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『HR』これからの採用が学べる小説

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広告業界のHR畑(求人事業)で勤務する若き営業マン村本。自分を「やり手」と信じて疑わない彼の葛藤と成長を描く連載小説です。突然言い渡される異動辞令、その行き先「HR特別室」で彼を… もっと読む
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2020年4月の記事一覧

第4話『正しいこと、の連鎖』 【11】/これからの採用が学べる小説『HR』

この小説について 広告業界のHR畑(求人事業)で勤務する若き営業マン村本。自分を「やり手」と信じて疑わない彼の葛藤と成長を描く連載小説です。突然言い渡される異動辞令、その行き先「HR特別室」で彼を迎えたのは、個性的過ぎるメンバーたちだった。彼はここで一体何に気付き、何を学ぶのか……。 *目次*はコチラ 第4話【11】 大家に礼を言い、電話を切った。 まあ、実際その通りなのだろう。大家は何も知らされていない。いや、そもそも特に理由などないのかもしれない。大家の言う通り、俺た

第4話『正しいこと、の連鎖』 【12】/これからの採用が学べる小説『HR』

この小説について 広告業界のHR畑(求人事業)で勤務する若き営業マン村本。自分を「やり手」と信じて疑わない彼の葛藤と成長を描く連載小説です。突然言い渡される異動辞令、その行き先「HR特別室」で彼を迎えたのは、個性的過ぎるメンバーたちだった。彼はここで一体何に気付き、何を学ぶのか……。 *目次*はコチラ 第4話【12】 正木についての記述を見つけた約1時間後、HR特別室の扉の外で、エレベーターの音がした。 「……うん、ああ、なるほどね」 電話で話しながらの登場は、ここで初

第4話『正しいこと、の連鎖』 【10】/これからの採用が学べる小説『HR』

この小説について 広告業界のHR畑(求人事業)で勤務する若き営業マン村本。自分を「やり手」と信じて疑わない彼の葛藤と成長を描く連載小説です。突然言い渡される異動辞令、その行き先「HR特別室」で彼を迎えたのは、個性的過ぎるメンバーたちだった。彼はここで一体何に気付き、何を学ぶのか……。 *目次*はコチラ 第4話【10】 六本木で高橋と別れた俺は、溜池山王駅まで徒歩で移動し、そこから銀座線に乗った。 山手線や総武線といったJRに比べ、なんとなくコンパクトに感じる東京メトロの車

第4話『正しいこと、の連鎖』 【9】/これからの採用が学べる小説『HR』

この小説について 広告業界のHR畑(求人事業)で勤務する若き営業マン村本。自分を「やり手」と信じて疑わない彼の葛藤と成長を描く連載小説です。突然言い渡される異動辞令、その行き先「HR特別室」で彼を迎えたのは、個性的過ぎるメンバーたちだった。彼はここで一体何に気付き、何を学ぶのか……。 *目次*はコチラ 第4話【9】 「あの……質問してもいいですか?」 行きとは違い人の少ないエレベーターで下に降りながら、さっきからずっと難しい顔をしている高橋に声をかけた。 「ダメよ」

第4話『正しいこと、の連鎖』 【8】/これからの採用が学べる小説『HR』

この小説について 広告業界のHR畑(求人事業)で勤務する若き営業マン村本。自分を「やり手」と信じて疑わない彼の葛藤と成長を描く連載小説です。突然言い渡される異動辞令、その行き先「HR特別室」で彼を迎えたのは、個性的過ぎるメンバーたちだった。彼はここで一体何に気付き、何を学ぶのか……。 *目次*はコチラ 第4話【8】 正木、柳原と共に社長室を後にした俺たちは再度「ジャングル」にまで戻ってくると、複数あるらしい会議スペースの一つに通された。 遊びゴコロ満載の外観と違い、部屋の

第4話『正しいこと、の連鎖』 【7】/これからの採用が学べる小説『HR』

この小説について 広告業界のHR畑(求人事業)で勤務する若き営業マン村本。自分を「やり手」と信じて疑わない彼の葛藤と成長を描く連載小説です。突然言い渡される異動辞令、その行き先「HR特別室」で彼を迎えたのは、個性的過ぎるメンバーたちだった。彼はここで一体何に気付き、何を学ぶのか……。 *目次*はコチラ 第4話【7】 年間予算ということなのだろうか。それとも、数ヶ月から1年程度かけて行う新卒採用の話か。いや、それにしたって多すぎる。かつて新卒採用と言えば1000万円以上の受注

第4話『正しいこと、の連鎖』 【6】/これからの採用が学べる小説『HR』

この小説について 広告業界のHR畑(求人事業)で勤務する若き営業マン村本。自分を「やり手」と信じて疑わない彼の葛藤と成長を描く連載小説です。突然言い渡される異動辞令、その行き先「HR特別室」で彼を迎えたのは、個性的過ぎるメンバーたちだった。彼はここで一体何に気付き、何を学ぶのか……。 *目次*はコチラ 第4話【6】 「失礼します」 怯えからか、男の声は掠れていた。社長室、と仰々しい明朝体で書かれたプレートの下、他とは明らかに違う、重厚な作りの扉が開いていく。 部屋の中の

第4話『正しいこと、の連鎖』 【5】/これからの採用が学べる小説『HR』

この小説について 広告業界のHR畑(求人事業)で勤務する若き営業マン村本。自分を「やり手」と信じて疑わない彼の葛藤と成長を描く連載小説です。突然言い渡される異動辞令、その行き先「HR特別室」で彼を迎えたのは、個性的過ぎるメンバーたちだった。彼はここで一体何に気付き、何を学ぶのか……。 *目次*はコチラ 第4話【5】 「はい?」 「厳密に言えば、高木生命の子会社のひとつであるTNBインシュアランスが、BtoBのカタログ通販で実績のあったストファルと共同出資して立ち上げたのが

第4話『正しいこと、の連鎖』 【4】/これからの採用が学べる小説『HR』

この小説について 広告業界のHR畑(求人事業)で勤務する若き営業マン村本。自分を「やり手」と信じて疑わない彼の葛藤と成長を描く連載小説です。突然言い渡される異動辞令、その行き先「HR特別室」で彼を迎えたのは、個性的過ぎるメンバーたちだった。彼はここで一体何に気付き、何を学ぶのか……。 *目次*はコチラ 第4話【4】 自動ドアを抜けると、その先に、さらにもう一つ自動ドアがあった。 なんだ? と思ううち背後で音がし、今入ってきた自動ドアが閉まるのが見えた。俺は妙な圧迫感を覚え

第4話『正しいこと、の連鎖』 【3】/これからの採用が学べる小説『HR』

この小説について 広告業界のHR畑(求人事業)で勤務する若き営業マン村本。自分を「やり手」と信じて疑わない彼の葛藤と成長を描く連載小説です。突然言い渡される異動辞令、その行き先「HR特別室」で彼を迎えたのは、個性的過ぎるメンバーたちだった。彼はここで一体何に気付き、何を学ぶのか……。 *目次*はコチラ 第4話【3】 エレベーターの扉が開くと、俺と高橋以外にも5〜6人が箱を降りた。 彼らを見て意外に思った。その全員が、真面目そうなスーツ姿の男たちだったからだ。 クリエイタ