見出し画像

No.1 ラフに語ろう〜介護部屋    『ヒヤリハットと事故の境界線』



【ラフに語ろう〜介護部屋 とは?】


Twitterスペース(ラジオみたいなやつ)にて
鷺谷公平(フリーランス介護職+カウンセラー+軽貨物ドライバー)

ニヤさん(小規模多機能型居宅介護施設 主任)
介護現場に役立つ知識や悩みを共有したりと
ラフに提供している番組(?)です!

フォローやいいねをいただけると大変励みになりますので
よろしくお願いいたします♪

●詳細
・頻度:月2〜3回 (不定期)
・時間:21:00〜22:00

●構成
・座学
・テーマについて事例を交えて語る
・質疑応答
・ニヤさんへ質問タイム

【No.1 テーマ『ヒヤリハットと事故の境界線』】

No.1 ラフに語ろう介護部屋リンク

●座学

『各用語』
・ヒヤリハット:「ヒヤリ」「はっと」した人の気づき、発見した出来事
(主観的)
・インシデント:災害、事故に至る危険のあった出来事
(客観的予測)
・アクシデント:実際に生じた災害、事故
(客観的事実)

『ハインリッヒの法則とは?』
1件の重大な事故の背景には、29件の軽微な事故がある。
更に軽微な事故の背景には300件のヒヤリハットがある。

『事故とヒヤリハットの境界線』
・明確な境界線に定義されておらず、施設や現場での基準となることが多い。

◻︎例 調剤業界
服薬を間違えて飲んでしまっても
人体に治療が必要な影響がなければインシデント扱い
(薬局ヒヤリハット事例集、分析事業2018年報)


『ヒヤリハットとインシデントは違う?』
ヒヤリハットは主観的に
「ヒヤリ、ハッと」した個人の気づき。個人差がある。
インシデントは、客観的に見て事故が起こりうる因子の全てのこと。

ここを履き違えると
「ヒヤリ、ハットしないから事故の因子でない」といった認識が生まれてしまう。

主観的ではなく客観的に
事故の発生要因を見ることが事故を予防するための、重要な思考となる。

◻︎例1 転倒
センサーマットの電源が入っておらず、歩行機能の低下した利用者が夜間転倒し、骨折する

◻︎例2 窒息
認知機能の低下した利用者が、フロアにあったティッシュを食べ物と誤認し摂取。ティッシュが気道に詰まり窒息状態となる。

例1、2は誰もヒヤリハットしていないが事故が発生している。
客観的に見た場合に、事故を誘発させる因子はたくさんある!

『事故予防のKYT(危険予知トレーニング)とは』

事故を予防するための思考、動作の訓練

◻︎例 転倒事故予防
転倒事故の危険性がないか、指差し確認を行い現場を点検する。
危険事項はリストにして職員でどんな事故になるか検討し予防策を講じる。


●事例① 「一歩でも出たらヒヤリハット?」


『状況』

ニヤさんの務める施設は小規模多機能型居宅介護施設(以下 小規模)
またグループホームが併設されており、一本の通路と扉で隔てている。

小規模からグループホームへ認知症の利用者が行ってしまった場合
「離施設事故(施設外に利用者が出ていってしまうこと)」になるのか?
ここには小規模とグループホームで処理の違いがあった。

・小規模:事故
・グループホーム:ヒヤリハット

『ニヤさんの小規模の判断』
・施設をまたいでしまうと事故扱い
・施設に入りそうになったところを気づいたらヒヤリハット

『となりのグループホームの判断』
・事象として起きたが変化がないからヒヤリハット


●事例2  「お尻歩きは事故?」


『状況』
夜間帯、移動車椅子の全介助の方が超座位の姿勢で手を床にすいて前進して出てきた。外傷はなし。

『ニヤさんTwitter調べ』
◻︎ちなみにこの利用者の動作は報告書ではなんて書く?
・いざる ・尻バイ ・おひきずり ・いざり歩行 ・いざり動作

◻︎これはヒヤリ?事故?
・ベッドではなく布団を敷いてていたら事故ではない
・臀部が床についたら事故扱い
・怪我がなければヒヤリハット
・自分で降りたからヒヤリか報告しない
・ベッドから降りたら事故

『ニヤさん小規模の判断』
・事故として処理
・報告書内容
長座位姿勢で手を使い前進しているところを発見する。
・施設基準:床にいる状況では事故処理として判断される。



●事例3 「洗濯でティッシュ爆発・・・事故?」


『状況』

利用者様の衣類洗濯後
洗濯機の中でティッシュがバーン!紙屑垂れけになっていた。
経験した方もいるだろうが
ポケットの中のティッシュやオムツなどを洗濯すると
絶望的な状態になる。

『ニヤさん小規模の判断』
・事故とし処理
・判断基準:時間が取られる/人手が取られる(二次災害のリスク)


●ニヤさんの小規模のヒヤリハットと事故の判断基準

・ヒヤリハット:事象が発生していない
・事故:事象が発生している
(外傷の有無に関係なし)

●リスナーさんからの反応


以下の内容は事例2「お尻歩きは事故?」なのか
リスナーさんの意見や全体的な感想をいただきました💡


●ニヤさんへ質問タイム

『一番得意な料理は?』
是非、生の声の質問回答を聞いてみてください♪

No.1 ラフに語ろう介護部屋リンク 44分27秒から質問タイム


【総評】

施設毎で判断基準は違っていますが、おおよそ
「事故=外傷や事象の発生」
「ヒヤリハット=まだ起きていない
」でした。

私自身も、勤務していた施設は同様の理由でした。
(ちなみに月30件以上のちょっと特殊な場所もありましたw)

事故って起こしたり発見したりすると
「はぁ」っとため息もでそうになりますよね。

ただ、報告することに意味があるのではなく
何故発生したのか?インシデントはなんだったのか?
しっかり分析して検討することが大切ですね。
(面倒な気持ちはすげーわかる)

今回は境界線といったテーマでしたが
今後は改善も含めて話してこうと思います!

皆さん
是非聞きにきてくださいね〜♪

No.1 ラフに語ろう介護部屋リンク 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?