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それでも私は陰キャです

・陰キャは悪か?


根暗・陰キャ・チー牛といった蔑称があるように社会では内向的な性格であることは避けるべきだとされていることが多い。確かに精神的な問題を抱えやすい内向的な人間はどことなく弱く見えてしまうのは否めない。

しかし内向的な性格であることは改善すべき事柄なのかどうかを考えると私はそうは思わない。

ヒュームの法則(Hume's law)と呼ばれる原理がある。

「~である」(is)という命題からは推論によって「~すべき」(ought)という命題は導き出せないという原理である。 (Wikipediaより引用)

つまり、この原理に従えば、「AはBである」という事実が存在したとしても「AはBすべき」という事は導き出せない。今回の話に適用させると内気で性格が暗いからといってもっと外向的で明るくなるべきだとは言えないということになる。

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この法則はあらゆる場面で適用出来て正しいのかどうかは分からない。実際多くの反論がなされている。しかし少なくとも思想、指向のレベルでは他人が「もっと社交的になるべきだ」とか「恋人を作るべきだ」とかは言えないのではないかと思っている。”すべき”という言葉は他者の意思を無視する、かなり押しつけがましい意味を持つことに留意すると個人の行動に対して何がしか問題があるならば「あなたはこうすべきだ」と言って差し支えないが、個人の思想というのはその人が今までの経験を積み上げてきたその人固有のものであるから、誰かに対して「あなたはこうあるべきだ」と言うことはその人を否定することを意味してしまう。

結局自分の在り方は自分で決めるのだから、たとえ自分が陰気で内向的であったとしても自身が現状に不満がなければ問題はない。

・消極的≠内向的


一方で内向的であることを嘆いている人も多く存在する。というかきっと大多数だろう。それは社会の恩恵を外向的な人よりも享受出来ないと思っているからかもしれない。(ここでいう社会の恩恵というのは地位、年収、人望等の事である)。世の中を見渡すといわゆる勝ち組と呼ばれる人達も殆どが外向的な人間であるかのように思える。

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またこのような研究もある。MBTI性格分類に基づいたアメリカの研究によれば内向的(I)の要素がある人の方が外向的(E)の要素を持っている人よりも年収が低くなる傾向があるそうだ。

ただしここで気を付けておきたいのはこのデータは生涯収入の平均を取ったものであり、その性格の人が就きやすい職業によっても左右される。だから「私の年収が低いのは性格が暗いからだ」とは無論ならない。どちらかというと外向/内向よりも積極/消極の方が影響があるように思える。

消極性と内向性は似て非なる。内向性とは興味関心が自分の内部にばかり向かう様(Weblio辞書より)の事であり、消極性は自分から物事を進んでしない様の事である。言い換えれば内向的であるが積極的に行動する人というのも存在しうる。(例えばオタクと呼ばれる人達は一般に内向的であり、その大多数は根暗だと思われているが”推し”のために積極的に行動する様子をしばしば見受けられる。)

仕事が出来るだとか出世するだとかはその人の能力や運に加えて物事に対して積極的である必要があるし、物事に対して積極的になれるかどうかはその人が持ち合わせている目的に依る。人生に目標も何もなければあらゆることに消極的になってしまうし、何か目標があるならばその為に積極的になる事が出来る(可能性が高い)。果たしてそこに外向性/内向性は関係あるだろうか?

・それでも嫌なら


それでも陰キャでいることが嫌だ!もっと明るくなりたい、そう思っている人もいるだろう。

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私はよく知らないが、インターネット上には「元陰キャで引きこもりだった僕が陽キャになって恋愛出来ました!」みたいな記事が山ほどあるからそれを話半分に参考にしてみると良いと思う。性格は多少なりとも変えられると言われているし、上手く行ったらそれで万歳だ。ただし変な知識を取り入れて事件を起こしたり騙されたりしないように気を付けよう。

・このままで陰キャで良いと思ったら


私もそう思っている(大体こんな堅苦しい文語体で文章書いている時点でド陰キャなのはバレバレ)。今、何かハマっている趣味とかがあればそれに精一杯集中しさえすれば全くもって問題ないと思う。

(趣味の格付けランキングなるものがあるが、あれの評価基準はウケの良し悪しくらいで正直どれも打ち込んでれば外野からは凄いと思える。少なくとも私からすれば世間では比較的嫌われがちなソシャゲであってもパチンコであっても凄いと思える。)

ただし、今は無趣味でやりたい事が何もないという人もいると思う。少し前の私もそうだった。これはあくまで助言になるが、そういう人は何がしか趣味を見つけるといいのではないかと思う。先ほど触れたソシャゲでもアニメ鑑賞でも良いと思う。そうすれば同じ趣味を持ったコミュニティに入れたりして友達が出来たり、話の幅をより広げることが出来るだろう。最もあまりにもマイナーな趣味を持っているとコミュニティが殆どなくて困ったりするのだが、たとえ友達が作れなかったとしても趣味を持つことで生きる上での目標が一つ増えてメンタルの向上に多少なりとも寄与するのは間違いない。


参考

[1]  16タイプ別(MBTI)の収入 - 誤解と真実 –  | ナルメカ(ナルキンのそうなるメカニズム) -NaruMECHANISM-

[2]  How Your Personality Type Impacts Your Income | TRUITY'S PERSONALITY AND CAREERS BLOG


※この記事は個人の見解に基づいています。


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