見出し画像

特集 パンデミック~感染経路を特定せよ

2014年11月24日発行 ロウドウジンVol.9 所収

 上記の記事ですでに説明したが、感染は次の三つがすべて揃うことで成立する。

 ①感染源
 ②感染経路
 ③感受性宿主

 感染源がない場合はそもそものきっかけがないし、あっても感染経路がなければ感染者に到達できない。さらに到達できたとて、感受性宿主(免疫力が感染源に負けてしまう宿主)でなければ、感染源は感染することなく排除される。いわゆるパンデミックに発展するような感染源の場合、感染を防ぐには、感染源の排除や自己啓発(免疫力を向上させ、感受性宿主でなくなる)も重要だが、それ以上に感染経路を制御することが重要になる。感染経路の制御が、一般的に考えて一番素早い対応が可能だからだ。

 感染経路には、一般的に、接触感染、飛沫感染、ベクター感染、血液感染といったものがある。感染病の報道で見聞きしたことがあるのではないだろうか。まずは、これまでの研究によってあきらかとなっている感染経路について、確認してみよう。そこから、われわれが感染しないためには、どのような観点で気をつければ良いのかのヒントが得られるだろう。

画像1

◯新しい感染経路

 上の記事で紹介したような感染症の研究の中で、現代日本ロウドウ環境に特有の経路が存在することが、近年わかってきたという。それはこれまで職場の慣習・文化としか考えられてこなかったものだが、様々な感染病の感染経路になっていることが明白となっている。感染経路を閉ざすためにも、不要な職場慣習は排除あるいは代替手段に変更する必要があるだろう。ただし、感染経路はあまりにも奥深くまで根付いている。感染経路を完全に断つには、もはや退職しかないかもしれない。

画像2

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?