俺とニンジャスレイヤーの出会い

ドーモ。マーズです。

ニンジャスレイヤー11周年オメデトゴザイマス!ということで、俺もニンジャスレイヤーとの出会いを書こうと思う。

ニンジャスレイヤー公式アカウント:https://twitter.com/NJSLYR

ニンジャスレイヤーといえば、一見ただのジョーク小説、一発屋のようでいて、実際読んでみると、だんだんその真の面白さがわかってくる作品なわけで、そういう出会い方をされている人が多い。

しかし俺とニンジャスレイヤーの出会いはそうじゃなかった。最初から「なんだこのワケがわからんけどめちゃくちゃ面白い小説は!」だった。


あれは2011年の夏のこと。それまでネットの端々でチラホラと、なんだかよくわからないカタカナ語が流行っていたのを目にするようになっていた。それがいわゆる忍殺語だった。

当時、サブカルトレンドに敏感な一部のフォロイーがニンジャスレイヤー公式アカウントをフォローしていて、そのRTが我がTLに現れてきた。それは「オン・ジ・エッジ・オブ・ザ・ホイール・オブ・ブルータル・フェイト」、二部序盤のエピソードの、最終局面。ニンジャスレイヤーとザイバツのマスターニンジャ・ボーツカイとゾンビーニンジャ・キャバリアーが、バイクとチャリオットに乗って戦っている場面だった。

私はそれを見て、「これが例の謎のネットミーム(当時はこんな言葉もなかった)の元ネタか」と気づき、どんなもんか見てやろうと思って読み始めた、んだと思う。なにせ10年前なので記憶は曖昧だ。途中も途中、中途半端なところから読み始めたわけだが、まず困惑した。「タイトルがニンジャスレイヤーってなってるけど、このすげー怖い人が主人公なの?」とか「知らない単語がいっぱい出てくる。『カタナブレードツルギ』って何?チョッパーバイクって何?」とか「なんでバイクにチャリオット牽かせてるの?」とかだ。とにかく今まで触れたことのないタイプの作品であることがすぐにわかった。それは日常に突如入り込んだ異物で、自室でくつろいでいたらいきなりイグアナと出会ったみたいな感じだった。

そしてイクサはクライマックスにさしかかる。このままでは負けるとさとったボーツカイ=サンは、自らの命を犠牲にして、キャバリアー=サンの一撃に全てを託す。短いながらも読んでいる間にボーツカイ=サンがキャバリアー=サンを嫌っていることはわかる。それにもかかわらず、個人的感情も、命さえも捨てて勝とうとする自己犠牲の精神は、たとえ邪悪組織に属していたとしても、輝いていた。俺は胸を打たれた。「主人公の敵なのにこんなにカッコよくていいの?」と。悪役が魅力的な作品は例外なく名作なので、俺はこの作品が名作であることを無意識に直感したはずだ。

それから俺はニンジャスレイヤーを読んだ。「ブレードヤクザ・ヴェイカント・ヴェンジェンス」でケジメニンジャ=サンの空虚な生とアイデンティティへの渇望に打たれ(そしてモスマン=サンを拷問するニンジャスレイヤー=サンにビビり)、「クライ・ハヴォック・ベンド・ジ・エンド」ではすさまじい格差社会描写でこの世界のことをおぼろげに理解した。ログも読み漁って二部、一部と遡った。一部は肌が合わなかったのか読み終わりはかなり後だった。最初に二部に触れたのは幸運だったろう。

実況参加は9月ごろで、1ヶ月ほどROMっていた。Twitterで小説を実況というのもまた初めてだったが、既に映画やらを実況していたので滑らかに受け入れたと思う。この頃はまだ公式アカウントのフォロワーが2000とかそのぐらいで、4643人達成をみんなで祝ったのを覚えている。この頃のアイコンは確か黒頭巾だったはずだ。書籍化の話もまだだった。今とは大違いだ。

ニンジャスレイヤーは俺がこれまで読んだ小説の中で一番面白い。そしてその面白さは常に最高値を更新し続けている。常に今が最高に面白い。それがニンジャスレイヤーだというのが、10年読んできた俺の感想だ。そしてtwitterでしかできない革新的表現に挑戦し続けている。ヘル・オン・アースのトレンドウェポン3連続や、ニチョーム・ウォーの3アカウント平行更新などだ。そして魅力的なキャラクターがたくさん出てくるので、キャラクター小説が好きな層(俺のような)にもおすすめだ。

俺は自分の経験を悩む人への助言としたい。「ニンジャスレイヤーはどこから読んだらいいのか」と悩む人だ。そして俺は自分の経験からこう答える。「どうせハマるときはどこから読んでもハマるんだから、どこから読んでもいい。とりあえず公式アカウントをフォローしてみろ」だ。俺がそうだったんだから。

以上が俺とニンジャスレイヤーとの出会いだ。あのときRTしてくれたフォロイーと、原作者のボンド=サンとモーゼズ=サン、翻訳チームの皆さん、コミカライズや書籍をはじめとするメディアミックスに関わった方々、そして一緒に実況してくれるヘッズ諸兄に深く感謝するとともに、ニンジャスレイヤーのますますの進歩・発展を祈念する。改めて11周年オメデトゴザイマス!これからも心の王国とともにガンバルゾー!

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