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あなたのデッキは何者ですか?アーキタイプで見るポケカ

はじめましての方ははじめまして、ろしと申します。
文章を自由に書くというのは楽しいということに思い出し始めた今日この頃。
タイトルでも書いている通り今日のお題はアーキタイプです。
前からポケカに限らずゲームのポケモンでもこの話題を出し書くことがちょこちょこありましたが自分の貯えた知識を吐き出しながらアップグレードできたらと思います。
2023/11/12 更新


アーキタイプとは何か?

アーキタイプ(元型)はそもそも心理学者のユングが提唱したもので何かのイメージにはその元となるひな型を共通して持ち合わせているといった内容と思います(ここは専門ではないので違ったらごめんなさい)。
カードゲームでこの概念が初めて出た記事としてはMike FloresはFinding the Tinker Deck/Tinker デッキへの探求ではないかと思われます。
この記事では「競技マジックというものが誕生して以来、真に新しいデッキというものはほんの僅かしかない。」として彼は9つのひな型となるデッキを上げ、新たに作られるデッキもこの9つのアーキタイプのうちのどれかに属するとしています。
この世には数えきれないデッキが存在するものの、抽象度を上げてデッキを見ていくと実はそんなにデッキの種類というものは多くなく、抽象度をあげればもっとシンプルに物事をとらえることができると考えています。
逆に抽象度を下げ、詳細に見ていくと同じように見えるデッキでも系統を細分化することができるし、最終的には〇〇〇さんのあの時使ってたデッキというところにたどり着くのではないでしょうか?
抽象度をあげた具体例としては時代もカードプールも動きも全く違うデッキであるが

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DP1~LEGEND期の探求ポリゴン

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エクストラのアンノーン(DAMAGE)
これらは動きも勝ち方も全く違うものの、同ジャンルのデッキであるという認識を持つことができるのではないでしょうか?

現在よくカードゲームで言われているアーキタイプとしてはGavin VerheyがZero to Sixtyで述べている。
・Aggro-Control(アグロコントロール、クロックパーミッション)
・Beatdown:(アグロ、ビートダウン) 
・Combo:(コンボ)
・Control:(コントロール)
・Midrange(ミッドレンジ)
・Ramp(ランプ)
による6つのアーキタイプによる分類が多く使われているのではないかと思います。
最近シャドウバースなどのゲームでもこれらの用語を用いることが増えてきており、馴染みのある方も多いのではないでしょうか?
解りやすい例でいうとエースバーンVMAX対スピードザシアンデッキの場合、エースバーンはミッドレンジに分類され、スピードザシアンはビートダウンに分類されます。弱点であるということもありますが、速度としてはスピードザシアンの方が遥かに早いが、ポケモン同士の殴り合いに発展した場合、VMAXである以上HP差などから性能差でエースバーンVMAXの方に分があると考えられます。
逆にスピードザシアンにクラッシュハンマーやポケモンキャッチャーなどを加えコントロール要素を濃くするとアグロコントロールに分類としては近くなりますのでまた相性が変わってくるかと思います。
このようにそれぞれのデッキを細分化して比べるよりも抽象化してアーキタイプという抽象度でデッキを見ていくと、相性などもわかりやすく、どのようなタイプのデッキが現環境に多いのかということをつかみやすいのではないかと思います。
またタイトル通り自分のデッキが何者であるのかを自問自答していくことで、デッキの最適化に役立ってもらえたら嬉しいです。

ポケカにおけるアーキタイプ

現在のようにカード種類が豊富で多彩なデッキや戦略があるとその全てをどれかにと分類することは不可能であるし、またポケモンカードの特徴上、攻撃=相手のリソースを奪う妨害になりうることもありますし、ドローソースが強いため、複数の要素を詰め込みデッキを構築することも可能であるため、またがる場合も多いと思います。
その中でも大まかに上記の6つをベースにポケカにおいてどんな立ち位置で何者であるのかと書いていこうと思います。

Beatdown:(アグロ、ビートダウン) 

