メタ認知の暴走談(メタモン)PART1

最近、「ゆる言語学ラジオ」というYouTubeやポッドキャストで活動している2人組を追っている。
思慮深いチャンネルでとてもおもしろい。
そこでできた造語?がメタ認知の暴走、またはメタモンだ。

「メタ認知が暴走する」とはどういうことか。
相手の気持ちを推し量ろうたくさん考えた結果、最適解が見当たらず脳がショートすることだ(と解釈している)。

まさに上の文のように、(と解釈している)など、余計な配慮や保険をかけたりすることがメタ認知の一端だと思う。

"間違えてたらどうしよう" "指摘されたら怖いから先に言っとくか"という思考回路だ。

よくある場面だと「これ言ったら相手はどう思うかな?言おうかな、いややめとこうか、、」みたいな思考を延々と繰り返す様だ。
目の前の人は、NOW LOADING状態の俺を見続け、ロードできたかと思えば、
「あ、えっと、、」と通信制限の根を上げる。

小籔さんなら
「なんもないんかいっ!!」
と厳しくツッコまれそうだ。

例はこの辺にしておいて。。



先日のバイト(飲食)での話。

その日、日本人と外国人が10人ぐらいでお店に入ってきた。
俺はキッチンだけれど、カウンターキッチンになっていてお客さんはよく見える。
おそらく海外の取引先の人が
"日本のお店で会食をしたい"と言ってセッティングされた。
そんなシチュエーションだろう。
やけに幹事の日本人が気を遣っているように見えたからそう思った。(アブダクション)

はっきりお客さんの会話が聞こえるわけではないが、お酒によって声量の大きい会話が聞こえてきた。


「ハウ オールド ダス ヒー ルック」

"お???????"

はっきりとカタカナが聞こえたぜ?
英検準2級を2度落ちた俺がはっきりと理解できたんだから間違いない。
お互いの年齢の話をしているようだ。

皮肉なことに、こんなにはっきりと英語が聞き取れたのは24歳にして初めてである。

英語とカタカナが交互に聞こえてくるので否が応でも耳を傾けてしまった。
明らかにカタコトで発話している光景を見て共感性羞恥にもなった。

嘲笑している自分がいる。

この光景を見て高校時代の英語を思い出した。
俺は英語の発音が本当に苦手だった。
単に難しいという話ではない。

発音がいいやつってイジられる。
高校の普通科だと英語の発音がいいやつって稀有でさ。
表立っては言わないけど、
「なんかあいつ発音いいよな(笑)」みたいなことを裏でよく聞いたし、俺もウケると思って言ってたと思う。
本当にしょうもない。
みんながそうではないけど、少なくとも俺の周りにはそういうやつがいた。
俺もそうだった。
お互いを監視して、粗探しして、貶めるような集団にいたことは、今となっては恥ずかしい。

こういうことをやってると、正しい発音はかっこいいと思いつつ、一度でもそれを試みようもんなら、鬼の首を取ったように指摘されそうで怖かった。
一方でカタコトの日本人はダサいという価値観もあった。

まとめるとこうなる。

"正しい発音はかっこいいけど学校でイジられる"

"カタコトに喋って、ネイティブからダサいと思われる"

このジレンマの中で、本当に苦痛だった。
メタ認知というにはあまりに程度が低いが、客観と自意識によって、俺はエラーを起こした。

こうして英語を発話すること自体が億劫になった。

話はバイト先に戻る。

目の前の日本人はどうだろうか。
見ている限りは楽しそうにコミュニケーションを取っている。

俺は、ダサい発音をするぐらいなら話さない方がマシだ。
そんなことさえ思っている。

そして俺は、彼らを嘲笑している。
できもしない人間が陰でこそこそ笑っている。

ダサいのに堂々としゃべっている神経を疑うことが俺の思うことか?
格好悪かろうが堂々としているその心意気に、拍手を送れないものだろうか?
なにせコミュニケーションとして彼らは英語を実用しているのだから。

俺ができるかは別の話だ。
やっぱりダサい発音で俺は喋りたくない。
けれど、彼らのやっていることは正しい。

高校生当時。
本来正しくメタ認知するのであれば、
英語の発音を学ぶことはネイティブにcoolだと思われる
or
発音がイマイチでもコミュニケーションは成立する。
これが英会話の解決策だろう。

俺は、本来の目的(英語で会話する)とは別で、友達にイジられないことばかり気にしていた。
ある意味では学校生活を生き抜くための解決策だったのかもしれない。
今の俺が当時に戻っても正せるかはわからない。
それぐらいに集団の圧力にビビってる。

メタ認知は問題を解決するために必要な考える力だ。
けれど俺はメタ認知で闇鍋している。
複雑に絡み合った思考をとにかく全部詰め込んで、ぐつぐつ煮詰めている。
問題を解決するはずがエラーを起こして、新たな問題を生む。

もう少しシンプルに考えられないものだろうか。
divide and conquer
分割して統治する。

それよりもまずは自覚することが1歩目だ。
実体験レベルでメタ認知の歪み、暴走は探せばいくらでもありそうだ。

(続)

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