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7/18 vs川崎フロンターレ(ホーム・明治安田生命J1リーグ)

再開後ホーム3試合目。迎える相手はすっかり強豪になった川崎フロンターレです。NITTAI(https://www.nittai-since1957.co.jp/)スペシャルマッチということで、ハーフタイムには萌日香ちゃんが企業紹介してくれました。

入場時のあれこれが前節から少し変わり、検温対象者の次の人の立ち位置にも印がありました。売店も、トレーが増えてたっぽいですね……つまらん愚痴で面倒を増やしてしまったような気がして、ちょっと申し訳なく思ったり。

ベガルタ戦に続き、空模様が心配でしたが、三ツ沢に着いたころには雨もやんでいました。

試合の感想

前節から少しメンバー変更。キーパーは当然南。ベンチには市川が入った。田代がCB中央に戻り、両翼は中山&松尾に。契約上出られないマギーニョに代わってベンチには5部リーグから一気に引き上げられた熊川が入った。噂のいわきFCの筋肉がどれほどのものか楽しみだ。

対する川崎フロンターレは「あっ、この人知ってるー!代表戦で観たー!」みたいな感じのメンバーがずらりと並ぶ。「うわぁ、ベンチに小林悠戻ってきてる」とか「いや、ベンチも元代表とか年代別代表やんけ」とこれがJ1上位クラブか……といった感じ。最初にキーパーがピッチに入ってきたわけだが、なんなんだソンリョンの身体の分厚さは。そしてピッチ練習でボールを回すフロンターレの選手たちを見て「去年までの相手とレベルが違いすぎる……(;^ω^)」と客席で思わず顔を覆ってしまった。

サポーターがそんなのでどうする。ちゃんと見ろよ。サブメンバーのパス交換早すぎだろちょっと待ってうちのサブの鳥かごと同じことやってるように見えないいやもう考えるのはやめよう。

とにかく、選手たちと、下平さんを信じて応援するのみだ。サポにできるのはそれと拍手くらいである。今回もフロンターレの選手紹介時に拍手をする横浜FCサポ。気のいい連中である。

前半

繋ぐスタイルで真っ向勝負ちゃうんかい!!

と、いきなり心の中でツッコミを入れたキックオフ直後のロングボール放り込み。開始早々フロンターレ陣内の深い位置まで侵入していった。そのあとは普通に基本繋ぐスタイルで真っ向勝負に出たので、相手への揺さぶりとしての一手だったのだろう。両WBがフロンターレのIHを引き付けて、謙介が空いた田中碧の周りをふらふらし、敵を押し下げながら相手ゴールに迫ろうとする。が、エリア付近までは来れてもそこから先に中々進めない。

一方、フロンターレにボールを握られるとこちらの倍くらい向こうの攻撃が続くような展開に。好調のレアンドロ・ダミアンは田代がしっかり見張って前を向かせず、長谷川も星がしっかり見ていたのだが、とにかく家長からボールを奪えない。そこで人数を掛けさせられ、余った選手にボールを渡されてとかなり苦労した。

それでも最終ラインでしっかり守って凌いでいたのだが、田代がどてっぱらにシュートを受けて苦しんでいるタイミングで取られた給水タイムの後、スライドが間に合わずに家長にフリーでクロスを上げられてしまい、田代と星の間に上手く入ったダミアンに決定的なヘディングシュートを許す。これは運よくバーに助けられるも、ぽっかり空いたPA真ん中のスペースには脇坂しかおらず、跳ね返りを蹴り込まれて先制を許してしまった。

先制された以上攻めるしかない横浜FC。どうも消極的なプレーが多かった松尾が積極的に仕掛けるようになった。ようやくシュートも生まれ、リードを許しているとはいえ、少し流れを引き戻して前半を終えた。欲を言えば、最後のプレー時、審判が笛を持っているんだから下げずにクロスを上げて欲しかったが。

