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犠牲防食で鉄がさびるのを防ぐ。

質問:「“塗る亜鉛”ローバルのさび止めと一般的な塗料のさび止めは何が違うのですか?」

よく頂戴する上の質問にお答えいたします。
回答:「ローバルは亜鉛の犠牲防食作用によってさびを防ぎます。一般塗膜は環境遮断によってさびを防ぎます。ローバルはさび止め効果も高く、メンテナンスも簡便でお勧めです。」

鉄がさびるのをなぜ防ぐ必要があるの?

鉄はそのままだとさびが発生してしまいます。さびの見た目がよくないという話もありますが、鉄はさびてしまうと、脆くなってしまいます。脆くなる、強度が弱くなると、鉄でできたものが壊れてしまう恐れがあるのです。だから、鉄がさびること、鉄が酸化することを防ぐ必要があります。

酸化って?

鉄がさびるというのは、鉄が酸化するということです。
酸化とは『物質が電子を失うこと』と定義されています。鉄の酸化は、水や酸素などの腐食因子が鉄を攻撃して、電子を奪っていくことで起きます。
これが鉄がさびるということです。

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もし腐食因子のない環境があったら、鉄はさびていきません。

一般的な塗料は環境遮断でさびを防ぐ

油を塗ったり、塗料を塗ったりしてさびを防ぐ方法が多いと思います。これは鉄に腐食因子を近づけないためです。一般的なさび止め塗料はこの環境遮断によって、さびを防いでいます。

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環境遮断による防食は、塗膜に塗り漏らしや傷というすき間があると、そこから腐食因子が入り、容易にさびが発生してしまいます。きれいに塗れたと思っても、取り付け時に塗膜に傷を入れてしまったりすることはよくあり、塗膜に欠陥や傷が全くないことを実現するのは難しいです。また、一見きれいな塗膜でも、分子レベルの腐食因子は塗膜を通り抜けてさびが発生してしまうこともあります。経年劣化で塗膜に隙間ができたときも、さびが発生します。

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塗る亜鉛は犠牲防食でさびを防ぐ

“塗る亜鉛”ローバルには多くの亜鉛という金属が含まれています。ローバルは、亜鉛が鉄の代わりに腐食因子に電子を渡すという形で、鉄がさびないようにします。亜鉛は自分の電子を差し出して酸化してしまうので、犠牲防食と呼びます。

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一般塗膜は傷があったりするとさびが発生すると言いましたが、犠牲防食の働くローバル塗膜は傷があっても、さびは発生しにくいです。腐食因子が鉄を攻撃しても、亜鉛が代わりに電子を出してくれるからです。

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犠牲防食は強力で、15年経ってもさびが発生していない事例もあります。

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“塗る亜鉛”ローバルの優れたメンテナンス性

環境遮断の一般塗膜も塗る亜鉛も経年でさび止め効果がなくなる恐れがあるので、一定期間で塗りなおしというメンテナンスが必要です。

一般塗膜は古くなった塗膜をきれいに落としから新しい塗料を塗る必要があります。旧塗膜をはがす作業は非常に困難な作業です。グラインダーなどの電動工具で削らないと取れないことが多いです。

一方の塗る亜鉛は、亜鉛を補充してあげれば良いです。具体的には、ワイヤーブラシなどでローバル塗膜上の汚れや白さびを軽く落として、ローバルを重ねて塗るだけでメンテナンスは完了です。旧塗膜をはがす必要はありません。

上の例では15年間もさびが発生していません。メンテナンスの頻度も少ないです。

犠牲になってくれる亜鉛は多い方が、さび止め効果はより長く続きます。

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“塗る亜鉛”ローバルと一般的な塗料のさび止めとの違いを説明いたしました。強力なさび止め効果を持ち、メンテナンスが簡易な“塗る亜鉛”ローバルをお勧めしています。

挿絵はイメージです。

(記事担当:MTMTH )


犠牲防食の実験記事です。

亜鉛は色変化します。

ローバルを使っていただいているユーザー様を取材した記事です。

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