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怪談夜宴前々前夜祭その2・・・『文学のお供に”食べたいお菓子”、”飲みたいアレ”』


登場人物:
ヨコオユキさん(イベントプロデューサー)「お酒が好き。とくに日本酒!」
奈佐さん(俳優・ロウドクシャ語り)「”あんこ”が苦手。。おはぎにトラウマあり。」
北川原さん(演出家)「日本酒は飲むけどコメは食べない。」
茶谷ムジ(案内人)「苦手な食べ物は無い!昆虫もいけます。」


『”あの世”への入り口?能面を齧りながら怪談を聞く』

ヨ:届きました〜!
(能面の6つ並んだお菓子、京都からお取り寄せした落雁「花面」を見せる)
茶:おお、やっぱり美しいですね〜
北:いろんな色があるけど味も違うんだよね?
ヨ:そうなんです。入っているのは翁、乙羽御前、小面、福の神、うそぶきの五種類。小面は二つ入っていますが、それぞれ味が異なるんです。例えばこのうそぶきは玄米、福の神は抹茶と変わったお味も入っています。

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北:翁の大豆、乙羽御前の空豆も変わってるね〜。
ヨ:はい、そして今回の怪談夜宴のテーマ「髪と骨」をイメージしてこの花面がぴったりだなと思ったのはこの「小面」ですね。
北:骨みたいに、真っ白だね。
ヨ:こちらは和三盆、なんですが、どの面もそうですが能面師の方が作った木型によって作られていて本当に美しいです。能面の美しさってどこか怖いものも含んでいますよね。
北:能の中では若い女性の面として使われているから般若と違って怖がらせようという意図はないはずだけどね。でも能はいわゆる怪談とも密接だよね。
ム:能に幽霊は欠かせない印象があります。梅若伝説の「隅田川」の舞台が近所で馴染み深いのですが、そこにも乱心してしまった母や、幽霊となった子が登場します。能面は「この世のものではない何か」を表現する入り口のような気がします。
北:おどろおどろしいものだと、安達原の鬼婆とかね。(能の演目「黒塚」)
ム:般若面のお菓子もあるといいですね。
ヨ:あったら絶対お取り寄せしてた!笑

『文学者とお茶。芥川はあんこ好き、田中貢太郎が飲んだ酒ってなんだろう』

ム:菓子盆には、今回のテーマにぴったりのお茶もついてくるようですね。
ヨ:そうです!もう隠すところが無くなってしまうけど笑、みなさんは「骨ほうじ」って言葉はご存知でした?京都の言い方なのかなって思うんですが。
奈:初めて聞いたなぁ。(京都出身)
ヨ:いわゆる、お茶っぱの茎の部分を煎じたお茶のことで、茎茶と呼ばれるものだそうです。一般には出回らないお茶なのですが、甘味が強く香ばしく、カフェインレスですっきりしたお茶だそうです。
北:名前がほんとにいいよね。見た目も確かに、言われると小さな生き物の骨みたい。
ム:夜に飲んでいただくことになりますから眠れないと困っちゃいますし、カフェインレスというのも嬉しいですね。ちなみに、芥川龍之介は大のお茶好きで、日に三度鉄瓶を空にしたそうですよ。それだけ飲むとカフェインもすごそうですよね・・
ヨ:そうだねぇ。私も最近はカフェイン控えたくて麦茶ばかりのんでたなぁ。
ム:仕事をするとき、芥川なら物を書くときにカフェインが欲しくなるというのもわかる気もしますが、甘党でもあったそうですね。
北:あんこが好きだったみたいだね。「しるこ」って随筆があるくらいだから。
ヨ:お茶が好きなら絶対和菓子も好きだったと思うなぁ。

ム:ヨコオさんは、お仕事のお供のお菓子ってなんですか?
ヨ:チョコレートだね。カカオ75%のを冷蔵庫に常備してるよ。
奈:うちはその上だね。80%以上の。
北:カカオ高濃度だと罪悪感がないんだよね。
ム:芥川龍之介も、チョコレート好きそうだけど、当時チョコって一般的だったのでしょうか。
奈:その頃には、もう食べていたんじゃないかな。
※田端文士村記念館さんのツイートによると、芥川龍之介は実際、チョコ好きだったそうです。ご長男の芥川比志さんの作文の中に書かれていたとか。