後半

前半の流れを受けて少し攻め方を変えた横浜FC。ロングボールも織り交ぜて幅を使ってフロンターレの選手間を広げ、その間を攻略していくようになった。フロンターレ選手間の距離が空いたことで拾われ気味だったセカンドボールを回収できるようになり、CBまで上がって高い位置でボールを回せるように。それでもなかなかシュートまで持ち込めなかったが、CKからの流れで遂に14分に同点に追いつくことに成功した。松尾のJ1初ゴールかと思ったが、田代に当たってコースが変わって入ったので田代のJ1初ゴールに。実際、田代に当たっていなければ枠外かポストっぽかった。

ここでフロンターレはピッチ外で準備していた小林悠と三笘を投入。ここから少し流れが変わり始めた。その少しあとくらいまでは横浜FCも攻勢を見せていたが、中山は明らかにキレが無くなり、田代も脚が攣りはじめた。給水タイムで中山は熊川と交代。熊川はJ1デビューである。早速ボールを受けて縦に仕掛けたが、登里にあっさり封じられてしまい、その後もボールロストや守備で翻弄される姿が目立つ。「これはまずいかも」と思った矢先にあっさり三苫に裏を取られ、慌てて対応した星が痛恨のPK献上。ちょっと微妙には見えたけれど、確かに腕は掛かっているので取られてもしょうがない。南が反応したものの届かずに再びリードを許してしまった。

この段階で松浦、松尾に代えて手塚と志知を投入したが、状況は好転せず。謙介を一列上げて手塚がアンカーに入っていたが、周囲の運動量低下もあって違いを生み出せず、むしろ守備面で周りの負担が増していたように見えてならなかった。CKから再びPKを与えてしまい、またもや南は反応するも届かず2点差に。個人的にはこのハンドは意図的扱いになるのかな?と少し疑問に思ったが。

その後さらに小林に決められ、俊輔と皆川を投入するも思うようにボールを繋げず自陣から出ることができない。終盤立て続けに光毅が意地の突破でシュートを放つシーンがあったものの、枠をとらえきれず。ATのCKでダメ押しの5点目を奪われて大敗を喫してしまった……

全体的に

相手が強かった、としか言いようがない。練習時に受けた印象がそのまま反映されたような試合になってしまった。最少失点で耐え凌いだ前半に、猛攻実った後半の序盤までは良かったが、そこまで走らされたダメージが70分過ぎから一気に噴出したような印象だ。スタメン同士での戦いでは対応して、一時は間違いなく相手を慌てさせたし、相手サポもハラハラさせたとは思う。が、そこから先も打つ手のあった相手に対し、こちらにはもう手立てがなかった。何年も『繋ぐフットボール』を積み重ねてきたフロンターレの方が、プレーごとの無駄が少なかった。こちらは、一つ一つの無駄が積み重なって、最後は走れなくなってしまった。後半最初の15分間のプレーを最初からできていれば、あるいは違う結果が出たのかもしれないが。

ただ、ポジティブな面も多かったと思う。繋ぐスタイルで真っ向勝負に出て、一時的には優位に立ったのは間違いない。あとは、これを最初から、かつ、メンバーが変わってもできるようにレベルアップしていくしかない。また、個人個人では充分戦える自信をつけた選手もいたと思う。長所は充分通用していた選手がほとんどだった。もちろん、通用しないことを痛感させられた部分もあると思うので、やはりそこは鍛えていくしかない。

非常に悔しい試合展開だったが、このスタイルを続けていく意義を見いだせた試合になったと思う。

それにしたって、レアンドロ・ダミアンと交代で小林悠を出してくるとか卑怯だろ?!

