行わないでください。希釈をすると、膜厚の確保が困難になります。膜厚が薄くなってしまうと、さび止め効果が弱くなります。
3.膜厚の確保
清浄な鉄面を出したら、なるべく早くローバルの塗装に行ってください。
余談ですが、赤い部分は他の鉄骨とボルトで固定する部分で、摩擦接合面と言います。施工した2005年ではローバルを塗ってはいけなかったのですが、現在、摩擦接合面にローバルを塗装し、滑り係数 0.45を上回ることをを確認しています。ご興味の方は、下の資料をご確認ください。
ローバルは乾燥が早いので、30分もすれば乾燥し、2回目の塗装に入れます。2回塗りして、膜厚を80μm以上付けてください。
完全乾燥までは24時間です。
膜厚測定
付着した亜鉛量によって、さび止め効果が決まります。膜厚を測定して、しっかり乾燥膜厚が80μm以上付いていることを確認します。
「膜厚が厚い。」 → 「付着した亜鉛の量が多い。 」→ 「さび止め効果が高い。」という流れです。
鉄骨組立
ローバル塗装された鉄骨で組み立てます。
ローバルは溶融亜鉛めっきと同等のさび止め効果がありますが、溶融亜鉛めっきのような硬度はありません。亜鉛めっきに比べれば、傷が入りやすいので、組立時に発生した傷はローバルで補修しましょう。
ローバル 交野工場
ローバル 交野工場はローバル塗装がされています。
(記事担当:MTMTH)
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完成したローバル交野工場のご紹介です。
かび止め性能もあったりするローバルアルファのご紹介。
地面付近のさび止めにもローバルがお勧めです。
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