ム:芥川龍之介は晩年、眠れなくなるからと節茶をしたそうですがもともと飲む習慣があったものをやめるのは辛そうですよね。お酒だったら飲んだら眠れますけど。
ヨ:芥川龍之介は下戸だったって聞くよね。
北:酒より、煎茶。甘党だったんだねぇ。
ム:ちなみに田中貢太郎「十五より酒飲み習いて」には様々な酒にまつわるエピソードが登場するんですが、その中に「今の世の中は険悪になってきた、育ての親を切って自殺する青年、高利貸を惨殺した青年、姑を斬りつける婦人、、みんな酒が足りないから人生を狂わせたんだ」といったようなことを言っていて。
北:極端だけど(笑)確かに体に悪いと言ってもお酒飲む人で長生きな人は沢山いるよね。
ヨ:内田百閒も長生きされてますよね!私のおばあちゃんもお酒大好きで今も元気です。やっぱお酒は健康にいいんだな〜
奈:酒は心の健康のために飲むんだよな。
ヨ:芥川龍之介にとってはそれがお茶と甘味だったのかなぁ
奈:ちなみに俺はしるこは飲めないな
ム:そうだったんですか!ではロウドクシャで「芥川としるこ」イベントはできないですね・・。
奈:おはぎもだめ。”あん”、ってつくものはみんなだめだしそれがご飯の上に乗ってるなんて信じられない。
ム:え!(おはぎ昨日食べたなぁ・・・)
奈:子供の頃に友達の家に行って赤飯が出て、初めて見たからびっくりして食べられなかったんだよね。それで次に行ったらおはぎが出た!それ以来どっちも食べられない。
北:うちじゃ年に数回、ご飯の代わりにおはぎって日もあったなぁ。

ム:甘いものもお酒も、それ自体が健康にいい訳でなくても豊かな人生のためには必要ですねぇ・・。ちなみに、今回の怪談夜宴ではお酒をお出しすることはできませんが、この落雁「花面」に合うお酒はなんだと思いますか?

ヨ:京都・甘み合わせのマリアージュ、ということでこちら、<月桂冠のにごり酒>はいかがでしょう?

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ヨ:フルーティな香りが感じられるライトな飲み口のにごり酒は、上品な甘さの和三盆落雁とお楽しみいただけると思います!
ム:甘味合わせ、いいですねぇ。贅沢な時間となりそうです。

ヨ:ちなみに、「羅生門」に合うお酒といえば、そのままですが<羅生門>というお酒があるので、こちらがおすすめです。

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ヨ:お米本来の味を感じることのできる、どっしりとした芳醇な口当たり。まさに「羅生門」を聞きながら飲むのにぴったりのお酒です。温めて30分くらいで飲むと、いい気持ちで眠れてしまうかも・・・

北:田中貢太郎はどんなお酒を飲んだんだろうねぇ。味にこだわりはなさそうだから、安くて量を飲めるお酒が好きそうだけど。
奈:いわゆる昔あった二級酒、三級酒ってやつかな。
ヨ:鬼殺しみたいなやつかなぁ。
北:今はお酒ってその辺で安く買っても美味しいけど昔はそうじゃなかったんじゃないかな。
ム:鬼殺しって美味しいですもんね。
ヨ:もとは、「鬼のように頑強な男でも酔い潰れてしまう」ぐらいに混ぜ物のない旨いお酒って意味だったそうですね。( https://jp.sake-times.com/special/recommend/sake_onikoroshi  )
北:それがいつからか鬼を殺すくらい辛口のお酒ってイメージになっちゃったんだ。
奈:日本各地って確かいろんな酒蔵から出てるんだよね。
ム:へ〜!
ヨ:そうみたいですね。私の友達、ビールじゃ酔えないから「鬼殺し」飲んでから飲むって言っていたな。
ム:田中貢太郎の酒友だ・・・!
奈:あのストローで飲むのが効くんだよな・・・
ヨ:田中貢太郎は土佐の出身だから安いのと言ってもけっこういいお酒飲んでそうだなぁ。
ム:では、ヨコオさんぜひ、「円朝の牡丹燈籠」を聞きながら飲むのにぴったりのお酒を教えてください。
ヨ:それでは、田中貢太郎の出身地である高知のお酒から。<司牡丹>という銘柄をご紹介します!

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ヨ:"牡丹"という名前もさることながら、花のように華麗でナチュラルな吟醸香ということで、女性も飲みやすい仕上がりになっています。新三郎とお露さん、初デートで飲めたらよかったのに・・・。




11月1日(日)怪談夜宴オンラインでは、ロウドクシャ謹製菓子盆、文学作品に合うお酒、おつまみ、などなどお手元に美味しいお供をぜひご用意してお楽しみください!

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皆様にオンラインでお会いできること、楽しみにしております。


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饗宴ロウドクシャ