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【NUMBERS4】ナンバーズ4の当選口数異常について考える

ナンバーズ4のストレートの当選口数が異常なことになっていると話題になっています。この現象、2021年にも同様なことが起きていたようです。
不正行為を疑うと可能性が広がりすぎるので、この記事では、不正は無かったという立場から、この結果はあり得るのかを考えてみたいと思います。

自己紹介と免責事項

問題

ナンバーズの当選金額の決定ルールでは、当選口数が多くなると一口当たりの当選金額が少なくなるため、当選者としては期待していた理論値に対して少ない当選金しか得られず、実害を被ります。
不正に当選金が奪われているのなら大問題である、と感じているわけです。
ここで、この現象の解釈を厄介にしているのが、販売金額は通常通りということです。つまり、大量に買われるようになったため当選口数も増えただけ、という普通に起こり得る現象が否定されています。

異常と騒がれた2021年8月のデータ

異常の確認

公式発表の販売実績額

上のグラフは販売金額実績です。まずは、問題のない販売額から確認します。一部のデータの無い期間は口数と当選金額から計算しています。赤線は25回周期の移動平均です。
週5販売後の下落が落ち着くのが第3000回くらいからです。以降に出てくる平常時の平均値などは第3000~5000回を使い計算します。
青破線で囲ったところが異常なストレートの当選口数が発生しているところですが、販売実績額では異常とはいえません。
その前に発生しているコロナ禍での瞬間的な落ち込みの方ははっきりと確認できます。

ストレート当選口数の異常上昇

上のグラフは、ストレートの当選口数を販売実績で割ったものです。
販売実績額が多いほど、当選口数が多くなるのが通常ですので、規格化のために販売実績額で割っています。
灰色のドットプロットが各回の当選口数/販売実績額。
赤線は、25回周期の移動平均線です。
1994年10月の開始以来、一定の水準で遷移していたものが、第5750回2021年8月頃から異常な上がり方をしています。これは6週間ほどで従来のレベルに一旦は戻っています。
そして2024年現在も異常な上がり方が発生している最中です。
しかし、灰色のドットプロットで見れば、過去にもそれほど変わらない当選口数は発生していますので、どちらかというと比較的高い当選口数が異常に連続して発生している、という表現の方がこの問題を表していると思います。

平均値の確認

グラフの第3000回から第5000回は週5回発売になった後、比較的販売額実績が安定しています。この期間の平均値は以下の表となります。
この平均が十分当選番号によるばらつきを均せているとすると、各申し込みタイプの推定販売額、口数が計算できます。

当選の実績(平均)と販売の推定

平常時には平均的に、ストレートが26万口、ボックス17万口、セット78万口売れていると推定されます。
同様に、異常にストレートの当選口数が多かった第5750回~5782回で同じ計算をしたものが、表の右側部分です。
おおよそ、ストレートの当選口数が100口増えた状態で他の当選口数は大きくは変わっていません。
ここで、連続する異常当選口数のつじつまを合わせるため、すべての外れのストレート口数も100口増えて購入されているとした場合、販売されたストレート口数は100万口増える必要があります。
しかし、公表されている販売額から、100万口は増えていません。季節性の影響で減っているくらいです。
平常時の販売額実績と推定販売口数からの販売額がほぼ同じであるのに対して、異常時は倍のずれが発生していることも対照的です。
ボックス、セットの当選口数もほぼ変わっていないため、こちらの販売額がストレートに移行したという理屈も成り立ちません。
そのため、やはり異常に高い確率で当選していると考えるべきでしょう。

不正以外のアイデア

以上のことから、異常な当選口数は不正を疑いたくなりますが、不正以外の理屈を考えてみます。
候補の一つが、高い確率で当選番号を予測することです。
当選番号はランダムであり予測は難しいですが、ランダムな番号を作るのもまた難しいはずですので、何らかの規則性があり全てではないが一部の数字だけ高い確率で予測できる法則を見つけた人がいると仮定します。
条件は、
1.4つの数字のうち一つだけは桁、数字を含めて70%の確率で予測が当たる。
2.初期投資額は2000万円以上。
3.販売額が少ない時期(月別なら8月)を狙う。

ここで、高い確率での予測というのは70%でなくても成立します。70%としたのは実績として、異常が発生した期間内で100口以上の当選の場合をこの手法で当てたと仮定しているからです。
100口以上は24回/33回で72%なのでおおよそ70%の当選率としています。
実際は80口でも平均からかなりずれた値ですが、計算の単純化のため100口以上をこの手法での当選と取り扱います。

賭け方ですが、4ケタの数字のうち1つを予測して当てることができるとするなら、残りの組み合わせの数は1000になります。
残りの組み合わせ1000組すべてに100口賭けるとすると、
必要資金は1000組×100口×200円で2000万円となりこれなら、普段の販売額の10%増程度なので、変わっていないと判断される範囲と考えます。
この賭け方をした場合の期待値は、
外れは、70%の確率で当たるはずの番号が外れるときだけなので、30%の確率で掛金2000万円がそのまま損失。
当たりは、実績から平均当選金額は1口50万円なので、70%の確率で5000万円の当選金が手に入り購入金額は2000万円を差し引いて3000万円の利益となります。

手法の模式図

この2つの組み合わせにより、1回の抽選による期待値はプラス1500万円となります。この期待値で第5750回から第5782回まで購入を続けたとすると、
あくまで平均値を利用した計算ですが、
5000万円×24回 - 2000万円×33回 = 5億4000万円の利益となります。

以上のように、この手法で利益が見込めるため、完璧でないにしろある程度の予測ができたら、チャレンジしようという人がいてもおかしくないということになります。

まとめ

高精度な予測次第ですが、この手法はリスクが高すぎるので真似すべきではないと考えます。
そもそも理論値以上の当選確率という前提はかなり無理があります。
逆に言えば、その無理を通さないと理屈がつかないほど、異常な現象だと言えます。かなり苦しいですが、一応納得できる理屈になったと思っています。これ以上の理屈はやはり不正が必要ではないでしょうか。

以降は、この手法の疑問や騒動に関する疑惑とそれに対する理屈を考えたものです。

疑問とその答えを考える

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