選手への雑感

GK:南雄太

非常に良かった。5失点というのは相当悔しいと思うが、南のビッグセーブが無ければ倍ぐらいになっていてもおかしくない。PKも2本とも方向は読んでいたし。繋ぎの面でも、足下でのミスはなく、必要とあらばロングフィードやスローも使い分けて組み立てに充分貢献してくれていた。

DF:星キョーワァン

ダミアンに普通に競り勝ち、長谷川にも思うように突破させずと高さ強さ速さがフロンターレの攻撃陣にも通用することを証明して見せてくれた。1失点目、ダミアンに前に入られてしまったのは残念だったが、そのあと脇坂のシュートにしっかりブロックに入っていたのは立派だった。あの時点で棒立ちになっちゃうDFは良く見るし。しっかり次善の手を意識していることがうかがえた。

PK献上は、不用意っちゃあ不用意だが、相手に上手く転ばれた感はある。

DF:田代真一

組み立てでも貢献し、中央でダミアンにほぼ仕事をさせず、気迫のシュートブロックで何度もチームを救い、後半にはJ1初ゴールとなる貴重な同点ゴールまで決めてくれた。ただ、奮戦の代償は大きかったようで後半途中から脚が攣るようになり(スライディングでブロックした後に痛そうにしていた)、守備範囲が狭くなってしまった。その影響は大きく、連鎖的に守備崩壊に繋がってしまったように思える。

中3日で連戦になることを考えても、交代させてあげたかったな、と。中央での存在感と果している役割の大きさが、良くも悪くも出てしまった試合になったと思う。

DF:小林友希

攻守で凄まじい存在感だった。ダミアン相手にも上手く寄せてハイボールで競り勝ち、家長に中央への侵入を許さず、マイボール時には捌いてよし持ち上がってよしで、3CBの中では明らかにスペシャルな存在。

4失点目のシーンも、防ぎきれなかったとはいえ小林悠のシュートを先読みしてファーにカバーに入っており、やるべきことをしっかり判断できている印象。これで二十歳ってマジか……冨安に次ぐ選手になるかもなぁ。

MF:佐藤謙介

相手の中盤3枚の隙間で上手にボールを受けて、攻撃の組み立てを行っていた。守備でも精力的に走り回り、ほぼ勝負の付いてしまっていた終盤でも、ボールを奪って攻撃につなげようと奔走していた。リーグ5位の走行距離はさもありなんといった感じ。ただ、走らされた側面が大なのは否めないし、謙介がそこまで走り回らなければならない状態になっているのが、そもそも中盤の守備が機能していない証拠でもある。

とにかく、しっかり休んでほしい。かなり体力的にきついと思うけれど、謙介抜きで横浜ダービーを戦うのは辛い。

MF:瀬古樹

高い位置での守備や繋ぎで貢献。フロンターレ相手でも普通にやれていた。本当にルーキーなのか?松尾や光毅を存分に活かしていた。流石に家長相手にボール奪うのには苦労していたが、前を向かせないシーンも多々あったので、充分だろう。家長からボール奪えて組み立てもできるなら代表に呼ばれるわ。

PKは、個人的にはあれはハンドではないのでは?という気もする。二昔前みたいに、手に当たれば即ハンドではないわけだし。ジャッジリプレイでやってほしい案件。

MF:中山克広

マギーニョに代わってスタメン入り。守備時もそこまで悪くなく、松浦と連携しながら機を窺って突撃していく連動性も問題はなかったと思う。登里を抜ききれれば、右からももっとチャンスを作れたかな?スピード以外のもう一工夫が必要だろう。とはいえ、組むのが松浦だとカットインもしづらいのかもと思ったり。

元々70分~75分目安でのプレイだったのかな?という気もするが、少し足が止まるのが早かったかな?出ている間は良く走ってくれていたけれど。

MF:松浦拓弥

攻撃時には確かなテクニックを見せ、ゴール前までは攻略できていた。そこからエリア内に入っていくプレーができればもっと良かった。守備では大島の動きに手を焼いていた印象。

MF:松尾佑介

圧巻のドリブルスピードとテクニックでフロンターレを脅かしていた。フロンターレサポも名前を覚えただろう。幻の初ゴールは残念だったね。でも初アシストおめでとう!守備ではやはり家長に苦戦していた。それでも良く対応していたが、先制点となるクロスを上げさせてしまった。まぁ、チーム全体のスライドの問題だけれども。

