ROUTEMAP×Semilla ミーティングレポート
こんにちは、ROUTEMAP COFFEE ROASTERSです。
先日、カナダのコーヒーインポーターのSemilla 代表のBrendan、そして同じくSemillaメンバーのPatrickとミーティングを行い、現在のグアテマラ/マタケスクイントラ地域の状況についてお話しさせていただきました。
今回の記事ではその内容をまとめ、レポートとして共有いたします。
1)鉱山会社との協議進捗
こちらは以前記事に書いた内容と重なりますが、鉱山会社との協議自体は行われているものの、進捗は非常に漠然としていて、ほぼ平行線のまま続いています。
まず、国際法に基づいて協議プロセスが行われること。
グアテマラの政府機関と鉱山会社との間に癒着が起きている以上、コロンビアなどの他国の独立専門調査員がこの協議に参加し、エスコバル鉱山が文化的、宗教的、そして環境にどのような影響があるのかを調査し、公正に協議が行わなければなりません。
そのプロセスを慎重に進めるためには膨大な時間を費やす必要があります。
Semillaとともにビジネスを行うマタケスクイントラのコーヒー生産者も数名、Xinkaの代表団のメンバーとしてその協議に参加し、専門調査員たちに、「我々が先祖から受け継がれてきた土地を守り、伝統あるコーヒー生産に従事し、家族とともに生活していく」というXinka族の存在意義を継続してアピールしていかなければなりません。
2)コーヒー生産者への影響
長引く協議と、鉱山会社や政府工作員による妨害により、マタケスクイントラのコーヒー従事者たちにも悪い影響が及んでいます。
協議が進行中の間は鉱山での活動は停止する命令があるのにも関わらず、鉱山会社側からの不法に鉱山への侵入を繰り返しています。
この行動を監視するために、Xinka族のメンバーは24時間体制で監視をしなくてはなりません。当然地域のコーヒー生産者も監視しなくてはならなくなり、コーヒー農園のケアや保全活動が隅々まで行き届かず、コーヒーの生産量や品質にも影響が及んでしまっているとのことでした。
さらに、鉱山会社が「Xinka族が鉱山を監視している行為は非常に挑発的であり、協議プロセスにおいて公平性が損なわれる原因となる」と主張しています。これにより、Xinka族も彼らの不法行為に対して強く抵抗することができなくなる一方、工場の稼働が行われているままなので、生産地域への土壌環境の被害は少しずつ進んでいるそうです。
さらに、生産者とその家族、仲間への影響も懸念されています。
鉱山周辺の警備、監視をする必要があることから、メンバーは身内から離れなければなりません。しかし、その間にも鉱山会社側の工作員がXinka族の家族、仕事仲間を襲撃する危険があり、常に周辺の警戒を怠ってはならない状況が続いています。
協議の進捗が長引くほど疲弊するのはXinka族側であり、その土地で暮らしてきた人々の中でも、特に若者を中心にマタケスクイントラから離れ始めています。協議の結果が出るまでは、コーヒーの生産や生産者の生活にも少しずつ影響が及んでいくと話しているそうです。
3)災害などによる生産への影響
鉱山会社との抵抗とは別に、マタケスクイントラでは災害による生産への影響も大きな問題となっています。
2020年11月に中米全域を襲ったハリケーンや、気候変動による旱ばつ、天候不純によりコーヒーの生産量の低迷、品質にも影響が出ているとのことです。
具体的な影響としては、農園へ続く道のりがこの災害により破壊され、労働者や物流の移動経路が封鎖されてしまったことで、収穫や運搬が滞り、コーヒーチェリーが過熟成、腐敗してしまったり、また気候変動により「葉さび病」など病気も広まりやすくなり、コーヒー豆の生産・流通量が減少してしまうなどという事態が、グアテマラの各コーヒー農園で起きています。
マタケスクイントラ地域のコーヒー農園も例外ではなく、この災害による影響を受け、土壌改善や、古くなってしまったコーヒーの木の植え替え、気候変動に耐性がある品種の改良などがコーヒー業界内での協力を元に進められています。
話によると、コーヒーの木に関しては20年以上もチェリーを育てている木がマタケスクイントラ地域全体で非常に多く、植え替えのための新しい木の調達や、植樹作業に加え、鉱山会社による妨害も重なることから、3〜5年後のコーヒーの生産に影響が出るのではという不安が生産者からよく聞いていたそうです。
4)パートナーたちの協力
ここで私はBrendanに、「今現在彼らにはどのようなサポートが行われているのか」という質問をBrendanにしたところ、「非常に微力ではあるが、Semillaのビジネスパートナー(カナダ国内のロースターや各生産国のコーヒー農園)から、コーヒーの木の調達や植え替え作業、そして新しい品種の共有が行われている」と、彼は答えました。
私がカナダ時代にお世話になったBOWS COFFEE ROASTERSを始め、カナダ国内のコーヒーロースターがマタケスクイントラのコーヒーを購入・販売し利益を生み、キャッシュフローを循環させ生産者へ経済的に支援を行ったり、また、農園同士でもコーヒーの木をマタケスクイントラの各コーヒー農園にシェアすることで生産面を支援、さらに病害虫や気候変動に耐性の強いコーヒーの品種を改良・栽培をサポートするなど、Semillaのコミュニティ内でマタケスクイントラ地域のコーヒー生産者を支える取り組みが現在行われているそうです。
しかし、少なからず改善は見込まれるものの、依然生産者たちが抱く現状況への不安はほとんど変わらない様子から、彼らは新たなサポートを必要とするため、これからもあらゆるコーヒーコミュニティへ情報を共有し、インポーターとしてできることを精力的に行っていくと話してくれました。
5)我々にできること
これらの話を聞いたうえで、私はBrendanに日本のコーヒーマーケットの状況、消費量、関心などを共有した上、日本からでもコーヒー屋として行える活動について相談しました。
日本の市場規模、流通量を考えると、経済的に支援するにはやはり微力なままではないかと考えたりします。
ましてやマイクロロースターが生豆を購入しても、一度に確保できる量は一般の市場と比べるとごくわずか。
しかし、それを踏まえても、商品を流通させることで消費者に伝えられることがあるだろうと我々は強く思います。
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今後の話として、ROUTEMAPではSemillaと協力し、マタケスクイントラのコーヒーを日本にも流通させるためにこれからいろいろ活動していこうと考えています。
そのためには、まず我々がコーヒーの素晴らしさ、楽しさを伝えること。そして日常に浸透させ、コーヒーをよりたくさんの人に飲んでもらうということを大切に思いながら、日々コーヒーをみなさまへお届けして参ります。
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