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例:トドロクツキ、ブジンエンテイ、3神ザシアン、ジラサン、スピードザシアン、よるのこうしん、ワタッコキマワリ
速いダメージソースを用いて、対戦相手のデッキがトップスピードに達するまで削りきり対戦を速やかに終わらせることを目的としたデッキです。
初速は早いものの、ポケモン単体でのスペックはお世辞にも耐久値も打点もより重いポケモンと比べ弱く、最速で攻撃をするためにリソースを序盤に吐き切ることが多く、初動が遅くなり対戦相手と同じ速度の土俵に立つとスペック差やリソース差によって押し返されることになります。
このタイプは効率よくサイドカードを引くことを意識しているため、グズマなどのカードをより効率的に使用することができます。そのため、ベンチへの干渉手段を用いることが多く、ベンチへの干渉=妨害と同義になることもありポケモンカードではクロックパーミッションと分類をまたがることもあるのではないでしょうか?

Aggro-Control(アグロコントロール、クロックパーミッション)

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例:ガブレン、ハッサム単、ロンリーゾロアーク、ウルネクダスト、ゲロゲゾロアーク、レックマイン、チャーレムヘルガー等
速いダメージソース+それを守る妨害手段で構築されたデッキ。
妨害手段という表現がポケモンカードでは曖昧な表現であるが、上記であげたデッキではエムリット(DP5)パワースプレーエネルギーリムーブオカルトマニアレッドカードあたりだろうか。このあたりのカードを使い、対戦相手の動きだしを妨害し、対戦相手がトップスピードになるのを遅らせながら速やかにゲームを終わらせることを目的としたデッキです。
ビートダウン+ハーフロックで構築されることがポケカでは多いのではないかと思います。
使われるポケモンのスペック自体はより重きを置いたポケモンよりも劣ることが多い点、デッキのリソースをビートダウン要素とコントロール要素に振り分けており、良く言えばどんなデッキにも戦える要素がある、悪く言えばどっち付かずの中途半端なデッキになります。
妨害を始めるよりも早く盤面が完成し攻撃してくるアグロデッキには速度とと攻撃に捧げるリソース差で殴り負け、対戦相手が妨害を乗り越え盤面が完成し反撃してきた場合押し返されることがあるという点はアグロデッキと同じです。ただし、多数の妨害手段により相手の初動を遅らせる事に秀でたデッキであるためアグロデッキよりも耐性がある場合が多いです。
上記で具体例としてあげ下記で説明するコンボデッキに対してコンボの発動を介入が可能であるため、コンボに対して最も強いデッキとされています。

Combo:(コンボ)

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例:探求ポリゴン、アンノーンDAMAGE、アオギリカメックスHAND、時空ミミロップ、ダーテング等
特別なカードの組み合わせにより対戦を速やかに終わらせることができるデッキ。大抵の場合、ドローソースとコンボパーツで構成されリソースをほぼほぼコンボに偏らせることが多いです。
コンボへの干渉手段が少ない、攻撃にリソースを偏らせ直線的な攻撃しかすることができないアグロデッキ、攻撃速度が遅くコンボの初動に間に合わないミッドレンジデッキに対して強いです。
逆にコンボへの干渉手段があり、打点も早いアグロコントロールはコンボの初動を遅らせてかつ打点が速いため間に合わないことが多いもしくは初動することができずに負けることがあるため弱いとされています。
このデッキの特徴としてはコンボを成立させることを目的としているデッキであり、コンボに対して明確な妨害をされてしまうと勝つことができなくなることが多いです(例えば特性を使い回すことが前提のデッキの場合特性を使えない状況になるなど)。
妨害に対してコンボ以外の勝ち手段を加えるというアプローチをすることで回避したデッキ(ef:ギャラドス+ポリ探求、ゾロアーク+探求ポリゴン)などもあり、分類をまたがる場合もあるかと思います。

Control:(コントロール)