あと、丁寧さを心がけていたせいか、トラップ時に前に行く気があるかどうかで、身体の向きとボールの置き所がはっきりと違っていたので、相手に対応されやすかったかと。それでも行くときはぶち抜いていたのが凄さではあるが。

FW:一美和成

決定的な仕事とまではいかないまでも、裏抜けでボールを受けたり、身体を張ってボールをキープしたりと充分仕事をしていた。セットプレーの守備も良かった。

FW:斉藤光毅

あの身体で当たり負けせず、ボールを奪われない。ドリブルテクニックはやはり別格で、独力でフロンターレを脅かしていた。終盤になってもあまりキレが落ちなかったのは良かったが、最後のシュートが枠に飛ばずに浮いていたのは、やはり体力的に踏ん張り切れなかったせいもあるのだろうか。それでも、世界トップレベルで戦うなら、枠内シュート率を上げていかないとね。

DF:志知孝明

松尾と交代で入るもあまり仕事はできず。彼個人の問題というよりは、彼をサポートする余力が周囲に残っていなかった感じ。守備では奮闘してくれた。

DF:熊川翔

日本フットボール界の選手育成に一石を投じて話題のいわきFCから初の(だよね?)Jリーガーとして中山と交代出場でJ1デビュー。ただ、残念ながら彼の日ではなかった。いきなり突破を図って積極性を示したものの、登里には通用せず。その後もトラップが大きくなって自陣でボールをロストしてしまったり、三笘にけちょんけちょんにされたりとあまり良いところがなかった。

守備時にボールホルダーに寄せて、逆に弾き飛ばされて一回転させられたのは流石に印象がよろしくない。屈強な外人選手相手ならまだしも、体格差があまりない、というか、見た目では熊川の方がごついのにあれでは「いわきFCでは飾りの筋肉つけさせてるのか?」となってしまう。今回のでJ1の舞台で戦うのに求められるレベルがわかったはず。いわきFCの名誉のためにもしっかり適応してほしい。

ミスが続いた後でも高い位置でボールを求めた意志の強さに期待したい。

MF:手塚康平

松浦と交代で登場。同じ位置に入るのかと思ったが、謙介を一列上げてアンカー気味に。素早く前線に展開する役目だったのだろうとは思うが、押し込まれ気味の状況をひっくり返すような仕事はできなかった。守備もさぼっていたわけではないが、ボールホルダーに寄せきれない場面が目立ち、かえって周りが上がりづらい状況を作っていたような……

攻撃時にパスを受けてから出すのは早かったので、しっかり周辺の状況を把握できてはいるのだと思う。使いどころを誤ったかもね。

MF:中村俊輔

瀬古と交代で登場したが、緊急投入っぽかった。ボールを持てば上手かったが、時間が短すぎた。

FW:皆川佑介

一美に代わって投入ヘディングシュートは残念ながら枠外。攻撃を光毅に任せて守備に走る時間が長かった。最後の失点時、谷口の前で触れなかったのは痛恨。あれは手前でクリアしてほしかった。

終わりに

試合開始前から差を見せつけられた。後半20分くらいまでは良く戦えていたのは事実だが、前半は守備陣が必死に身体を張ってなんとか1失点で耐えていた状態で、結局ボディブローが効いて終盤は動けなくなってしまった。風間大僧正のトメルケールの教えも、実際に三ツ沢で見せられるとその大切さが良く分かる。控えの選手までそれが高いレベルで出来ることを層の厚さの違いというのは簡単だし、資金力の差というのも事実だろう。

ただ、だから今後も負けまーす、と言うわけにはいかない。選手たちの成長を促す授業料だと思って、いつかこのレベルになると信じて応援するしかない。

次節はついに念願の横浜ダービー。中3日だと天皇杯でやるのと変わらんやんけ、と思わないでもないが、全力でやりあうしかないリーグ戦である。幸いというか、マリノスは新しい形での攻撃を目指して守備が置いてけぼりみたいな状態。付け入るスキは充分ある。勝利を信じてアウェーの地に念を送りたい。

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