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地球とコーヒー産業の未来について考える

こんにちは、ROUTEMAP COFFEE ROASTERSです。

本日4月22日(投稿時点)はアースデイ🌍

アースデイが提起されたのは、今からおよそ50年ほど前で、環境のことを思いやり、地球で暮らしていけることに感謝する日だそうです。

コーヒーの歴史はそれよりも前から始まっていますが、『地球の環境について考えること』はコーヒーの生産において最も重要なテーマであります。

ふと、コーヒーと地球についていろいろなデータをみていると、海外のコーヒーWEBメディア『DAILY COFFEE NEWS』が未来のコーヒー産業の危機について書いた記事がありました。

現在コーヒー業界では、地球環境を取り巻く様々な問題について多くの議論が交わされています。

今回の記事ではコーヒー産業が今直面している危機や、その解決に向けて行われていることについて、まとめていきたいと思います。

1)気候変動によるコーヒーの“2050年問題”

コーヒーを栽培するのに適した環境は、いわゆる「コーヒーベルト」と言われる地球上の赤道付近=北回帰線と南回帰線の間一帯の地域を指します。

コーヒーはこの地域帯に位置する各生産国で、理想的な栽培環境(標高や降雨量、寒暖差、適度な湿度、適度な日照量など)の条件のもと、育っていきます。

標高が高いほど高品質なコーヒーが育ちますが、管理も大変になります。

コーヒーの木は気候にとても敏感なので、これらの適した栽培環境の条件が揃わなければすぐに衰退して実が育たなくなってしまいます。それほど環境の変化には非常に大きな影響を受ける作物なのです。

しかし近年、地球温暖化による影響は、コーヒーの生産に大きく及んでいます。

栽培地域の平均気温上昇により、降雨期と乾雨期がそれぞれ長期化、さらにはコーヒーの木の病気感染、ハリケーンなどの災害によって、コーヒーの栽培に適した環境がどんどん失われていき、このままでは「25年以内の内に栽培に適した地域は現在の約50%は消滅するだろう」という研究結果が発表されました。

コーヒー業界ではこの気候変動による影響を『2050年問題』のひとつとして取り上げ、早急な解決に向け、様々な取り組みが行われています。

2)『葉さび病』の問題

生産地域の気温上昇による、最も被害の大きい影響は、コーヒーの木の葉っぱに感染する『葉さび病/Coffee Leaf Rust』による問題です。

この病気は、コーヒーの木の葉っぱに菌が感染することで光合成による栄養生成を阻害し、コーヒーチェリーの成長を妨げます。

とりわけコーヒーの木への感染力が強く、この病気を放置しておくと瞬く間に他の木々へと感染が広がっていき、コーヒーの生産において甚大な被害を及ぼします。

この葉さび病は、気温の上昇に伴い2012〜2013年にかけて中南米で大流行し、ホンジュラス、コスタリカ、グアテマラでは非常事態宣言が発令されたほどでした。その被害により、各国のコーヒーの生産総面積の半分が壊滅してしまい、推定10億ドルもの作物損失、さらに少なくとも35万人が職を失いました。

3)品種改良の難点

中南米での葉さび病大流行の出来事は、葉さび病に抵抗性を持つコーヒーの品種開発を促す大きなきっかけとなりました。

現在確認されているコーヒーの品種は124種あり、世界中で生産・消費されている品種は全体の99%のうち、「アラビカ種」と「ロブスタ種」の2種類あります。

「ロブスタ種」は病害虫や熱に耐性を持ち、栽培も容易で生産量が多い品種ですが、味などの品質面で「アラビカ種」に劣ります。

一方「アラビカ種」は、栽培環境が整えられれば高品質での生産を可能にし、良い品質ほど高値での取引が行われるため、生産者への大きな利益還元を可能にする品種です。

しかし、ロブスタよりも栽培環境の条件がシビアであり、かつ病害虫への耐性が弱く、葉さび病による被害も大きく受けたのもこのアラビカ種を栽培していた農園でした。

このアラビカ種の風味特性と、ロブスタ種の病害虫への耐性を併せ持ったコーヒーの品種改良が、各国のコーヒー研究所で進められてきました。

しかし、コーヒーの品種改良には膨大な時間と費用がかかります。

長年の品種改良によって生み出されたF1ハイブリッド系統は、樹勢が強くさび病耐性も備わっていますが、品種の形質が安定せず、安定した品種を育てるにはおよそ15年以上はかかると言われています。

また、ホンジュラスで生産されているレンピラ種は、初めは葉さび病に耐性のある品種として流通されましたが、近年の研究報告によると“葉さび病に対する耐性はほとんど無い”ということが判明したそうです。

ロブスタ種の方でも品種改良や精製技術の向上が取り組まれていますが、ロブスタを生産する地域ではまだ発展途上の小規模農園が多く、良い品質のロブスタ種をアラビカ同様に流通させるには、可能性はありつつもまだまだ未知数な領域。

それでもさまざまな品種改良の開発結果から、この取り組みには大きな期待がありつつも、残念ながら葉さび病は気温がどんどん上昇するにつれ感染力も上がり、加えて突然変異も起こりやすいため、現在確認されている40種類からさらに多くの種類が発見されると予測されています。

そのため、病気への影響はコーヒーの品種改良が進む間にも、温暖化に歯止めが効かない限りその脅威は及び続けるのです。

つまり、コーヒーの品種改良は長期的な解決策のひとつでもありますが、2050年問題に向けた早急の対策として考えるならば、他の手段を実行していかなければならなりません。

4)栽培環境の改善

コーヒーの生産地域では、早急な対策として、コーヒーの栽培環境の改善(アグロフォレストリー・システム)の活動が現在行われ始めています。

コーヒーはもともとエチオピアの森で自生し、多様な生物環境の中で生き抜くため進化してきました。

しかしやがてコーヒーは産業化され、より効率的な生産を向上させるためにコーヒーの木以外の植物の排除、除草剤や化学肥料の使用により多様な植物環境と肥沃な土壌を自ら崩してしまったのです。

そこで、コーヒーを生産する各地域で果物やナッツなどの他の植物を栽培環境内に取り込み、コーヒーの木の本来の自然な生育環境を意図的に設計することで、大きな気候変動の影響を抑え、土壌の改善や、複雑な生態系がもたらす生来の病害虫の制御を可能にすると言われています。

結局のところ、品種改良が施されたコーヒーの木を育てるにも、健康な土壌を元にチェリーは安定した品質で生産されます。

病害虫によってコーヒーの木に感染が集中しやすい環境でコーヒーを栽培するよりも、多様な生態系を整えることで、コーヒーの木は短期間での再生効果が見込まれます。

5)コーヒー産業と地球の環境

記事の一文から読み取ると、“このような活動には、コーヒー産業の未来を存続させるだけでなく、サスティナブルな土壌・植物環境を実現させることで、地球規模で起きている気候変動を緩和させる効果もある”というふうに述べられています。

これはつまり、「コーヒーが生産されている地域全体でこの取り組みが行われれば、地球の環境にも貢献できる可能性がある」ということを示します。

しかし、コーヒー業界内に限らず、地球規模での気候変動を緩和させるには、同じく地球規模で解決しなければならない問題を共有し、ひとりひとりが認知し、各々が今できることを少しずつ実践していかなければ意味がありません。

地球のために、人それぞれでできることは限られていますが、認知が広まれば「今何ができるのか」について考えるきっかけになると思います。

ROUTEMAPではコーヒーを通じて、「地球の環境を守るため・コーヒー産業の未来を守るためにできること」をこれからも発信していきたいと思います。

長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました🍀


《参考資料》

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