男、オウム、カラス
ある男が、飼っているオウムに「ボク、カラス」という言葉を覚えさせようとした。
しかしオウムはなかなか覚えなかった。
男は毎日オウムに向かって、「ボク、カラス」と言い続けた。
オウムはなかなか覚えなかった。
そのうちにオウムは逃げ出してどこかへ行ってしまった。
男はこれまでの労力が無駄になったと認めるのが嫌で、オウムがいなくなってからも「ボク、カラス」と呟き続けた。
そのうちに男は実質的にカラスになった。
男は家を出て、カラスの群れに合流した(合流と言っても金魚の糞のように近くをウロチョロしているだけだが)。
男が家から姿を消すとオウムが戻ってきた。
オウムは食べ物がなくなるまでその家で暮らし、その後またどこかへ行ってしまった。
めかぶは飲み物です。