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例:ニンフィアLO、メルメタンLO、アブレイド、wallstall
ポケモンカードにおける勝ち手段はサイドカードを引き切る、場のポケモンを全部倒し切ることが多いかと思います。
このタイプのデッキは対戦相手のダメージソースを奪うことにリソースを偏らせて対戦に負けない盤面を作るということを目標とします。対戦に負けない盤面を作った後に数少ない勝ち手段(ロケット団の工作、ジュジュべ&ハチクマン、アンノーンHANDなど)を用いて長いターンを使い勝ちを目指します。
そのため、デッキの構成としては妨害札、妨害札を引くためのドローソース、そしてコントロールしきった後に半永久的に使える数少ない攻撃リソースもしくは速やかにゲームを終わらせることができるフィニッシャーで構成されているかと思われます。
ポケモンカードにおいて勝ち手段はダメージを与えることでポケモンを気絶させサイドを取るということが基本となるため、コンボデッキで用いられる飛び道具のような特殊勝利条件などに干渉できないことが多く、他のTCGと比べコンボデッキに弱い側面があることが多いです(コントロールの手段としてロックやハンデスを用いる場合は別ですが)。
直線的な攻撃しか行うことができないアグロデッキに対して、ダメージソースを奪うことに特化したデッキの特徴上コントロールをたやすく行うことができるため、強いのではないかと思います。
何をもってコントロールをするかによって相性が変わってくるのでポケモンカードにおけるコントロールデッキは分類を考えるのも相性を考えるのが非常に難しいと感じています。

Midrange(ミッドレンジ)

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例:サナレイド、カメルギア、ゼクビール、超バレット、サーナイト
アグロデッキがゲームレンジを前に偏らせているのに対して、こちらのミッドレンジデッキは後ろに構えるという立ち位置になります。
序盤は盤面や手札等のリソースを稼ぎ、中盤以降序盤に稼いだリソースに強力なフィニッシャーの作成、半永続的な循環システムから相手のデッキをリソースの量やリソースの質の差で圧殺することを狙います。そして最終的に対戦相手よりも早くサイドカードを引き切ることを目指します。
アグロデッキに対して序盤無防備になりますが、逆転!?マジックハンドやカウンタキャッチャーなどの妨害手段やN・ナンジャモ・ツツジ等のリソースを奪う手段、または回復手段等を用いて、相手の減速や中盤以降のリソース枯渇による息切れを狙うことが多くなると思います。
アグロデッキと比較すると上記の通りゲームレンジをどこに置くかの違いなので同じ土俵・同じ世界線上で戦っているという考えを持っています。また同じミッドレンジデッキでもゲームレンジを中盤以降のどこに置くかによって相性も変わってくるため(例えばアグロデッキのようなデッキにネンドール(DP4)やビーダル(s9)を採用したデッキもアグロデッキと比べるとミッドレンジと呼んでいいと思いますし、サイド3枚引かれた所から巻き返すような低速デッキもミッドレンジと呼べると思います)、かなり広い範囲のデッキがここに分類されると思いますし、ゲームレンジによってミッドレンジ内での相性差も変わってくると思っています。
初動が遅いためコンボデッキに間に合わない、アグロコントロールに妨害されさらに初動が遅くなり押し返しきれないことも発生する相性になるかと思います。

Ramp(ランプ)

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例:エンリュートHAND、カウンターコケコ、滋賀バンギ、ドサイドンLO
アグロデッキやミッドレンジデッキ、アグロコントロールが攻撃することでダメージによる勝利を目指すのに対して、それとは別の攻撃角度や勝ち手段を用いるデッキです。
例えばアンノーン(sm8)の特性HANDで勝利するために手札というリソースを稼ぐ、カウンターコケコや滋賀バンギといったデッキが最終的にカプ・テテフのマジカルスワップや超古代技マシン(岩)といったフィニッシャーに繋げるため、ダメージカウンターというリソースを稼ぐ動きをします。
フィニッシャーや勝ち手段の為にリソースをかき集め、勝利条件の達成を目指すデッキと言えるのではないでしょうか?
対戦相手がアグロデッキやミッドレンジデッキの場合、相手のポケモンが攻撃しダメージを与えてサイドカードを積極的に取りにくる中、ランプデッキは勝利条件の達成を目指してリソース稼ぎに集中するという全く別の角度でゲームをしているように見えますが、対戦相手がサイドを引き切るかこちらが勝利条件を満たすかという同じ土俵でのダメージレースを行っていると私は感じます。
そういう意味ではドサイドン(DP1)やアイアント(s5I)のような積極的に山札を削るいわゆるmillデッキもアグロデッキ等とは明らかに攻撃角度が違うもののサイドカードを引き切られるかその前に山札をなくせるかというダメージレースを行うデッキであるため、ここに分類していいのではないかと思います。単純にアグロデッキ相手にサンドバックになり攻撃を受け続けると基本的にゲームにならないため相手のダメージソースを奪うコントロール要素を含む場合が多く、またコントロールデッキがライブラリーアウトという勝ち手段を用いる事もありコントロールデッキと混同されることが多いと感じます。ただ、コントロールとはリソースを傾け方が違うためコントロールとは別物であるという考えではいます。また爆発的なリソース稼ぎはコンボに分類されることもあり、他のカードゲームでもふわふわしたところではあると思います。
millデッキとコントロールデッキについてはこちらで書いているので良ければ

