ファイルNo.2 あそこの木

「多分、月末には帰って来れると思うの」

「それじゃあ、お花にお水忘れないでね」
「ああ、あとあそこの木は念入りに、そこの枝切りばさみを使っていいから」

「ええ、いたわ」

「ほらあそこ、かわいそうなキティ」
「あんな子猫どこを探してもいないわ」

「あなたの前のメイドはツルがこんなに速く伸びるなんて思わなかったんでしょうね」
「あれほど念入りにと言ったのに」

「ええ、彼女はキティを守ろうとしたの」
「ほらキティのすぐ側の枝を見て、あれ、彼女の指なの」

「あら、大変、行かなくちゃ」
「それじゃあ、念入りに、頼んだわよ！」