ランドパンプアップがランプの語源ですが、ランドを使うゲームではなくよりポケカのゲームで近い呼び方としたら「パンプアップデッキ」と呼んだ方がいいかもしれません。

応用

とざっくりとアーキタイプに分けてみたわけですが、それをどう生かすのか?
例えば地域メタ的にピカゼク、スピードザシアンなどが多いとすると、それらのデッキを単体で見ていくと
①弱点をつけるデッキ
②サイドレースに負けないように非GX、非Vがメインで組みサイドレースで優位を取る。
などのアプローチとなり、どっちかには勝てるけどどっちかには勝てないようなことになってしまいます。さらにそこに小ズガみたいなデッキが参入すると
③リセットスタンプ、マリィを多投
など一貫性がない構築方針となることがあります。
この3つのデッキをアグロデッキと認識して、対策を練るとしたら。
①直線的な攻撃がメインである。
②初速にリソースを傾けたデッキである。
などの共通項があがってくると思われます。
だとすると、構築の方針としては
①序盤攻撃を受け流して、中盤以降巻き返す戦略を取る。
②ひたすら防御に徹してダメージリソースを削る戦略を取る。
③カウンターを決めるコンボに近いギミック(ビーストブリンガーなど)
などのざっと考えられ、また初速を挫くためにワンダーラビリンスというメタカードが3つ揃って効果があるのではないかということも考えることができるかと思います。
またアグロデッキでは初速にリソースを傾けたいというため、戦略に沿ったドローソースを採用したいなど戦略にふさわしいカードを選択、組み合わせ案が得る手助けにもなるかと思います。

また同じピカゼクでも
①クラッシュハンマー・ポケモンキャッチャー・マリィを多投し、妨害へのリソースを傾けるパターン。
②ダート自転車なども用いて後攻1ターン目にフルドライブを打つことに特化した形。
③タッグコール・タッグサポートを用いてより安定性を底上げした形
この3つでは
①アグロコントロール
②アグロ
③ミッドレンジ
と同じピカゼクというデッキであっても別物として立ち回ることができるため、同じピカゼクであっても取るべき対応が変わってくると思いますし、これを利用して環境的に多い型に対して優位に立てるようゲームレンジをずらすという手段も考えられます。
抽象度上げデッキを見ていくと、たとえ初見のデッキを握ったとしても、初見のデッキとマッチングしたとしても過去の経験から戦略を引っ張り出して応用させることもできると思いますし、構築の方針も引用ができるができ引き出しも広がると思います。

自分のデッキが何者なのか?

ということを自問自答すると楽しいかもしれませんね!

追記

この記事自体noteを書き始めた初期に書いた記事ですが、この記事から派生した記事も多いのでいくつか紹介します。よければ読んでみてください

こちらの記事はアーキタイプとは別の角度、デッキのリソースの分配による分類わけの説明をしています。この記事と合わせて読んだら面白いと思います。

この二つの記事は今回のアーキタイプの中でもコントロールデッキ、ランプデッキ(の中でもmillデッキ)に焦点を当てた記事です。この2つについてより詳しく書いたつもりではいます。

こちらの記事はアーキタイプ同士の相性についての説明とメタゲーム上どうこの分類分けは利用するかについて書いたつもりの記事です。

終わりに

長文になりましたが、また何か書いちゃいました。
もし面白かった、続きがみたい、他にもなんか書いてなどありましたら、♡押してくれたりコメント書いてくれたりRTしてくれたら喜びます。
それではまた別の機会に。

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